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結果オーライ??

 ※このコラムは支援者側の一方的な思いが書かれているため、読むことで嫌な気分になったり、サービス利用をされている方に対しての偏見が書かれているため、注意して読んでください!!

 こんなことを言っていいのか分かりませんが、福祉でいろんな相談や支援をしていて、最終的なゴール(目標)がある場合、無理やりにでもゴールへ向かわせようとしていると感じてしまうことや、本人の思いとは全く違う方法へ(スタッフが思い描いた方向へ)進むことがあります。

 例えを言った方が分かりやすいですね。
 共通のテーマは「就職したい」としてみます。

無理やりな支援

 知的障害があり、就労継続支援を利用しているAさん。

 就職希望はあるものの、自分の思いをなかなか言い出すことができない。  他の利用者との関係性はいいが、スタッフに対しては、相性がいい人と悪い人が分かれてしまう。

 ある日、あまり相性の良くない支援員から「そろそろ仕事について考えてみたら?」と言われてしまうが、お金(年金)のことを気にしてしまい、黙ってしまう。そのだんまりが支援者側はOKと見えてしまう時がある。そして、いつの間にか、どうしてなのか「就職する」ということになってしまい、実習の話や、支援計画も進んでいく。

 ちょっと言ってしまうと、事業所としては「就労支援」をしているから、その実績を作らないといけない。その標的にされてしまったのかもしれない。

 手厚い支援をしていく支援者側と、そのことにあんまり乗り気でない利用者。

 そして、事態が動く。

 本人が「就職」というプレッシャーに耐え切れず、事業所を休みがちになり、サービス利用できなくなってしまう。いざ、再開できたとしても、支援者側はなかなか就職の話ができず、ズルズルと利用期間だけが伸びていくこともある。

本人の知らない結果

 精神障害があり、就労継続支援を利用しているBさん。

 就職意欲がものすごく高く、周りの利用者にも「就職する!」と言っている状態。だけど、事業所としては、作業能力が高く、利用者のまとめ役にもなっているBさんがいなくなったら、困ってしまう。

 でも、本人の希望を尊重して、色んな支援を行なっていく。実習、ジョブコーチ、ハローワークなどの支援をする。

 ただ、ここで一つの爆竹を用意しておく。本人の苦手とする「朝8時45分からの作業開始」の条件つき?で色んな支援をして行く。

「通勤時間を考えると、朝7時前には起きないと間に合わないよ」

「前から言っていたと思うけど、朝からの作業にちゃんと参加できないと、就職は難しいから」

「言葉に出していることと、行動が伴わないと次に進めないよ」

 というように、まるで真綿で首を締めるように、本人への支援を実現するかしないかのギリギリの支援計画を立てていく。

 本人の頑張りが認められれば、支援者側が折れる。
 支援内容によって、本人が就職をあきらめるか。

 本人は「やる気」はある。だけど、そのやる気を削ぐように「支援」という名の壁が立ちはだかっているような状態。そんな状態が長く続いてしまうと、本人は「このままでいいや」と思ってしまい、これまでのサービスを使い続けることになる。
 支援員はホッと安心している?

求人チラシ

 精神障害があり、就労継続支援を利用しているCさん。

 長期入院をしていたため、生活スキルが不十分で、見通しが甘いところがある。

 ある日、一般向けの求人チラシを持ってきて、相談を受ける。

C「ここに載っているポスティングの仕事をしたい」

相談員「・・・・」

相談員「ここに載っていることで言うと、毎日2、3時間の作業って書いてあるけど大丈夫?」→薬の影響で疲れやすい。「履歴書とかって書いたことある?」→就職の経験なし。などと、本人に矢継ぎ早に質問をしていく。
 ただ、本人のやる気を尊重して、出来る目標を設定していく。
 例えば、「活動できる時間を増やす」「自己アピール、特技を考えてみる」など、仕事を考える上では必要なこと。

 そうは言っても、本人の気持ちは収まらないので、連絡先に問い合わせてみて、ちょっとでも厳しいことを言われてしまうと、シュンとなって諦めてしまう。

 支援員・相談員としては「言わんこっちゃない」とため息をついている。


 これまでの3つに共通しているのは

 「就職についての支援をしても、結局は元に戻ってしまった」ということ。しかも、支援員や相談員がそうなるように本人を操っていた可能性が高いということ。
 そして、その後の本人としては「就職」の相談をしても、同じことになってしまうという不信感から、相談してくれなくなる。

 自分の経験も踏まえて書いているので「支援員」「相談員」は自分かもしれない。「本人のため」を思って、「希望が叶わないように」支援する。何となく本人が困る将来が見えてしまうから、「もう少し」という思いから留まるように支援する。

 これではいけない。

 どうすれば自分の希望する生活、就労に近づけるのかを、きちんと本人と話し合う。こういうリスクがあるから、こうしよう。この条件だと心配だから、まずはこうしてみてはどうか。というような、本人の納得できる支援を提供することで、これから先も本人としても「困った時には、相談してもいい」と思ってもらえる。

 事業所も、自分たちの行なっている支援を信じているのならば、利用者(訓練生)を自信を持って送り出し、その姿を見ている他の利用者も「頑張ろう!」という気持ちになるはずである。

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