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「なつかしさ」のマーケティング

西武園ゆうえんちが、"昭和の世界"をコンセプトにオープンすることが発表されました(※1)。

園内では、昭和をモチーフにした商店街をはじめ、昔懐かしいオムライスやスパゲッティ、園内通貨の導入など、1960年代の日本を体験する様々な仕組みが導入されています。

「過去」や「昔」という言葉には、ネガティブな印象が生じることもあります。しかし、私たちはどこかで、「昔に戻りたいな」という感情を抱くこともあり、昔使っていた製品・サービスを見た際には「なつかしいな」と感じることもあります。

この「なつかしさ」に注目したマーケティング戦略を、「ノスタルジアマーケティング」と言い、様々な面から研究が進んでいます。

西武園ゆうえんちのコンセプトも、まさにこの「なつかしさ」に着目したマーケティングと言えるでしょう。

かつて実際に過ごした世代にとっては、懐かしい感情を抱くはずです。
また、若い世代にとっても、どこか足を運んでみたくなる雰囲気があるのではないでしょうか。

その理由が、「Renovation of value 負からのマーケティング」という本において紹介されています。

本書によると、若い世代の人たちは、「古い」と思われがちなもの(具体的には「写ルンです」)に対して、なつかしさや新鮮さを抱くことがあるそうです(※2)。

西武園ゆうえんちにも言及されており、若者は昭和の雰囲気を「古い」「時代遅れ」と感じるのではなく、あこがれや新鮮さを感じる可能性が指摘されています。

私たちは、実際の年齢に関係なく、「古き良き時代」の雰囲気を求めているのかもしれません。いつか、西武園ゆうえんちに遊びに行きたいなと思います。

※1: 西武園ゆうえんち公式ホームページ参照
※2: スマホが普及している状況において、「写ルンです」が注目されているのは、意外に思いました。本の中では、他の事例・分析も紹介されているため、関心のある方はぜひ読んでみてください。


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