この本はいかが 050
営繕かるかや怪異譚 その参
小野不由美 角川書店 2022年8月26日初版発行
主人公尾端青年の職業は営繕です。家の修理をすること、大工ようなものでしょうか。
各話で登場する人(依頼主になる)は、怪異に困り果てています。
無人の二階塔に視える女、亡者が呼ぶ家、歪んでいくドールハウス、他、
それぞれ深刻です。悩みを知った人が紹介してくれたのが、尾端青年です。
彼は決して依頼主の話を否定しません。霊能力者ではなく、あくまで家の修理で解決を図ります。除霊とか使役の活躍する場面は全くありません。
その結果、怪異が消えない話もありますが、依頼主がより前向きな生活姿勢を心がけることで、よい方向へと進みそうです。
6編が掲載されています。読みごたえがあります。これらの怪異が自分の周りで起きないことを祈ります。
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