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必要な人はいますか。

仕事をする中で「頼りにしている人」「いなくては困る人」はいますか?

 僕は、これまで支援してきた利用者の中にもいます。頼ってきたから、ということではなく、自分の見えていないところや直してほしいところをきちんと面と向かって言ってくれる。そして、その人のお陰で今の自分が成り立っている。

利用者と支援者

 利用者さんであっても、仕事仲間であっても「支援する」「支援される」という関係性の中で助け合っている。もしかしたら、支援していると思っていても、逆に支援されているということもありうるかもしれない。自分のできないところ、苦手なことを指摘してくれる。
 福祉のかかわりだけで言ってしまうと「支援」から外れてしまうと、必要ではなくなることもあると思います。また、福祉サービスとしては、大人数に対して目を向けているから「あなたのことが必要です」と言われても、何だか綺麗ごとを言われている感じをする人もいるかもしれない。ただ、お互いに必要としていれば、無理は言わないし、言えない。はたから見ているとそっけない態度や「強引だな」と思うかもしれないが、「きちんと対応してくれている」(=「言ってくれる」「聞いてくれる」「やってくれる」)から、落ち着いていられる。

いなくては困る人

 自分のダメなところ、やりすぎなところに対して「ストップ!!」と言ってくれる人。自分が困っている時にサラッとアドバイスをくれる人。そんな人はいつもはあまり口数が多くない。
 自分の調子が悪かったり、普段と違うことをしていたりすると、止めてくれる。これは、相手のことをきちんと見ていないと、指摘してくれない。

 自分の中で「心の支え」と言っては大げさだけど、「この人のためなら…」と支援者はできる限りのことをしようとする。この「できる限り」を超えてしまうと、バランスが崩れてしまう。

 「依存」ではなく、「相手がいないと何もできない」と思ってしまっていると、お互いに変なつながりができてしまう。関わりがピンと張ったような緊張状態だと、少しの衝撃でも途切れてしまうし、絡み合った状態だと、何をどうすればいいのかをお互いに分からない状態になってしまう。

 頼ってはいけない、ではなく、頼ってもいい存在になれるように。

「必要な人」は何人でもいい

 本人にとって「必要とする場面」は色々。パソコンはこの人、制度はこの人、調理はこの人、音楽はこの人…というように考えている。「念のため」ということではなく、利用者も支援者もストレスなく関われるように、安心できる関わり方を考えている。

 何人もいることがいいのかというと、性格的に「合う」「合わない」があるので、多くても10人くらい。

 ちなみに「必要な支援をしてくれる」と思うのは、本人であり、何を欲しているかを感じ取る能力は、「仕事ができる・できない」とは関係ない。一生懸命支援すれば、分かってくると言いつつも、仕事がいくらできても感じ取れないこともある。
 「鈍感な人」「敏感な人」であっても、利用者本人との波長をどれだけ合わせられるか、も関係してくるのか。

優しさの延長なのか?

 福祉の支援者が「必要な人」に対して「優しいからここまでできる」と言われるとそうではない。関わっていく中で、自分が成長できる存在だから、相手に魅力を感じてもっと深く関わりを持ちたくなるから、惹きつけられていくから「必要な人」になっていく。
 優しさだけでは支援はできない。支援は時には残酷なことを言わないといけないこともある。だけど、そのこともお互いに必要なことだと分かっているからきちんと話す。 

 人が出会う時には「つながり」を求める。
 本当に必要な人に出会うために、なるためには「自分をどれだけ成長できるのか」が大切なことだと思います。例え、少しの成長でも、その先を一緒に進んでいきたいと思っていけるように自分も精進していきたいと思います。

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