橘誠(Makoto Tachibana)

日記感覚で想うことを書いています。

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小説_『何のために』

この小説は約2分で読めます。 "何のためにここにいるんだ"と僕は思った。 そんなことを考えていたら、小説を書いていた。 「おはようございます!」  と僕は元気よく返事をした。 「おはよう! 今日も元気だな」と上司は挨拶を返した。  そして、いつものように冗談を言ってきた。 何でもない冗談だ。(言ってきた内容を全く覚えていないので、ここに掲載することができないが……。)  上司が冗談を言ったら面白い返しをしなければならない という"謎の義務感"が発生する。上司を常に心地

    • 年賀状なんて送らなくていいのに

      おれが再び年賀状に目を向けたのは、冬の薄暗い午後だった。外は風が吹き荒れ、枯れ葉が舞い上がっている。部屋の中で、暖かいコーヒーをすすりながら、友人からの年賀状を手に取った。文字はくすんだインクでにじみ、紙の端がわずかに黄ばんでいる。 「結婚式の二次会の幹事ありがとう!今年もよろしく!」 その言葉に、おれは一瞬、胸の中に温かいものを感じた。しかしすぐに、その温もりは冷たくなり、心の奥底に沈んでいった。 おれは何度もこの年賀状を眺め、読み返し、その度に心の中で葛藤した。送ら

      • 文化と芸術の力 ― 11月16日の歴史的出来事

        はじめに 文化と芸術は、人々の生活に深い影響を与える重要な要素です。このエッセイでは、11月16日に起きた2つの歴史的な出来事を取り上げ、文化と芸術の力について考察します。これらの出来事は、芸術の表現力や文化の交流が、社会の発展や人々の心に与える影響を示す重要な節目です。 1. ルーブル美術館が初めて一般公開される(1793年) 1793年の11月16日、フランスのルーブル美術館が初めて一般公開されました。この出来事は、芸術作品が一般の人々にも開かれることの重要性を示す

        • サピエンス全史を読んだ。最高だよハラリ先生。

          はじめに 『サピエンス全史』は、イスラエルの歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリが書いた世界的ベストセラーです。本書では、ホモ・サピエンスという種がどのようにして地球上の支配者になったのか、そしてその過程でどのような文明を築き、どのような問題に直面しているのかを、三つの大きな革命(認知革命、農業革命、科学革命)を軸に解き明かしていきます。 認知革命 認知革命は、約7万年前にホモ・サピエンスが言語能力を獲得し、虚構や神話を創造することで協力や想像力を発達させたことを指します²。

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        小説_『何のために』

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          偉大なる探求者たち―人類の進歩を導く過去の出来事

          はじめに 11月12日という日付は、過去にも様々な重要な出来事や転機が起こった日です。このエッセイでは、人類の進歩を導く偉大な探求者たちと関連するイベントを考察し、その意義と影響について探ってみたいと思います。 1. 1800年代の11月12日、チャールズ・ダーウィンが出航:ダーウィンは『種の起源』を著し、進化論の基礎を築きました。彼の研究成果は人類の理解を変え、科学の発展に大きな影響を与えました。 2. 1929年の11月12日、ディシーアスカット理論の発表:物質の挙動

          偉大なる探求者たち―人類の進歩を導く過去の出来事

          道化の華 太宰治

          1935年に発表された太宰治の初期の作品である『道化の華』を収録。 旧字体を新字体に変換し読みやすくしています。 この『道化の華』の主人公、大庭葉蔵は『人間失格』の主人公と同じ名前である。 登場人物大庭葉蔵(おおばようぞう)…主人公。女と心中を図り一人だけ生き残った 園(その)…葉蔵と共に心中を図った女 飛騨(ひだ)…葉蔵の中学からの友人で葉蔵のことを尊敬し慕う 小菅(こすげ)…葉蔵の親戚で三歳年下。年は違うが葉蔵と飛騨と隔たりのない友人 眞野(まの)…葉蔵が入院し

          道化の華 太宰治

          いつまでも弾き続けていたい

          2年ぶりにある小説を再読した。 最近映画化されている作品だ。 出場者たちが優勝を目指して奮闘する姿や、それぞれの登場人物の回想シーンなど、読んでいる僕の気持ちも高揚して「頑張れ!」と思えたし、演奏を言葉で表現するという技術的な側面にも触れることができて読んでいて感銘を受けた。 その中でも一番好きなシーンはこれだ。 --------------- 『僕はピアノ好きだよ』 『どのくらい?』 『世界中にたった一人しかいなくても、野原にピアノが転がっていたら、いつまでも弾き

          いつまでも弾き続けていたい

          頭の中を書く

          この小説は一瞬で読めます。 「すみません。今日は用事あるので外で昼済ませます」 僕は上司や先輩に声をかけオフィスを出た。 久しぶりにカフェにきた。 新しくできたばかりの店内は予想していたよりも人が少なかった。 スーツのポケットからA6サイズのノートを取り出し、何も書いていない真っ白なページを開ける。 今日は何を書こうか。 平日の忙しさに忙殺されていた現実の場所から離れるだけで、とても心掛けて安らいでいる。この感覚が心地良い。 人と話すのは嫌いじ

          自分探しをするなら小説を読むのが効率的だと思う。

          自分探しで一番効率的なのは小説を読むことだと思う。 ちなみに旅は非効率だと思っている。 旅を否定しているのでは無くて、効率的かどうかの話だ。 旅をきっかけに自分を見つめるとなると時間もお金もそれなりにかかる。 その代わりに質は高いのかもしれない。 新しい人との出会いや体験を通じて自分を知る良いきっかけになると思う。 旅をきっかけにその土地に移り住むことだってある。 そもそも『自分探し』とは何だろうか? 人によって解釈が異なると思うけど、僕は自分の価値観を明確にすることだ

          自分探しをするなら小説を読むのが効率的だと思う。

          向かい風と追い風は同じだ。

          「向かい風が吹いたときでも自分自身が向きを変えればいい」 と彼は言った。 「向きを変える?」 と僕は言った。 「トレンドを理解できれば、向かい風を追い風に変えることができる」 「トレンド?」 「そうだ。逆境に直面したときは客観的に考えること」 「うん」 「そうすることで新しい発見やチャンスにめぐりあうことができる」 「そうかもしれない」 「うん。大切なのは意地を張らずに周りをみることだよ」と彼は満面の笑みを浮かべた。 「ありがとう」と言っている僕は涙を流して

          向かい風と追い風は同じだ。

          小説_『部屋』

          このnoteは無料マガジン『部屋』で 連載していた小説を加筆修正したものです。 マガジンでは1話~10話ありますが、 このnoteはそれを一つにまとめています。 この小説は約10分で読めます。 『部屋』 1話 僕は目を覚まし、すぐに違和感を覚えた。 ──知らない部屋だ。 寝起きの頭は思考を停止したまま動かなかった。 少し経ってから状況を確認した。ベッドは同じだ。 部屋だけが違う。 ビルの一室のような何もない空間。 こんなところ来たことが無い。 この部屋にあるの

          小説_『ルール』

          この記事は一瞬で読めます。 「これはルールなんだ。みんなやってる」 と僕は当然のように言った。 「じゃあ、みんなしていたら守らないといけないの?」 と彼女は言った。 「当たり前だよ」 と僕は返答した。 「本当に?」 と彼女は僕の目をみながら、首をかしげた。 ぼくは、その言葉に、返事ができなかった。 部屋の中に雨の音が聞こえた。 ​

          小説_『ルール』

          小説_『多くの時間』

          この記事は約1分で読めます。 「ちょっと待って、仕事してるから」 と僕は彼女に言った。 彼女はスマートフォンに視線を戻した。 仕事。 それは人生の多くの時間を使うものだ。 一般的には。 僕はひとつのことを考えるので手一杯だ。 仕事とプライベート。 ライフワークバランスとかいうけれど、そもそもバランスを取らないといけないのだろうか。 それが義務なのだろうか。 例えば、プライベート一点集中ではだめなのだろうか。 「ああ。まとまらない」 「大丈夫?」 彼女

          小説_『多くの時間』

          部屋 第10話

          おれはいくつかの番号を書き出した。 家族の生年月日、携帯の番号。 8桁の番号は思いつかない。 その中から優先順位を設定した。 何度も間違うとろロックがかかるかもしれないのだ。 まずは母親の生年月日を入力した。 振動が部屋に響き渡った。 生年月日じゃないのか? おれは紙に書いた携帯の電話番号をみた。 「これは8桁じゃない」 080から始まる番号は合計で11桁だ。 先頭の3桁を除くと8桁になる。 「もしかするとこれか?」 おれは携帯番号から080を除いた8

          小説_『フェリー』

          この記事は約1分で読めます。 小学四年生の夏のことだった。 元気にしてるのかな、とたまに思い出す。 きっかけもなく、突然に。 人生で初めて乗ったフェリーは想像を超えて揺れていた。 船ってこんなに揺れるもんなのか。 学校に行くときに乗っているバスよりも揺れる。 周りの人たちはグループで固まったり、ざこねしている人もいる。 ぼくはなにを話そうか考えていた。 するときみは口を開けた。 「あとどれくらいで着くのかな?」 親に片道40分と聞いていたから、 「もう10分ぐらい

          小説_『フェリー』

          『英雄の器』芥川龍之介【オーディオブック】小説

          芥川龍之介の短編小説。 「英雄とはなにか」 考えさせてくれる作品です。 再生時間:6分35秒

          『英雄の器』芥川龍之介【オーディオブック】小説

          『英雄の器』芥川龍之介【オーディオブック】小説