読了メモ『変数人間』
『変数人間』
アマゾンの紹介文↓
すべてが予測可能になった未来社会、時の流れを超えてやって来た謎の男コールは、唯一の不確定要素だった……波瀾万丈のアクションSF中篇の表題作、奇妙なゲームに明け暮れる地下シェルターに暮らす人々を描く中期の傑作「パーキー・パットの日々」、同名映画原作のSFアクション「ペイチェック」をはじめ、短篇集初収録の掌篇「猫と宇宙船」ほか、ディック得意の超能力アクション&サスペンス全10篇を収録した傑作選。
以下、読了後の感想メモ。
「パーキー・パットの日々」
火星人に生活必要物資を貰い、養われながら、模型遊びに興じ続ける大人たちを描いた短編。後半の「え?意味わからないんだけど?」という展開から、最後のオチへの畳みかけ方が素晴らしい。この短編集の中で一番好き。
「CM地獄」
CM地獄というより、実演販売地獄という感じ。ホラーっぽい。
「不屈の蛙」
思考実験ならぬ試行実験。中盤のアクション(?)描写から、蛙再登場→オチにかけての展開が良かった。
「あんな目はごめんだ」
これは「ディック先生、日本の落語をご存じなのでは?」という感じの言葉遊び的な短編。
「猫と宇宙船」
わかりやすいざまぁ展開。メクノス人も猫好きとみた。
「スパイはだれだ」
陰謀が醸成されていく過程が、現代のSNSを見ているみたい。
「不適応者」
後半の収録作は追いかけられ系アクションSF。これはオチがきいていて好きな感じ。
「超能力世界」
<かげぼうし>の正体がわかった時に全部回収される感じがいい。
「ペイチェック」
なんだか既視感のある話、と思ったら映画化されていたらしい。どこかで見てのかな。
「変数人間」
追いかけられSFに、戦争モノの要素もあり、軽い文明批判のようにも読め、エンタメ度高く、面白く読めた。
終わり
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