福祉の順番(2)
前回のコラムで「利用者と支援者」の間での順番について書いてみました。ただ、書いていくうちに福祉での気になる順番があるような気がしていますので、そこについて書いていきます。
サービス利用の順番
いざサービスを使う時に、どのサービスから利用したらいいのか、と困ることはないだろうか。
ケアプランやサービス利用計画では、サービス内容をいつからどのように使うのかが書かれている。しかも優先順位の高いものから書くことが多くなっている。
では、どういう順番で使うのか、「計画書に書くのか」、と聞かれたら(障害福祉サービスでのことにはなりますが)
①本人の希望するサービス。また、利用する事業所が決まっており、その事業所での提供しているサービス
②家族が希望するサービス。というか、提供できていたら、うれしいサービス。
③決まり文句。「医療との関わり」「相談員との関わり」だったり関係機関との「連携」について書く。
になることが多かったです。③は優先順位が低いというわけではなく、「本人からの聞き取り」をするときに、なかなか本人の口から出てくることが少ないことになります。課題の優先度が高いから、重要というわけではなく、本人の目を引く課題、やる気を出させる計画ということを考えてしまうと、軸となる課題を一番上に書くようになってきます。
また、「事業所を選んでいくこと」でいうと、利用しやすいサービスから計画書に入れてしまうということもあり得ます。それは、利用者の希望には沿わないこともあります。
①通所系のサービスを利用するときには、利用者も相談員も利用するサービス事業所は、ある程度意見が一致しているので、予定表には入れやすい。
②医療系のサービスについては、曜日や時間が決まっているので、そこに合わせてヘルパーさんを入れていく。
③訪問系のサービスは、使いやすく、事業所が多いのは確かですが、調整していくとなると、最後の最後まで予定が埋まらず、調整をしまくっていたという記憶が残っています。
また、計画を立てていくと、利用者と支援者では「してほしいこと」の優先順位が変わっていることがある。もちろん、しっかり話を聞いて確認をしながら作成しているはずだが、ズレを感じてしまうことがある、
支援者は「生活における問題点」を解決しようと、サービスを調整しようとしている。また、継続的に長い目で見てサービスを組み立てようとしていることもあると思います。
利用者は、支援者が感じている「問題点」を問題点と感じていないかもしれないし、自身が感じていない課題を入れられても、やる気がなくて実行しないかもしれない。
支援者がどんな視点や思いでサービスを組み立てているのかはそれぞれ。
医療サービスを整えて、健康管理を進めていきたい。
生活支援を手厚くして、規則正しい生活ができるようにしたい。
就労支援サービスを行なっていきたい。
など、利用者の状況によって変わってくる。
また、「あのサービスが良い/悪い」「あのサービス事業所が良い/悪い」ということで、順位をつけたくはないのですが、利用者の生活状況や相性、経験等で、順位をつけている可能性はあると思います。
○○という障害があるから、就労継続支援事業よりも生活介護事業
認知症があるから、在宅より施設
○○という配慮が必要だから、専門スタッフがいる機関へ など
となることが多いのかな。
利用者の中での順番
相談員や支援員としては、利用者間での順番をつけないようにと言われています。ただ、利用者には「自分を見て欲しい」「自分が一番」と思っている利用者もいる。
そして、相談をしていくと、自然と順番が遅くなってしまう人もいる。
自宅が遠くて、モニタリングが後回しになってしまう人
相談員や支援員を避けていて、なかなか話ができない人
相談できる時間が限られてしまう人 などなど
相談したいことがないように見える人。相談はしたくても、自分から言えない人。
※要注意です。何も言えないから、相談がないと思っていると、本人の許容範囲を超えている問題になっていることもありますので、こまめに聞き取っていきましょう。
また、相談が最初になりがちな人というのは
サービスを安定して利用できている人(さっと面談が終わりやすい)
話す内容が決まっている人(同じ内容になってしまう)
常に相談員や支援員のそばにいて、話しかけてくる人(モニタリングということが常に行われている状態)
となってきていました。
これまで経験した中では、複数の担当利用者が入居しているグループホームにモニタリング面談に行ったときのことです。
特に誰から相談するということは考えてなかったのですが、Aさんに面談しようとしていたら、外出中だったので、先にBさんの面談をしていたところ、Aさんが帰ってきて、「何で自分から面談してくれないのか、待っていたのに!!」と泣きわめいてしまいました。
Aさんには「外出していたので先にBさんに話をしていたんだよ」と説明するも、拗ねてしまって面談ができなかったこともありました。
それからは、そういう利用者がいる時には、他の利用者の様子を気にしながら、できるだけ順番を気をつけるようにしていました。ただ、いつも最初に面談をしてばかりだと、その利用者が思い上がってしまうこともありますから、加減を気をつけましょう。
「福祉の順番」について、2回にわたり書いてみましたが、気になることがあると(3)も書くかもしれません。
よろしくお願いいたします。
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