![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/156213898/rectangle_large_type_2_c0d6b9efc570b4eb0e315db53e51ec34.jpg?width=1200)
読書は一期一会〜2024年9月
「読書は一期一会」というタイトルで、毎月買った本を紹介する月例noteを投稿しています。
2024年9月に買った雑誌・Kindle以外の紙書籍を紹介します。
今月は戯曲集4冊から行きます!
***
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/156213484/picture_pc_26b722a015225a1c4f379e53d3971c58.png?width=1200)
「ケラリーノ・サンドロヴィッチ自選戯曲集1 ナイロン100℃篇」(早川書房)2020
「ケラリーノ・サンドロヴィッチ自選戯曲集2 昭和三部作篇」(早川書房)2020
ケラリーノ・サンドロヴィッチの自薦戯曲集を2冊。
ケラリーノ・サンドロヴィッチといえばもはや日本の演劇界を代表する一人と言ってもよいのであろう。
なんせ、紫綬褒章まで受賞しているのだから。
だけど残念ながら僕の中では有頂天のKERAとしてしか認識出来ていなかった。
それも1980年代後半まで。
本当に残念だ。
せっかく平成とともに東京に出てきて働いていたのに、あの時代はソフトウェアのシステムエンジニアなんて深夜帰宅が当たり前で本当に忙しかったから。
年に1-2回、外タレの来日公演に武道館へ行く以外は、とにかく演劇・音楽など全般が抜け落ちている。
そんな訳もあって、今頃になって極力時間を作って色んな作品に触れようと思っている。
しかし、演劇も気付いた時はチケット完売なんてことも頻繁にあるのだけど、
そんな時には戯曲を読めばいいじゃない
と首だけのパリ五輪開会式のマリーアントワネットが教えてくれた訳でもないが、
とにかく戯曲を読めば少しでも雰囲気は味わえるのではないかという魂胆だ。
ケラリーノ・サンドロヴィッチ(長いのでケラさんで)の戯曲は廃刊になっているものが多くてなかなか入手出来なそうだが、ありがたい事に2020年に自薦集を2冊出している。
そもそも出版部数も多くないのだろうと推測するに、まさに読書は一期一会。
入手出来るうちに手に入れておこうと2冊購入。
1冊目はケラさんの主宰するナイロン100°Cで2008年から2018年に上演した5作が収められている。
2冊目は2009年〜2017年に昭和の東京をテーマにシアターコクーンで上演した3作品。
とにかくはじめて音楽以外のケラさんの作品に触れるので楽しみです。
***
「ピルグリム21世紀版/ハルシオン・デイズ2020 パンデミック・バージョン」鴻上尚史(論創社)2021
今度も戯曲集。
鴻上さんといえば(て、こればっかり)、青少年の人生相談お悩み相談おじさんとして有名だけど(コラ!失礼やろ!!)、
実はこの方も劇作家・演出家で演劇の人なのである。
て、誰でも知ってますね。すみません。
だけど、作品を観た方はそんなに多くないのではないですか?
僕も機会がなくて、これまで触れて来れませんでした。
いや、機会はその気になって作るもんや、と言う声が聞こえてきそうですが、はい、そうです。
すみません。
鴻上さんのエッセイだけ読んでお茶濁してました、
なので、戯曲をちゃんと読んでみようと思い、ケラさんの戯曲を買ったついでに同じ棚にあったこの本もお迎えしてきました。
2作品が収録されていますが、2作目の「ハルシオン・デイズ2020 パンデミック・バージョン」は、まさにあの頃のコロナ禍での自粛警察がテーマになっているようです。
自粛警察といえばまさに日本の病理、同調圧力によるもので、鴻上さんの日頃の主張とも重なる部分が多いんだろうなと思っています。
***
「時は立ちどまらない~東日本大震災三部作」山田太一(大和書房)2024
こちらも戯曲集。
僕の大尊敬する山田太一さんの作品集です。
2011年の東日本大震災の後、脚本家として物語作家として何が出来るのかを考え続けて生まれた3作品だそうです。
山田太一さんの作品は、セリフまわしが、あぁ山田太一さんの作品だな、と思う時がしばしばあります。
この本を知ったのも、きっかけは収録作品のうちタイトルになっている作品です。
2014年にテレビドラマ化されて放送された時には観ることが出来ませんでしたが、先日再放送されたものを観る事ができ、
大震災で被害に遭い家族を失い生き残った家族と、亡くなった男性と婚約していた女性の家族、こちらは高台に家があったため被害はほとんどなかった。
そんな、微妙な関係の2つの家族。
かたや生き残った柳葉敏郎演じる漁師の男性。
かたや被災しなかった中井貴一演じる信用金庫支店長の男性。
2人は婚約していた子供たちの父親としてだけではない関係があった。
この設定とそれぞれの人が胸に抱えたものを時に隠しながら、時に吐き出しながら、あくまでも言葉で関係を作っていこうとするそのセリフが、
あぁ山田太一さんだと何度も思いました。
これは脚本も読んでみたいということで入手しました。
***
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/156213483/picture_pc_552fb36999793b38446c0e0ba2948abb.png?width=1200)
「少女には向かない完全犯罪」方丈貴惠(講談社)2024
9月も終わり後半戦。
そろそろ、年末のミステリー各賞狙いで出版点数が増えてきます。
そして、読者としても数多く出てくる本から、選びに選んで読んでいかないといけません。
いや、いけませんって訳でもないが、やはり受賞10位以内の本は読んでおきたい。
そして、その中でまず選んだのが方丈貴惠の一冊。
これまで2年連続本格ミステリー大賞ノミネートですから、今作も固いだろうか。
そして最近流行りの特殊設定ミステリ、探偵役が幽霊??!
うむ、面白そう。
***
「だいたい夫が先に死ぬ これも、アレだな」高橋源一郎(毎日新聞出版)2023
身も蓋もないタイトルだな笑。
これはサンデー毎日に連載の「これは、アレだな」の単行本化第二弾みたいです。
最近第三弾が出たみたいなんですが、前のから読もうと第二弾から。
一弾目は2022年なので、おそらく(というかきっと)コロナ禍の話が中心だろうから、と。
まぁ、エッセイ好きとしてはいつかは読むべき本でした。
簡単ですんません。
***
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/156213508/picture_pc_f2e9fef3c59eb22408f82ed3ef03700b.png?width=1200)
「頭のいい人だけが解ける論理的思考問題」野村裕之(ダイヤモンド社)2024
これは多分日経新聞の広告で知ったんですよね。
完全にタイトルと広告キャッチで引っかかった口です。
大人の脳トレとかそんなのと同じ流れのような。
まぁ、寝る前に気楽に読む本です。
***
「パブリックライフ: 人とまちが育つ共同住宅・飲食店・公園・ストリート」青木純(学芸出版社)2024
なんて言う分野といえばいいんでしょうか。
社会学?建築学ではなさそうだし。
まちづくりに関する本です。
多分。
てか、なんでそんなに曖昧やねん!
と突っ込まれそうですが、正直どんな内容の本かよく分かってないです。
が、これはamazonで買ったもので、おすすめに出てきた中で興味を惹いたんですね。
で、このテーマと同じ(と思われる←うわ、これも曖昧)本がいくつか芋づるで出てきて、
どうやら、これからのまちづくりは、コミュニティというか個人やグループというこれまでの単位で楽しめるだけではなく、もっと地域や建物、公園やそんなパブリックな空間を活かしたまちづくりこそがこれからあるべきではないか、そんなテーマの本だと想像してます。
うん、よくわかんないですね。
で、そのモデルケースとして、高円寺アパートメント、青豆ハウス、都電テーブル、南池袋公園、グリーン大通り、といくつかの場所が語られます。
多分、都会が他人と隔絶して孤独を選べる、という時代から、もっと他人と関わる、関わらざるを得ない、そんなニーズが高まってるんでしょうか。
まぁ、いずれにしても興味深いテーマなので何冊か読んでみたいなと。
***
「DUB入門 -ルーツからニューウェイヴ、テクノ、ベース・ミュージックへ」河村祐介(Pヴァイン)2024
先月に続いてDUBです。
今月はelekingから出たディスクガイドシリーズです。
ダブをテーマに400枚以上のディスクを取り上げて、ダブの歴史や他のジャンルとの架け橋、融合、発展、そしてダブとは結局何なのか?を明らかにする、そんな本だろうと。
サブスクで古い盤も気軽に聴ける時代だからこそ、音楽好きはこういうディスクガイドは読むべきだと思います。
***
「マンガ 誰も書かない「真実」 日航123便はなぜ墜落したのか」森永卓郎(宝島社)2024
がん闘病を発表された森永卓郎さんの著書。
これは1985年 8月12日 日航123便が御巣鷹山山中に墜落した事故について、本当は何が原因で起こった事件なのかを、広く知らしめるためにマンガという形で紹介している本です。
日航123便の墜落事故については未だ国内でもあの規模の事故は起きておらず、また有名歌手の坂本九さんが搭乗していた事で帰らぬ人となったことからも有名になった事故です。
当時の報道は僕もよく覚えています。
この事故については、単なる事故ではなく国家間の何らかの原因があり、それは国によって隠蔽されていると主張されている方がいらっしゃいます。
が、もちろんそんな大掛かりな裏があるケースでは、マスメディアは報道するはずもなく、いつまでも真実は闇の中です。
森永卓郎さんはご自身の余命が長くないと考え、今までタブーとされていた真実を色々と暴露されていらっしゃいますが、この本もその活動の一環です。
安倍政権自民党とカルトである統一協会の癒着が陰謀論でも何でもなかったと分かってから、
もはや陰謀論と言われていることの方に真実があるんではないかとも思われる昨今。
いつまでも為政者の言いなりになって、テレビや新聞のマスメディアだけの報道を鵜呑みにして目を瞑っていてはいけないですね。
***
さいごに
今月は10冊と少な目でしたが、これくらいのペースでないともはや死ぬまでに読み切れません。
(このnoteシリーズでは紙の本しか紹介してないですが、講談社のKindleセールで京極夏彦百鬼夜行シリーズを結構買ってしまいました)
ていうか、出来ればもう本は買いたくない!
だけど、次から次へと面白そうな本が出てくる!
困った!
来月は何冊になるか?
2-3冊であることを祈る。
それでは!
〈了〉