自ら死を選ばれた官吏への手紙
この何日か亡くなられた近畿財務局の方や財務省のかたのことを考えます。おもいたって、息子に死ぬなというために死を使うという詩を書きました。
書いたあとで詩を読み直し、死を使う自分への無神経さに耐えられなくなりました。
やはり彼の死をとおして息子に死ぬなとは伝えられないと思い、改めて詩を書きました
遺されたかたにお悔やみ申し上げます。人を死に追いやる人の行いに怒りを感じます
自ら死を選ばれた官吏への手紙 山口勲
あなたの死を聞いて思い出したのはブッダのことです
獣に食わせるために自らを焼いたうさぎの話をして
教えをひろめて生きた男のことです
ブッダですら使った死をいま生きる人がどう使うか
うそをつく場で使われるあなたの死
謝罪をする場で使われるあなたの死
大臣をやめろと言う場で使われるあなたの死
悪びれることなく使われるあなたの死
私もあなたの死を使ってみようと考えついたのですが
思わず息子を抱きしめて
やっぱりあなたも死なないでと願いました
あなたの死を悪びれなく使って私は
学ぶほかありませんでした 死が
死なないでほしいと伝えられないことを