![名刺](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/15682135/rectangle_large_type_2_8532b63209e1de86c665eda3253ac973.jpeg?width=1200)
「迷惑をかけることが、そんなに悪いことなのか?」
誰かの役に立ちたい。
でも、いつも、誰かの世話になってばかりいる。
人に迷惑をかけるだけの自分が、情けなくて堪らない。
気を取り直して、少し踏ん張ってみる。
・・・やっぱりうまく行かない。すぐに疲れたり、裏目に出てしまったり。
気落ちして、体調を崩し、また誰かの世話になってしまう。
そうして再び、人に迷惑をかける。
悲しい。悔しい。自分に腹が立つ。
もっと強くなりたい。
これ以上、人に迷惑をかけたくない・・・!
ずっと、そうやって自問自答を繰り返してきた。
ある時、中学以来の無二の友人が、そんな僕に向かって
ボソッと言ってくれたことば。
「母親は、自分の赤ちゃんに迷惑をかけられたら嬉しいんじゃない?」
二十歳過ぎの頃だった。
ことばの印象が強すぎて、その場面ごと、今も脳裏に焼き付いている。
あの時は、地下鉄のホームで電車を待っていた。
左前に柱があり、その柱の脇に友人が立っていた。右後ろに階段があった。
『迷惑をかけることは、必ずしも悪くない』
この記事を書いたのが2006年の初め。
あれから14年が経とうとしている今も、何かあるたびに思い出す。
本格的に体調を崩し、休職してから3年が経った。
まだ、まともに復職できていないけれど、そんな状態でありながらも、
こんな名刺まで作り、自分なりにも自己肯定できるようにまでなってきた。
自分がいわゆる発達障害者だったということも判り、
(この「発達障害」という分類には、実は、あまり本質的には意味がないのだけれども、現に生活が困難なので、)専門医に通院しながらリハビリ生活を続けさせて頂いています。
そろそろ「ADHD者の暮らしの工夫」をテーマに記事を書き始めようかな、とも思っているところ。
・・・こんなふうに思えるようになったのも、元を辿れば、
僕の「迷惑」概念を根底から覆してくれた、彼のことばのお蔭。
ありがとう。
まだ道半ばだけれども、これからもよろしく。