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サザンオールスターズと桑田佳祐の偉大さに改めて気づかされた

サザンオールスターズに関するノンフィクションが出版された。
『いわゆる「サザン」について』
書店で買ってきて一気読みした。

2周目は出てくる曲を聴きながら。
サザンも配信されたのでこういう時にレコード出して来なくていいから便利だ。ありがとう、サザン。

読みながら、自分の中のサザンを思い出しながら読んだ。
こうやって改めてデビューから近年までの作品を振り返っていると、サザンの曲は自分の中にもしっかりと根付いていることに気づかされた。

1978年 「勝手にシンドバッド」でデビュー。
僕は中学3年生だった。
テレビで初めて見た時は、なんだこのおちゃらけたバンドは。そして、ボーカルの早口は何言ってるか聞き取れないぞ。
それでも、フレーズは耳に残った。
矢継ぎ早にリリースされた2弾シングルは「気分次第で責めないで」
ラテンロックと言うのか?早回ししたサンタナみたいだぞ?
これも耳に残って口ずさみやすい曲だ。

同年に出たファーストアルバムもすぐに聴いた。
当時はFMラジオでアルバム1枚を丸ごとかけてくれる番組がおおかったから。
高校に入って友人が買ったレコードを録音させてもらった。
なんだ、コミックバンドなんかやあらへんやん。

大阪府下の京阪沿線の中高生には、江ノ島も湘南も全く想像がつかなかったけれど、須磨海岸みたいなもんやろ、と思いながらも少し憧れもあった。

高校に入って同級生と組んだバンドではシングルで出たばかりの「C調言葉に御用心」をコピーした。
イントロが格好良かったから。

1980年、高2の時にFIVE ROCK SHOWとして毎月連続で新曲がリリースされた(途中1ヶ月空いたけど)。
シングルとは言え、毎月買うのは厳しかったのでバンドメンバーで代わりばんこで購入した。
毎月ジャンルが違う新曲をリリースするサザンってやっぱりすごいなぁと思った。
「いなせなロコモーション」は50sバブルガムポップみたで格好良かったのでこれもバンドでコピーしたがピアノが引っ張っていく曲なので高校生バンドにはキツかった。

同年に出た猫のジャケットのアルバム『タイニイ・バブルス』は名盤だった。
翌年の『ステレオ太陽族』も不思議なジャケットに似合わずこれも名盤。
B面ラストの「栞のテーマ」は1年後個人的にある出来事と結びついて忘れられない一曲になる。

そして、1985年の2枚組アルバム『KAMAKURA』が出た時は大学2年生で、一時期サークルの部屋ではこのアルバムばかりかけていたんじゃないかな。
「夕陽に別れを告げて〜」はまだ高校時代の想い出が身近だったこともあって胸に沁みるなぁ、と仲間内でのカラオケNo.1曲だった。

その後、サザンの活動休止はとても残念だったが、桑田さんの新しいソロ活動が続いたので少し安心した。
KUWATA BANDはシングルで出た曲こそサザンと何が違うの?と思いつつ、アルバムの英語詞とサザンとは一味違う骨太な男らしいサウンドにはちょっとやられた。
大学4年の時に出たベスト『バラッド2 '83〜'86』は『バラッド 1〜』とは収録曲は少し落ちるなぁと言いながらレンタル屋で済ませてしまった。
(この頃にはレンタルレコード屋でバイトをしていたこともあった)

それから就職のため東京に出てきてからは、ラジオやテレビで流れるシングル曲を聴くくらいでアルバムは真剣には追って来なかった。
もっぱら給料から自由になる僅かばかりの小遣いは洋楽ロックのCDになっていたから。

1998年の「LOVE AFFAIR 〜秘密のデート」は主題歌にもなったTBSドラマ「Sweet Season」と合わせて忘れられない1曲。
当時は北鎌倉に住んでいて、休みの日はよく横浜に出かけていたこともあったし(ドラマの舞台も横浜)、1回目の結婚が破局して独り身になってこのドラマと主題歌に助けられたという個人的な想い出がある。

本を読みながら1曲づつ聴いていると、サザンを意識して真剣に追っかけていなかった期間でも、一度ならず耳にしたことのある曲ばかりで、サザンは、いや桑田佳祐というアーティストはそれはもう凄まじい才能と偉業を成し遂げた人なんだと認識を新たにした。

歌謡界に近いところにいて活動をすることが多かったが故に、その腰の軽さから重鎮感も薄いけれど、45年も間ずっと第一線でバンドとソロとずっとヒット曲を出して来たなんて、そんなアーティストはいないんじゃないか。

そして、思えば中学生の頃から自分で音楽を選択して聴くようになってからずっとこれまで知らず知らずとサザンの、そして桑田佳祐の楽曲とずっと過ごしてきたのだと思うと、やはりその偉大さにはひれ伏すしかない。

楽曲をずっと聴いているとライブもライブも観たくなったので、昨年の茅ヶ崎の凱旋ライブBlu-Rayとソロ35周年記念の5大ドームライブ『お互い元気に頑張りましょう!! -Live at TOKYO DOME』、ついでに原由子さんの鎌倉芸術館での昨年のライブ『婦人の肖像 (Portrait of a Lady)』 まで購入してしまった。
30周年記念の『真夏の大感謝祭ライブ』Blu-Rayも買わなきゃと背中を押されている。散財。

<了>

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