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私が音楽している理由 3
前回「音楽している理由 2」の続きです。とうとう導火線に着火してしまいました。中学1年、12歳、熊本の市民会館でのレコードコンサートで、ピンクフロイドの原子心母を聴いてしまったのが着火のアクションでした。導火線は順調に燃え続け、とうとう中学2年3月6日、爆弾に引火します。
中学1年ですっかりピンクフロイドのファンになった私ですが、特に心を奪われたのは、デイヴギルモアのギターでした。原子心母の解説書にいろいろ書いてありました。フェンダーのストラトキャスターをハイワットのアンプとウエムのスピーカーで鳴らしていると。何のことやら判りませんでした。
ピアノは小学校4年の途中でやめていました。後で大後悔しました。再び習いたいと言ったら、殺されそうになりました。ギター持ってました。ただし、小学校6年の時に買ってもらった安い(6000円)クラシックギターです。当時の私は、エレキギターに重大な関心を持つようになりました。
熊本時代には、楽器屋さんを回るような癖はありませんでした。が、中学2年の夏、東京都文京区に引っ越してきました。ピンクフロイドが初来日し、箱根アフロディーテでの野外コンサートの直後です。行けませんでした。文京区白山に住みました。地下鉄丸ノ内線の後楽園駅までは歩けました。
池袋という街を知りました。そして池袋に「ヤマハ池袋店」という楽器屋さんがあることを知りました。行ってみました。その時の衝撃の光景をよく覚えています。1Fのショウケースに、フェンダーの白いストラトキャスターが置いてありました。値段も覚えています。23万6千円。
大いなる憧れをもって、そのストラトキャスターを、飽きもせず長時間、眺めていました。楽器店の方々にはさぞ目障りで嫌なガキだったと思います。ごめんなさい! 白いストラトキャスター。以外に分厚い本体の厚さ。色以外は、ピンクフロイドのデイヴギルモアのギターと同じなんです!!!
その頃から、楽器店を回り、展示してある楽器に触ったり、可能ならば弾いてみたりすることが習慣化しました。当時の楽器屋さんは、お客が弾いても、あまり目くじらを立てないような感じでした。ギターなどはさすがにショウケースに入っているものが多く、なかなか弾けませんでしたが、
エレピなどは(当時は電子ピアノなどは存在せず、全て物理的振動版を鍵盤で振動させてその信号を電磁マイクで拾うタイプ)比較的どこの楽器店でも弾けました。本物のローズピアノは、それはそれは重い鍵盤で、とても弾けませんでした。当時、腱鞘炎製造器とも呼ばれていました。
楽器店巡りで最も感動したのは、ハモンドオルガンセンターで、本物のハモンドオルガンを、本物のレスリースピーカーで鳴らした時の音でした。当時、赤坂に、日本ハモンドオルガンセンターという楽器店があり、あるビルの1フロア全体が、ハモンドオルガンセンターでした。
所狭しと並んだハモンドオルガンの数々は圧巻。さすがにここでは店員さんに「弾いてもいいですか?」と聞きました。「いいですよ」と言われ、すっかりいい気になった私は、最も高価なXー77という機種の演奏台に座り、長時間弾き続けました。至福の音色、これこそオルガン!と感じました。
オルガン好きなんです。特にパイプオルガンとハモンドオルガンの音が好きです。私の知る限り、わが国で最高のオルガンサウンドが聴ける場所は、文京区関口の、東京カテドラル聖マリア大聖堂です。ここのオルガンサウンドの素晴らしさは言葉では表現できません。是非行ってみて聴いてください。
そして中学1年以来、すっかりピンクフロイドに染まった私は、リック・ライトの弾くハモンドオルガンが大好きになりました。ハモンドは、キース・エマーソンの音もマシュウ・チャールズ・フィッシャーの音も大好きです。マシュー・フィッシャーは、プロコルハルムのオルガニストです。
つまり少し趣味を広げ、プログレッシブ・ロック全般を好きになりました。そんな私ですので、DTMを始めた今でも、オルガンの音には非常なこだわりがあります。購入したマルチ音源のオルガンは気に入る音が一つもなく、未だにハモンドXB-1、XB-2 とコルグのトリニティ を、手で弾いています。
私楽器に関しては尋常でない浮気性です。ギター大好き。オルガン大好き、ギターが少々できることをいいことに、ベースにまで手を出し、更にピアノも日常的に弾くと。ちなみに中学1年の吹奏楽部で、まずチューバ、次にテナーサックス、転校後は吹奏楽部がなかったので合唱部のピアノ。
吹奏楽部時代は、チューバもテナーサックスもやりながら、横目でトロンボーンに見とれていまして。練習終了後よく、先輩の金色に輝くトロンボーンをお借りして吹いてみたりしまして。トロンボーンの音って・・・どうしてああいう、私を大興奮させる音が出るのでしょう。
というわけで、作曲をやるようになった今、私にトロンボーンパートを書かせたら、絶対に誰にも負けない自信があります。書けるもんなら書いてみろや、オラオラァァ! あ、失礼!興奮して取り乱しました。ある楽器が最も性能を発揮するのは、つまり最も聴いている人々の心をつかむのは、
その楽器が最も得意な音域で、最も演奏しやすいパッセージを、上手な奏者が魂を込めて演奏する時なんです。そこまで楽器を知らないと、よい作曲、編曲はできないはずなんです。そして石桁先生の教えが頭をよぎるのです。その音の場所、高さ、長さの必然性を、全て説明せよ!(恐恐恐)
ああ、先生の恐い教えを思い出したところで、今日は終わりにしようと思います。この続きは、「音楽している理由 4」で、またお会いしたいと思います。乱文失礼いたしました。読んでくれた方々、本当にありがとうございました。