この本はいかが　020

新  本所おけら長屋１
畠山健二　祥伝社文庫　2024年6月20日初版第1刷発行

もとは20巻(+外伝1)の人気作品の新シリーズが始まりました。
人情時代劇小説です。笑いつつ、ポロリと泣ける、心が温かくなるお話です。主人公は万造と松吉です。性格はいい加減ですが、知恵と行動力が素敵で、長屋と周囲を巻き込んでいきます(時々、その逆もありそれも楽しいです)。「騒動が好きなのは、おけら長屋の人たちだけじゃないんだねえ」(P135)という表現も納得です。
外伝以外、話の題名は全て４文字のひらがなで統一されています。
今回は「まんてん」「みかえり」「にたもの」となっています。これがまたいい。話を読んでいくと納得です、作家さんすごいです。
今回の騒動は、盗賊に狙われる店の騒動、だまされる父をめぐる騒動、怪しげな上位討ち騒動です。
人情あふれる小説を存分にお楽しみください。この新シリーズが20巻を超えていくことを期待します。