小説_『知識は必要なのか』
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おれはスマートフォンを持ったまま考えた。
知識は必要なのか。
インターネットの存在によって
スマホひとつでほとんどのことを調べることができるようになった。
ふと、もう知識は必要ないのではないかと思ったのだ。
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何かを調べるとき
それに関連する言葉を入力する。
「調べたいこと」を調べるためには、そのきっかけとなる知識が必要だ。
早くも結論が出た。知識は必要。
これじゃ面白くない。
もう少し深掘りした。
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次に「調べたいこと」の概要を
把握しておかないと
そもそも「調べよう!」とはならない。
「何ができるのか」は
知識が無いと知り得ることができない。
ということは、
「達成したいこと=目標」は
自分が知っている範囲でしか設定できない。
「いま立てている目標を超える目標」を
設定するには知識が必要だ。
知識量によって選択肢は増える。
知識量と目標の設定範囲は比例する
ということだ。
この世界で自分は何ができるのか。
どんな可能性があるのか。
どこに到達したいのか。
自分の知らないことを知れば
自分の可能性が広がっていく。
多くの知識に触れ、世界を広げることが、
自分の未来に良い影響を及ぼす。
~~
おれは頭の中が整理されたあと
読んでいなかった難しくて分厚い本を
本棚から取り出して読み始めた。
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