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Nutanix環境のVMをSaaSを使ってバックアップ・リストアしてみる その③

前回の記事では、ABSでバックアップを取るためのジョブの作成を行いました。今回の記事では実際にNutanix環境上の仮想マシンのバックアップとリストアを試してみたいと思います。

バックアップ

前回作ったバックアップジョブですが、手動実行することもできますが、ジョブの実行スケジュールをセットしておきました。毎日16時に実行されるようにスケジュールしていたのですが、ちゃんと時刻通りにジョブが開始してバックアップが正常取得できるかを見ていきます。

画面上部のメニューからProtect - Nutanix AHVを押し、ダッシュボードを表示します。
Statusの箇所を見ると分かる通り、時計マークが表示されています。これはジョブがスケジュールされて実行待ちの状態であることを示しています。
16:00になったので、Job IDの箇所をクリックしてジョブの詳細を見てみました。
Start Timeの箇所を見て分かる通り、16:00過ぎにジョブが開始したことが見てとれます。
このままジョブが完了するまでしばらく待ちます。
ご覧の通り、ジョブが完了しました。
ジョブの詳細情報もご覧の通りです。
ログの内容です。

というように、とても簡単かつ短時間でバックアップが取得できました。オンプレミスからクラウドへバックアップを取る形になるため、データの転送速度やジョブ完了までの所要時間が気になるところですが、バックアップの最大帯域幅を100MBに指定して実行しても60Mbps程度の速度が出ており、5.3GB程度のデータの転送に12分程度しかかかっていないので、それなりに高速にバックアップできているのではないでしょうか。また初回バックアップはフルバックアップとなりますが、重複排除機能が効くので転送するデータがそのそも削減された状態になっています。2回目以降のバックアップも増分のバックアップとなるため(永久増分バックアップ)、バックアップ先のディスクを効率的に使うことができます。

リストア

次はリストアについてみていきましょう。
リストアする前にリストア対象の仮想マシンの状態を見てみましょう。デスクトップに大量のファイルを置いておきました。

ABSの画面左側にあるAll Virtual Machinesをクリックし、仮想マシンの一覧を表示します。リストア対象となる仮想マシンを選択して、[Restore]を押します。
取得済みのバックアップデータが表示されます。
フルバックアップした仮想マシンをフルリストアする形でリストアをするため、Full VM Restoreにチェックをし、[Proceed to Restore]を押します。
仮想マシンを収容しているStorage Containerに上書きするようにリストアをしたいと思うので、Restore to original locationにチェックをつけ、[Finish]を押します。
上書きする形になること、それを理解して先に進めていいかの確認メッセージが出ます。[Continue]を押します。

リストアジョブの状態を見てみましょう。

左のメニューからAll Jobsを押すと実行中のジョブの状態が見れます。
Job IDをクリックすると詳細情報が見れます。
しばらく待ちましたが、ジョブが完了しています。
約7分半ほどでリストアが完了したようです。

ABSではなく、NutanixのPrismを見てみましょう。ログを見てみましたが、仮想マシンのスナップショット取得、電源オンオフやディスクのアタッチ、デタッチなどが行われていることが見てとれます。

仮想マシンのコンソールも開いてみました。
リストア後は正常にOSが起動していました。予期しないシャットダウンが発生したときに出るメッセージが出ていましたが、リストア自体は無事に終わっています。デスクトップに大量に置かれたファイルもなくなっており、バックアップ取得時の状態に戻っていました。

以上、ABSによるバックアップ、リストアについてご紹介しました。
とっても簡単な操作で使えることが分かってもらえると思います。

Backup as a Serviceと言われるものは色々ありますが、ESXiでもHyper-VでもNutanixでも、もっと言うとクライアントPCやMicrosoft365やGoogle Workspace等、幅広くバックアップが取れるBackup as a Serviceはそんな多くはないんじゃないかと思いますし、何より手軽に使うには便利なので、小規模な環境ではBackup as a Serviceは活躍できるのではないでしょうか。
以上で、Nutanix上の仮想マシンのバックアップについての話を終わろうとお思います。

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