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この本はいかが 091
森が呼ぶ
宇津木健太郎 竹書房 2021年7月22日初版第1刷発行
最後のページ、文章まで油断できない怖ろしい話です。
至る所に話の伏線が仕込まれています!。全てが回収されているのでしょうか?。分からないほと怖ろしいです。
分からないと言えば、主人公の1人阿字蓮華( あじ れんげ ) の故郷へ行った「私」、この「私」の名前がどこにもありません。作品が途中まで、「私」の日記形式になっているとしても、とても不自然です。
『「ねぇ、阿字が私の名前を呼ぶ。……」』など、複数人数場面でも、「私」の名前の呼びかけがなく、不思議です。
不思議なことだらけの村です。
村の森を奉(たてまつ)る宗教のこと、森には必ず仮面をかぶって入ること、強い匂いのお香を村中で炊いていること、どの遺体も異常なこと、挙げればきりがありません。
村を襲うものは何なのか。蓮華と「私」は生還できるのか。怒涛の展開にページをめくる手が震えます。
アオジマイコによる表紙イラストが、不気味さを倍増させています。