読書は一期一会〜2024年11月
「読書は一期一会」というタイトルで、毎月買った本を紹介する月例noteを投稿しています。
2024年11月に買った雑誌・Kindle以外の紙書籍を紹介します。
今月も多そうなので、早速行きましょう。
それではレッツゴー
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「AIとSF 2」日本SF作家クラブ編集(ハヤカワ文庫JA)2024
昨年出たAIをテーマにしたSFアンソロジーの続編が出た。
最近のAIの進化はリアリタイムにそれを目の当たりにしているSF作家にとってみればインスピレーションの宝庫なのかもしれない。
現実世界では生成AIがAIの覇権を握っているようだけど、SFの世界ではもっと先を行く読者の想像を超えるぶっ飛んだSF世界を見せてくれるかもしれない。
そんなワクワクが前作よりさらに80ページ増えた736ページで11作を収録。
あぁ、家にこたつが無くなったのが残念。
SF・こたつ・みかん の組み合わせなんて最高すぎるのに。
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「コレクションズ(上)」ジョナサン・フランゼン(ハヤカワepi文庫)2011
「コレクションズ(下)」ジョナサン・フランゼン(ハヤカワepi文庫)2011
かなり前に読んだ「フリーダム」がすこぶる面白くて、いつか他の作品も読んでみたいと思っていたジョナサン・フランゼンの「フリーダム」の1つ前の作品。
現代アメリカの家族を描いているフランゼンの作品を読むことは、現代アメリカの病巣を知ることにもなるかも、と思っているが今作が出版されたのは2001年に出版されている。
リーマンショックより前だし、GAFAもいない世界線。
今とはだいぶ様相が違っているんだろうとは思うが、911の年に発刊されているので、少しは影響があるのか。
今がもっと身近な「フリーダム」の次作「ピュリティ」も本棚で待機しているけれど、まずは2001年作から。
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「ホワイト・ティース(上)」ゼイディー・スミス(中公文庫)2021
「ホワイト・ティース(下)」ゼイディー・スミス(中公文庫)2021
ジョナサン・フランゼンの分厚い上下巻を購入するタイミングで、もう1冊海外の家族ものを読んでみたいなと思って選んだのがこの本。
こちらは現代イギリスの代表作家ともゼイディー・スミス。
ブレイディみかこさんも大推薦というのだから面白いに違いない。
表紙装丁のイラストに書かれた主人公らしき男性のぱっちり目元から分かる通り、ジャマイカ系イギリス人作家の作品。
白人社会だけの話でじゃないところがまさに現代イギリス。
ところでこの表紙を見てたら、イングランドのコーナーショップというバンドを思い出した。あちらはインド系イギリス人のメンバーが中心のバンドだったけど。
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「有栖川有栖に捧げる七つの謎」一穂ミチ、今村昌弘、白井智之、青崎有吾、阿津川辰海、織守きょうや、夕木春央(文春文庫)2024
なんとも大胆な。
新本格推理小説の元祖とも言うべき一人有栖川有栖をテーマにした現代ミステリー作家たちによるアンソロジーなのか?
作家の皆さんはひょっとしたら自身の普段の作品よりも力が入ったのではないだろうか。
当然、有栖川有栖御本人も読むはずだろうし。
きっとアイデアもモチーフもトリックも練りに練った作品たちだろうと期待大。
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「架空犯」東野圭吾(幻冬舎)2024
「白鳥とコウモリ」がすこぶる面白かった東野圭吾の続編とも言うべき作品。
”「白鳥とコウモリ』の世界再び——シリーズ最新作”
というキャッチコピーが付いていたから。
刑事役が同じ人物のシリーズものなのだろうか?
全くノーアイデアで読むのだけど、面白さへの信頼感は半端ないから大丈夫。
「あ、新しいの買ったんだ」と早速見つけた相方が寝室に持って行ってしまったので、読むのは少し先になるだろうけど。
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「ぼくらは回収しない」真門浩平(東京創元社)2024
第19回ミステリーズ!新人賞受賞作を含む短編集。
全くもって面白いタイトルを付けるもんだ。
「ぼくらは回収しない」って何を回収しないんだ?
伏線らしきものがいっぱいあっても投げっぱなしってこと?
ひとつひとつ細かく伏線を拾っていって最後に回収するのがミステリーの醍醐味だって言うのに、まったくもう最近の若いものは。
なんて、愚痴の一つも言いたくなるような作品、ではないことは確か。
それにしても新しい才能がどんどん出てくるジャンルっていいですね。
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「禁忌の子」山口 未桜(東京創元社)2024
こちらも第34回鮎川哲也賞受賞作の新人作家の作品。
医療x本格ミステリーと書店のポップにあったけれど、作者は現役医師でもあるらしい。
医師の書くミステリーと言えば、久坂部羊、海堂尊、帚木蓬生、知念実希人あたりが思い浮かぶが、いずれも外れなしでそれぞれに個性があって面白い作品ばかり。
こちらも楽しみ。
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「別れを告げない」ハン・ガン(白水社)2024
はい、ノーベル文学賞受賞ブームで買いました。
ハン・ガンさんが受賞と聞いて、その日の夕方に各ネットショップではどこも売り切れだったので、紀伊国屋書店で増刷分を予約注文して入手しました。
相方は先日から「菜食主義者」を読んでいて、我が家では少しだけハン・ガンブームが来ています。
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「まず良識をみじん切りにします」浅倉秋成(光文社)2024
僕はこの作家さんのことを全く知りません。
これまで名前を聞いたこともありません、と思って調べてみたら「六人の嘘つきな大学生」は書名を知ってました。本屋で平積みしているのも見かけたことがあります。ていうか、最近映画化されていませんでしたか?
だけど、基本的にノーアイアだと思って間違いありません。
では、何故買ったのか?
有楽町駅前の三省堂書店に乗り換えのタイミングで立ち寄った時に日本文学コーナーで見つけて、「まず良識をみじん切りにします」という一風変わったタイトルで「ん?」となって、そして装丁のイラストが好みだったから。
どうやら短編集のようです。ミステリーではないのかな。だけど、きっと面白いに違いない。
そんな書店でなんとなく手にとって閃いた本との出会いって大事です。
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「MIU404シナリオブック」野木亜紀子(河出書房新社)2020
「アンナチュラル」野木亜紀子(河出書房新社)2024
はい、シナリオシリーズ。
昔から脚本やシナリオを読むのが好きです。
ほぼセリフのみで、ト書きも全くない本も多いけれど、なんだか物語がスッと入ってきて、舞台で演じる役者を勝手にキャスティングして、小説とはまた違った感覚で物語世界に浸ることが出来ます。
こちらはテレビドラマのヒットメーカー野木亜紀子さんの最近のヒットドラマ2作品のシナリオブックです。
どちらもドラマの方も面白く観たので、頭で想像する配役は決まってしまっているんですが、ドラマをテキストで振り返るという違う楽しみ方が出来るのもよいです。
野木亜紀子脚本作品と言えば、現在毎週日曜夜の放映している『海に眠るダイヤモンド』ですが、こちらのシナリオも読んでみたい!
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「イラク水滸伝」高野秀行(文藝春秋)2023
高野秀行さんの本、ノンフィクションというかルポルタージュは家に何冊かあります。
幻獣ムベンベ、アヘン王国潜入記、未来王国ブータン、ビルマ・アヘン王国、恋するソマリア、謎の独立国家ソマリランド、どれも知らない世界に高野さんが突入していくのがスリリングで可笑しくって、へぇ!そんなことがあるんだ!?と自分では決して行けなさそうな(行きたくない笑)地域での新しい発見ばかりだし、そしてアジア新聞屋台村では、ちょっと電車に乗れば自分でも行けそうなトーキョーの中のアジア多国籍感覚が味わえて、
とにかく高野秀行の本に外れなしなんです。
今回はイラクか、だけど水滸伝なのか、???
はてなマークが頭の中で渦巻いていますが、きっとこの旅も掛け値なく面白いはず。
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「ユーミンの歌声はなぜ心を揺さぶるのか 語り継ぎたい最高の歌い手たち」 武部聡志、門間雄介(集英社新書)2024
何で紹介していたのか忘れたけれど、出たばかりなのにネット書店では軒並み品切れの一冊。
どうしてだろう?武部聡志さんと言えば「関ジャム」(最近観てなかったけれど番組名変わったのかな?)によく出ておられたので、紹介してたのだろうか。
とにかく、町のリアル書店に行かないとしばらく入手出来ないだろうと、出社したタイミングで大きめの本屋に立ち寄ったところ1冊だけ在庫を見つけてゲット。
品切れの本ほど読んでみたくなるでしょ。
タイトルはあくまでキャッチで、ユーミン松任谷由実だけでなく、吉田拓郎、松田聖子、中森明菜、斉藤由貴、玉置浩二など、我々世代には懐かしい名歌手たちを間近で見てきたからこそ書けるコラム、そんな本だろうか。
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「世界とつながる日本文学:after murakami 」柴田元幸(早稲田大学出版部)2024
これは完全に編者が柴田元幸さんで、after murakamiの日本文学というテーマで即買い。
2023年に開催された国際シンポジウムで集まった作家や芸術家たちが日本文学について語ったものをまとめた本。
さて、自分もシンポジウムに出席した気持ちになって読もう。
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「トランプ勢力の徹底抗戦でアメリカの国家分裂は進む」副島隆彦(祥伝社)2024
「アメリカの罠 トランプ2.0の衝撃」イアン・ブレマー、ポール・ダンス、ポール・クルーグマン、他(文春新書)2024
はい、トランプ関連で2冊。
いずれも大統領選前に書かれた著作なので、バイデン路線を継続するハリス大統領かトランプ大統領かの結論は出ていなかったが、トランプが優勢な理由やもしトラ(もしもトランプ大統領になったら)の世界を予想した本から2冊選びました。
アメリカの病巣は明日の日本の病巣。
表層的には違っていても、政治が(自民党政権が)米国追従している限り根っこでは同じことがいずれ起こり得るということで知っておかなければいけない。
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「ディープステート 世界を操るのは誰か」馬渕睦夫(ワック)2021
「日本人が知らない世界の黒幕 メディアが報じない真実」馬渕睦夫(SB新書)2021
もしトラの世界関連でさらに2冊。
こちらはアメリカとアメリカが中心になっているグローバル世界の闇というべきか。
トランプが度々口にして知られるようになったディープ・ステートなる概念?組織?
?がつくくらいいったい何なのか知らないので、ちゃんと読んでおこうと思いつつ選んだ2冊がいずれも馬渕睦夫さんの著作。
彼がどんな著者なのか、シリアスなのか眉唾なのかトンデモなのか、そこも正直判断つかないのだけど、とりあえず読んでみる。
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「新NISAという名の洗脳」森永卓郎(PHP研究所)2024
今月ラストはガンと闘病中でも意気盛んにマスメディアが忖度して全く報じない日本の隠された真実を暴いてくれている、ものすごい執筆量の森永卓郎さんの新刊(の1つ、正直読む方が追いきれません)。
自民政権があれだけプッシュするには何か裏があるに違いないと思いつつも、老後の資金の不安にかられてまんまと策略にはまって始めてしまったNISA。
森永さんが著作を書くからには、あぁやっぱり何か裏があったんだ、と踊らされた自分に幻滅して少し落ち込むしかないが、月に3万円と大金はぶち込んでいないので、冷静になって読んでみたいと思います。
やっぱり財務省絡みの策略なんだろうか・・
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さいごに
今月も、、、21冊、買いすぎました・・・
果たして年内どこまで読めるのか?
いや、これでいいのだ。
読書好きの積読はそれだけで価値がある。
京極夏彦大先生も最近のインタビューでこんな素敵な言葉を残されている。
「本は、買うだけでいい。読もうが読むまいが、いいと思った本を手元に置いておくだけで人生は豊かになる」
ということで、勇気をもって積んでいこう。
いや、読むよ。
絶対。
はい。
それでは!
<了>