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この本はいかが  002

わたしは孤独な星のように
池澤春菜 早川書房 2024年5月15日発行
7つの短編からなるSFです。表紙のキノコが不気味な雰囲気です。それぞれの話は、キノコが人類に影響を与えている世界で悩む女子高生の話、水中で生きる新人類の器となった女性の回顧、ダイエットが世界を巻き込んでいく話、不死生物を発見した話、AIと人との関連を考えさせる話、宇宙戦争にまき込まれるタレントの話、旅が自己を覚醒させる話、です。
おのおの世界観・舞台は違うのですが、どこかつながりを感じてしまいます。日常生活の延長線上に、少しだけ異なる次元が加わった表現で、ユーモアも織り込んでいるので、引き込まれていきます。
結末がすっきりした話ばかりではなくて、次の展開は読者にお任せ、なのは作風の1つかもしれません。
作者の池澤春菜さんはSF作家クラブ会長をしたり、声優、書評家、エッセイストなど多面的な活動をされている人物です。今後の作品を楽しみに待ちたいです。

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