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この本はいかが 098

死念山葬
朝倉宏景 東京創元社 2024年10月18日初版

最初のうちは、サスペンスものと思っていたら、途中から呪い、怨霊、が盛り沢山のホラー小説でした。
第1部は学が主役です。始末屋浅木の死体処理を手伝わされている学が、祖母の出身村に彼女の夢花( ゆめか )と行きます。村の奥にある山に彼女が魅入られてしまい、学は救うべく頑張ります。
第2部は夢花が主役です。霊感があるだけに、それが長所にも短所にもなっているようです。学の祖母とともに霊に立ち向かう彼女の一途さが素晴らしいです。
山に巣くう無数の怨霊、生きている人間の行為、その恐ろしさ、無意味さが描かれます。幽霊の定義が恐ろしいです。
宗教的記述が詳しくありますが、そうなのかと、受け取っておいて大丈夫なので、学や夢花たちを応援してください。
エピローグも意味深長だと思います。シリーズ化するのか…。期待と不安?ありです。

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