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ゼレンスキー大統領が日本の国会で演説ウクライナ侵攻に想うこと 13

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ゼレンスキー大統領が言いたかった事を想う

とにかくあの方は、立派だと思います。侵略されている国のリーダーです。ロシア相手に祖国を防衛する勢力のリーダーです。ただでさえ死んでしまいそうに大変な状況なのに、1カ月、変わらぬ姿勢と情熱で祖国と国民を守り続けていると思います。立派です。日本の政治家とは大違いな気がします。

日本の国会で演説しました。私の耳には、ゼレンスキー大統領が伝えたい事は、3つの事柄として伝わってきました。要約すると次の通りです。

1 支援をありがとう。今後はもっと支援して欲しい。            2 国連は役に立たない。何もしてくれない。                 3 日本も気を付けよ。侵略者が狙っているぞ。

以上です。

このうち私が個人的に最も気になるのが、3の「日本も気を付けよ」です。

ロシアは、いや、プーチン大統領は、先日、次のように発言をしました。「北方領土に関する協議を打ち切る。何故なら、北方領土を日本に返してやる気は全くないからだ」少なくとも私の耳にはそう聞こえました。

直後のゼレンスキー大統領の演説が「侵略者に注意せよ」だったのです。 ああ、なんかこれ非常に気にかかります。まさかプーチン大統領、北方領土だけでは飽き足らず、北海道まで侵略して自国の領土にしたいのかも、とか思っちゃいます。

現実的には、現在攻め込んでいるウクライナが、ロシアの領土として、すんなりとは手に入りそうもない状況であるのに、今すぐ北海道侵略なんてことは、兵站状況からして無理だと思います。現在のロシア軍にそこまでの余裕があるようには見えません。

ロシア軍の本当の実力はどの程度? 1

前回の記事で、私は次のようにお話ししました。

テレビニュースを見て驚きました。ロシアは、自分の軍事力をみせびらかしたくて「極超音速ミサイルを使用した」とか言ったみたいですけれど、私が驚いたのは何かというと、ミサイルではなく、それを運ぶ飛行機です。

あれ、ミグ31フォックスハウンドです。あれの原型は、ミグ25フォックスバットという戦闘機でして、ほぼ同じ機体を改修して改修して使ってるんです。半世紀以上前に開発された、高高度迎撃用の、超高速戦闘機です。物凄い速度が出ますが、速度以外はほぼ何のとりえもない戦闘機です。

マヌケなのは、主翼がクリーンな状態、つまり、主翼の下にミサイルや爆弾を取り付けない状態では、確かにマッハ3ほども出たんですが、主翼の下に武装を取り付けた途端、速度は落ちるわ旋回も思うようにできなくなるわで本当に迎撃能力があるのかどうか疑わしい、とまで言われた戦闘機です。

おまけに、あまりに燃費が悪い戦闘機で、巨大な機体の約70%が燃料タンクの機体です。更に、確かに速度だけはマッハ3まで出ますが、出せるのは8分間が限界で、マッハ3を出した後は、大規模な整備が必要になるか、あるいは、2度とマッハ3を出せなくなってしまう、という代物です。

飛行機の事をよく知っている人は皆、あのテレビ映像を見て、私と同じように笑っていたはずです。あ~~っはっはっはっ!!って。あれしかないの?本当にあれしかなかったの?って(爆笑)

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ロシア軍の本当の実力はどの程度? 2

確かにロシアは、徐々に支配地域を広げていますが、その速度があまりに遅いです。いろいろな人がそれを指摘していますから、それは事実でしょう。そして、いきなり戦車隊を道路に沿って繰り出したもんだから、次々とウクライナ軍の対戦車ミサイル、ジャベリンの餌食になって破壊されているようです。

この図、思い出しちゃうんですが、対照的なのは、湾岸戦争でのイラク軍の戦車隊に対する多国籍軍の攻撃です。圧倒的、というより、あれ、すでに戦争でも戦闘でもありませんでした。ただの「弱いものイジメ」でした。

イラク軍の戦車隊に対して、多国籍軍が投入したのは、主に米軍の攻撃機、Aー10サンダーボルトでした。これを何機投入したかは知りません。が、A-10の部隊が破壊したイラクの戦車は1000両近くだったそうです。全く勝負にならなかったんです。

まあ、A-10の機首に搭載されている30ミリガトリング砲は、タンクバスターとも言われ、戦車の装甲を一瞬で穴だらけにしてしまう機関砲です。

私、個人的には非常に疑問なんですが、戦車ってあれ、第2次大戦時ならば存在意義が今よりはるかに大きかったと思うんです。当時の地上戦って、基本は歩兵の進軍だったワケで、それを防衛しながら進軍するのに、戦車が1台でもあると、絶大な威力で歩兵たちを防衛する事ができたんですから。

ところが現代は、歩兵なんか進軍させたら、速度は遅いし、防御も脆弱ですから、すぐに全滅させられちゃいます。まあ、だから戦車とか繰り出してきたのかもですが、どうして戦車なんでしょうか? だってあれ、歩兵用よりは速いかもしれませんが、自動車ですよ自動車、乗用車程度の速度しか出ないんですよ。

そんな兵器を繰り出したところで、平和時の国民市民が使うような一般道を走らせたら、道に沿って隠れている敵歩兵のジャベリンの、いい的になっちゃうぢゃありませんか。歩兵がいない道路では、それこそ湾岸戦争と同じに、上空からの攻撃機のいい的になっちゃいます。

速度が遅くて狙いやすい「いい的」を、ロシアはウクライナに向けて大量に繰り出していたんです。ああ、私、戦略の専門家でも戦闘指揮官でもない、ただの素人ですけど、そんな私でもあの作戦はよく理解できません。ロシアは初期段階でウクライナに「いい的」を差し出したようにしか見えません。

それに懲りたのか、それ以上戦車進軍は速度を緩めて、今度はウクライナに攻撃されない長距離から、ミサイル、砲弾、艦砲射撃をするようになりました。砲撃はもともと精密誘導などできませんから、長距離攻撃だと砲弾はどこに落ちるか判ったものぢゃないです。

ミサイルにしても、どうもロシアは、精密誘導できるミサイルを持っていない事が、様々な攻撃でバレちゃいましたね。だからこれも、どこに落ちるか判らない代物で、だから避難所や病院を全壊させて、世界中の非難を浴びる結果になってしまったんです。

あと、ロシア軍の作戦継続能力を奪うことになっているのが、兵站ですね。兵站とは戦闘に必要な物資を補給する事です。燃料、弾薬はもちろん、兵士の水や食料、これがきちんと補給されないと兵士は戦闘を継続できません。どうもロシア軍、戦争をする際の基本中の基本のはずの、兵站、という項目が、大変おろそかになっていると言わざるを得ないように思います。

今日はここまでにします。ゼレンスキー大統領の演説の日、でした。

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