この本はいかが 011
もっと! にゃん!
鈴江三万石江戸屋敷見聞帳
あさのあつこ 祥伝社 2024年9月20日初版第1刷発行
「にゃん!」の第2巻になります。お糸ちゃん(人間)が大活躍する物語です。正室の珠子(たまこ)と、他の付き人達は人間の姿をしている猫族です。その屋敷で奉公しているお糸は、かわいい素直な女の子ですが、霊感?があったり、話ができる藁人形を袂に入れていたり、興奮すると言葉使いが下町風になったりと、魅力ある人物です。
起承転結がとても分かりやすいです。今回の騒動は、屋敷に幕府の間者(いわゆるスパイ)侵入から始まります。そして藩の乗っ取り計画解明へ。お糸の大活躍が展開されていきます。お糸の努力は本物です、大変な努力です、涙が出ます、あのお糸がここまで…、(笑)。
作品の特徴として、劇中のような『「トン、トン、タタタタ。~」』、『「ハァ、ピッ、ピッ、ピー~」』ほか擬音語や突然に出る英語の単語、『「だでぃ~」』などの独特なセリフ回しが頻繁にあります。正統派の時代劇小説という語句は忘れて、楽しんでください。
そうすると、結末で『「えええーっ」』というお糸達の驚きの声に読者の声が重なっているはずです。第3弾が待ち遠しいです。