見出し画像

Gemini 2.0 Flash の思考モードを試してみる第3回(思考の落とし穴)

Gemini 2.0 Flash の思考モードを試してみる
第3回(思考の落とし穴)


こんにちは、makokonです。
Gemini 2.0 Flash の思考モードを探求する連載、第3回をお届けします。
前回まで、その目覚ましい情報処理能力と論理構成力に触れてきましたが、今回は少し視点を変え、「思考の落とし穴」に焦点を当ててみたいと思います。つまり、人間には容易なことでも、LLMはつまずく事があり、しかもそのつまづきから容易に抜け出せないという、興味深い側面が見えてきました。簡単な論理パズルを通して、あらかじめ用意された知識を組み合わせることは得意でも、柔軟な発想や多角的な視点を持つことが苦手なLLMが陥りやすい思考の癖や弱点を深掘りし、より効果的なLLMとの付き合い方を探っていきましょう。


今回のお題


以前も利用した論理パズルのサイトから問題を利用させてもらいましょう。

ベンチマークではなく、LLMとお友達になるために考え方の特徴を知りタイだけなので、問題の難易度は低めです。

お題 大きな駐車場

とても大きな駐車場がある。
この駐車場にある車のうち、2台のみ白ではなく、2台のみ青ではなく、2台のみ赤ではない。
駐車場には何台の車があるだろうか?
※各車はそれぞれ一色で塗られている

この問題、実は論理パズルとしては全然大した事ない問題です。解答が2種類あることに気がつくかどうか程度の問題であって、少なくとも軽くヒントが指摘されれば、簡単にわかるはずのつもりでした。

解答1回目 まずは一回答えてもらおう

まずはノーヒントで、答えてもらいましょう。
LLMの実力からすれば、容易い問題かもしれません。
(それだと困るのだけど、考え方は見えてくるでしょう。)

プロンプト そのまま入力

とても大きな駐車場がある。
この駐車場にある車のうち、2台のみ白ではなく、2台のみ青ではなく、2台のみ赤ではない。
駐車場には何台の車があるだろうか?
※各車はそれぞれ一色で塗られている

回答

ユーザーは論理的な思考力を問う問題を提示しました。駐車場の車の台数を求める必要があります。

それぞれの条件を整理します。
条件1: 白ではない車が2台
条件2: 青ではない車が2台
条件3: 赤ではない車が2台

車は白、青、赤のいずれかの色で塗られています。

条件1から、白の車以外の車(青と赤)の合計が2台。
条件2から、青の車以外の車(白と赤)の合計が2台。
条件3から、赤の車以外の車(白と青)の合計が2台。

それぞれの色の車の台数をそれぞれW, B, Rとすると、以下の式が成り立ちます。B + R = 2
W + R = 2
W + B = 2

この連立方程式を解きます。

式1からR = 2 - B
式2に代入して W + (2 - B) = 2 => W - B = 0 => W = B
式3に代入して W + W = 2 => 2W = 2 => W = 1

W = 1なので、B = 1
式1に代入して 1 + R = 2 => R = 1

したがって、白の車が1台、青の車が1台、赤の車が1台です。

駐車場の車の合計台数は 1 + 1 + 1 = 3台です。

念のため、条件に当てはまるか確認します。白ではない車(青1台、赤1台)は2台。OK。
青ではない車(白1台、赤1台)は2台。OK。
赤ではない車(白1台、青1台)は2台。OK。

すべての条件を満たしています。
駐車場に3台の車があります。内訳は、白、青、赤がそれぞれ1台ずつです。

gemini2.0-flash-thinking


回答の観察

いいですね。実に思惑通りの回答でした。もちろんこの回答で示された回答は正解(のひとつ)です。
プロンプトから、条件を抽出し、抽出した条件に従って、連立方程式を立てて、それを正しく解いています。
立派な実力者です。
問題なのは条件3の次にしれっと追加された「車は白、青、赤のいずれかの色で塗られています。」の文ですね。もちろんこんな条件はどこにも書いていません。書いていませんが、条件を追加して成立する解答なら、元の条件でも成立しますから、正解だったわけです。

解答2回目 問題をやんわりと指摘してみる

それでは、限定条件についてやんわりと指摘してみましょう。勘の良い人間なら「そうかそうか!」と言いながら気がつくので、LLMもここで解決するでしょう。

プロンプト

これは、正解の一例として受け入れますが、前提条件を正確に読み取っていないため、不要な限定が含まれています。今一度考えてください。

回答

ユーザーからのフィードバックは「前提条件を正確に読み取っていない」「不要な限定が含まれている」という2点です。

前の回答を再検討し、前提条件を再度確認します。「この駐車場にある車のうち、2台のみ白ではない」
「2台のみ青ではない」
「2台のみ赤ではない」
「各車はそれぞれ一色で塗られている」

前回の回答では、車が白、青、赤の3色のみであると暗黙の前提を置いていました。しかし、問題文には色の種類に関する明示的な言及はありません。「白ではない車が2台」という事実は、駐車場に白以外の色の車が存在することを示唆しますが、それが青と赤のみであるとは限りません。

例えば、緑色の車が存在する場合:
白ではない車が2台:青1台、緑1台
青ではない車が2台:白1台、緑1台
赤ではない車が2台:白1台、青1台

この場合、車の合計は3台(白1、青1、緑1)となり、条件を満たします。

しかし、さらに他の色の車が存在する場合を考えてみます。例えば、緑と黄色の車が存在する場合:白ではない車が2台:青1台、緑1台
青ではない車が2台:白1台、黄色1台 (矛盾が発生!)

この矛盾から、色の種類は3種類である必要がありそうです。

より厳密に考えると、色の種類が3種類以上の場合、条件を満たすことはできません。

例えば、白、青、赤、緑の4色が存在すると仮定します。白ではない車が2台:青、赤
青ではない車が2台:白、赤
赤ではない車が2台:白、青

この場合、緑色の車の存在が条件と矛盾します。

したがって、車の色は白、青、赤の3色のみであると結論付けることができます。

しかし、ユーザーからのフィードバックは「不要な限定が含まれている」という点に言及しています。これは、私の以前の回答において、「白、青、赤の車がそれぞれ1台ずつ」という具体的な内訳を提示したことが、不要な限定にあたると考えられます。

問題は車の総数を問うており、具体的な色の内訳は必須ではありません。

したがって、より簡潔な回答としては、色の種類が3種類であること、そしてそれぞれの色の車が1台ずつ存在することを導き出し、車の総数を提示することが適切です。

修正後の思考:問題文の条件を再確認する。
車の色は少なくとも3種類存在する(白、青、赤)。
もし4種類以上の色が存在すると仮定すると、条件を満たせないことを確認する。
したがって、車の色は白、青、赤の3種類である。
各条件から、それぞれの色の車の台数は1台であると導き出す。
車の総数は3台。

この思考プロセスを踏まえ、より簡潔で正確な回答を作成します。
前提条件を正確に読み取れておらず、申し訳ありません。再度検討します。

問題文の重要な点は以下の3点です。白ではない車が2台
青ではない車が2台
赤ではない車が2台

ここから直接的に導き出せるのは、少なくとも3色の車が存在するということです。もし2色しかなければ、例えば白と青だけだった場合、「白ではない車が2台」であれば全て青の車となり、「青ではない車」は全て白の車となるはずで、両方が2台になることはありません。

では、車の色が3種類(白、青、赤)だった場合を考えます。白ではない車が2台 → 青と赤の車の合計が2台
青ではない車が2台 → 白と赤の車の合計が2台
赤ではない車が2台 → 白と青の車の合計が2台

それぞれの色の車の数を、白: W、青: B、赤: R とするとB + R = 2
W + R = 2
W + B = 2

この連立方程式を解くと、W=1, B=1, R=1 となり、合計3台となります。

ここで、4色以上の車が存在する場合を考えてみます。例えば、白、青、赤、緑の車があったとします。白ではない車が2台 → 青と赤
青ではない車が2台 → 白と赤
赤ではない車が2台 → 白と青

この場合、緑の車の存在が条件と矛盾します。同様に、他の色を追加しても矛盾が生じます。

したがって、車の色は白、青、赤の3色であり、それぞれの色が1台ずつ存在すると考えられます。

結論として、駐車場には3台の車があります。

前回の回答では、色の内訳を具体的に述べてしまいましたが、今回の問題では車の総数を問われているため、そこまで言及する必要はありませんでした。ご指摘ありがとうございます。

gemini2.0-flash-thinking

回答の観察

プロンプトによる指摘によって、LLMは

  • 車が白、青、赤の3色のみであると暗黙の前提が正しくないこと

  • 白、青、赤以外の色が存在する可能性に気がついています

しかしながら、その先の考察によって、

  • 色が3種類以上必要なこと

  • 色の種類は結局、3種類であること

これらの結論を、論理的に導いています。
もちろんこれは、赤、青、白色の車が少なくとも1台ずつ存在する前提から抜け出せていないからです。
もっと直接的なヒントが必要かもしれません。

解答3回目 ほぼ正解みたいなことをおしえてみる

少なくとも1台にこだわっているので、そうではないと直接教えてみましょう。これはほぼ正解につながる考え方なので、もう行けるでしょう。

プロンプト

十分ではありません。例えば、白色の車が1台あるとはどこにも書いていません。(ほぼ回答です)正しくまとめてください。

回答

ユーザーからのフィードバックは、「白色の車が1台あるとはどこにも書いていない」という点です。これは非常に重要な指摘で、私のこれまでの回答は、それぞれの色の車が少なくとも1台存在することを暗黙の前提としていました。

改めて問題文を精査します。
白ではない車が2台
青ではない車が2台
赤ではない車が2台


ここから確実に言えるのは、白、青、赤の少なくとも3つの色が存在するということです。

仮に白い車が存在しない場合、「白ではない車が2台」は、青または赤、あるいはそれ以外の色の車の組み合わせで2台となる可能性があります。

しかし、他の条件も考慮すると矛盾が生じます。

もし白い車が存在しない場合:白ではない車が2台 → 青と赤の車の合計が2台
青ではない車が2台 → 赤の車が2台 (白い車が存在しないため)
赤ではない車が2台 → 青の車が2台 (白い車が存在しないため)


この場合、青の車が2台、赤の車が2台となり、「白ではない車が2台」という条件と一致しません。

同様に、青い車や赤い車が存在しない場合も矛盾が生じます。

したがって、白、青、赤のそれぞれの色の車が少なくとも1台は存在する必要があります。

ここで、それぞれの色の車の台数を再度検討します。白ではない車が2台 → 白以外の車の合計が2台
青ではない車が2台 → 青以外の車の合計が2台
赤ではない車が2台 → 赤以外の車の合計が2台


車の色を白(W)、青(B)、赤(R)とし、他の色をOとします。B + R + O(青と赤以外の色) = 2
W + R + O(白と赤以外の色) = 2
W + B + O(白と青以外の色) = 2


もし他の色が存在しない場合 (O=0):B + R = 2
W + R = 2
W + B = 2
これを解くと W=1, B=1, R=1。合計3台。


もし他の色が存在する場合、例えば緑(G)が存在する場合:B + R + G = 2
W + R + G = 2
W + B + G = 2


この連立方程式から、W=B=R となります。
もし G=1 ならば、W=B=R=0 となり、矛盾します (それぞれの色が少なくとも1台必要という前提)。
もし G=0 ならば、W=B=R=1 となり、合計3台。

この問題の核心は、それぞれの条件が「〜ではない」という否定形である点です。

例えば、「白ではない車が2台」という事実は、白以外の色の車の総数が2台であることを示しています。

したがって、考え方としては、それぞれの色を除外した場合の車の台数がわかっている、ということになります。

駐車場に存在する車の総数をNとします。
白い車の台数をW、青い車の台数をB、赤い車の台数をRとします。
他の色の車の台数をOとします。N - W = 2
N - B = 2
N - R = 2


この3つの式から、W = B = R であることがわかります。

車の総数は N = W + B + R + O です。

もし他の色が存在しない場合 (O=0)、N = W + W + W = 3W。
N - W = 2 より、3W - W = 2 => 2W = 2 => W = 1。
したがって、N = 3。

もし他の色が存在する場合 (O > 0)、
N - W = 2 => W = N - 2
N - B = 2 => B = N - 2
N - R = 2 => R = N - 2

N = (N - 2) + (N - 2) + (N - 2) + O
N = 3N - 6 + O
2N = 6 - O
N = 3 - O/2

ここで、Oは0以上の整数であり、Nも正の整数である必要があります。
もし O=0 ならば N=3。
もし O=2 ならば N=2。この場合、W=B=R=0となり矛盾。
もし O=4 ならば N=1。この場合、W=B=R=-1となり矛盾。

したがって、他の色の車は存在せず (O=0)、車の総数は3台であると結論づけられます。
そして、それぞれの色の車の台数は1台となります。

最終的なまとめとして、ユーザーの指摘を踏まえ、より厳密な論理展開で回答を構成します。
承知いたしました。前提条件を正確に読み取れておらず、重ね重ね申し訳ありません。

問題文を再度確認します。駐車場にある車のうち、2台のみ白ではない。
駐車場にある車のうち、2台のみ青ではない。
駐車場にある車のうち、2台のみ赤ではない。


この「〜のみ」という表現が非常に重要です。

「白ではない車が2台のみ」ということは、駐車場に存在する白以外の色の車の総数がちょうど2台であることを意味します。

駐車場に存在する車の総数を N とします。
白い車の台数を W、青い車の台数を B、赤い車の台数を R とします。
その他の色の車の台数を O とします。

条件より、以下の式が成り立ちます。白ではない車の台数 = B + R + O = 2
青ではない車の台数 = W + R + O = 2
赤ではない車の台数 = W + B + O = 2


これらの式から、以下が導き出せます。

B + R + O = W + R + O => B = W
B + R + O = W + B + O => R = W

したがって、W = B = R となります。つまり、白、青、赤の車の台数は等しい。

ここで、車の総数は N = W + B + R + O です。

式1に W = B, R = W を代入すると、W + W + O = 2 => 2W + O = 2。

W は 0 以上の整数、O も 0 以上の整数である必要があります。

考えられる組み合わせは以下の通りです。W = 1 のとき、2 * 1 + O = 2 => O = 0
W = 0 のとき、2 * 0 + O = 2 => O = 2


ケース1: W = 1, O = 0 の場合
このとき、W = 1, B = 1, R = 1, O = 0。
車の総数 N = 1 + 1 + 1 + 0 = 3台。
この場合、白ではない車は青1台と赤1台で2台。青ではない車は白1台と赤1台で2台。赤ではない車は白1台と青1台で2台。条件を満たします。

ケース2: W = 0, O = 2 の場合
このとき、W = 0, B = 0, R = 0, O = 2。
車の総数 N = 0 + 0 + 0 + 2 = 2台。
この場合、白ではない車は2台(他の色の車)。青ではない車も2台(他の色の車)。赤ではない車も2台(他の色の車)。
しかし、「白ではない車が2台のみ」という条件から、白い車は存在しないことになります。同様に青い車、赤い車も存在しません。
この場合、他の2色の車が存在することになりますが、問題文に色の種類は明記されていないため、矛盾はしません。
ただし、この場合、「青ではない車が2台のみ」という条件は、駐車場に青い車が存在しないことを意味し、2台の他の色の車が存在することになりますが、この2台が赤ではないとすると矛盾が生じます。

より厳密に考えます。

もし W=0 ならば、駐車場に白い車は存在しません。
「白ではない車が2台のみ」ということは、青と赤の車(および他の色の車)の合計が2台。
「青ではない車が2台のみ」ということは、白と赤の車(および他の色の車)の合計が2台。しかし、白い車は存在しないので、赤と他の色の車の合計が2台。
「赤ではない車が2台のみ」ということは、白と青の車(および他の色の車)の合計が2台。しかし、白い車も青い車も存在しないので、他の色の車の合計が2台。

この場合、他の色の車が2台存在し、それらは青でも赤でも白でもない色となります。
しかし、これは「青ではない車が2台のみ」という条件と矛盾します。なぜなら、他の色の2台の車は青ではないですが、白い車が存在しないため、赤ではない車も2台のみである必要があります。

したがって、ケース2は矛盾します。

結論として、駐車場には3台の車が存在し、内訳は白色が1台、青色が1台、赤色が1台となります。

gemini2.0-flash-thinking

回答の観察

白が0台である可能性について、今まで感がていないことに気がついて驚きを感じます。しかしそこから、

  • 青でない車が2台 → 赤い車が2台

  • 赤でない車が2台 → 青い車が2台

  • つまり、城でない車 → 赤い車(2台)+青い車(2台)
    → 4台 → 矛盾

と進むことによって、結局白、赤、青が1台ずつあることを証明しています。
なかなかうまくいかないですね。堂々巡りの感じが濃厚にしてきたので、ここで正解を提示して、その正解が理解できるかどうかを確認します。

解答4回目 もう正解を示してみる

しょうがないので、正解を示してみます。もしかしたら

  • 正解ではないと主張するか、

  • 正解であることを認識しない

という可能性も疑ってみましょう。

プロンプト

だめですね。正解を示します。適切な回答を作ってください。
回答1 白色、赤色、青色の車が一台ずつの3台が存在する。
回答2 例えば緑色の車が2台ある。(矛盾しないはずです)

回答

ユーザーは提供された正解例に基づいて、適切な回答を求めています。正解例は2つあり、それぞれ異なる可能性を示唆しています。
回答1: 白、赤、青の車が1台ずつ存在するケース。これは私が以前に推測したケースと一致します。
回答2: 緑色の車が2台存在するケース。これは私が考慮していなかったケースで、問題文の条件を満たす可能性があります。


それぞれのケースについて、条件との整合性を検証します。

ケース1: 白色、赤色、青色の車が1台ずつ:
白ではない車:青1台、赤1台 (合計2台) - 条件を満たす
青ではない車:白1台、赤1台 (合計2台) - 条件を満たす
赤ではない車:白1台、青1台 (合計2台) - 条件を満たす

このケースは問題文のすべての条件を満たします。

ケース2: 緑色の車が2台白ではない車:
緑2台 (合計2台) - 条件を満たす。この場合、白い車は存在しない。
青ではない車:緑2台 (合計2台) - 条件を満たす。この場合、青い車は存在しない。
赤ではない車:緑2台 (合計2台) - 条件を満たす。この場合、赤い車は存在しない。

このケースも問題文のすべての条件を満たします。

したがって、駐車場に存在する車の構成は一意に決まらないという結論になります。

適切な回答としては、両方の可能性を提示し、それぞれのケースが条件を満たす理由を説明する必要があります。

回答の構成:問題の解は一意ではないことを明記する。
回答1のケースを説明し、条件を満たすことを示す。
回答2のケースを説明し、条件を満たすことを示す。
承知いたしました。ご提示いただいた正解例に基づき、適切な回答を作成します。

この問題の答えは一つに定まりません。考えられる答えの例としては以下のものがあります。

回答1:駐車場に3台の車があり、内訳は白色の車が1台、赤色の車が1台、青色の車が1台である。

この場合、白ではない車は赤と青の2台となり、条件を満たします。
青ではない車は白と赤の2台となり、条件を満たします。
赤ではない車は白と青の2台となり、条件を満たします。


回答2:駐車場に2台の車があり、その2台は例えば緑色の車である。

この場合、白ではない車はこの2台(緑)であり、条件を満たします。
青ではない車はこの2台(緑)であり、条件を満たします。
赤ではない車はこの2台(緑)であり、条件を満たします。


この問題では、車の色が白、青、赤の3色に限定されているとは書かれていないため、上記のように複数の解が存在しえます。

gemini2.0-flash-thinking

回答の観察

取り得ず回答2が正解であること(問題の条件を満たす)ことは理解したようです。そして、簡単な論理問題でも、固定観念(3色が1台ずつある)を取りぞのくことが大変であることも理解しました。
この問題をLLM自身に説明してもらいましょう。

その時LLMは何を考えていた?

プロンプト

なぜ回答2の可能性を見落としたのか、考察してください。

回答

ユーザーは、私がなぜ「緑色の車が2台」という回答2の可能性を見落としていたのか、その理由の考察を求めています。これは、私の思考プロセスにおけるバイアスや制約を分析する良い機会です。

私の思考プロセスの段階:
問題文の理解:
問題文を読み、条件を把握しようとしました。「白ではない」「青ではない」「赤ではない」という否定形の条件が重要であることは認識していました。
初期の仮説: 最初は、車は白、青、赤のいずれかの色であるという暗黙の前提を置いていました。これは、問題文に具体的な色名が挙げられていることから、それらに焦点を当ててしまったためです。
連立方程式による分析: 白、青、赤の車の台数を変数として連立方程式を立て、解を求めようとしました。この段階では、他の色の可能性を考慮していませんでした。
ユーザーからのフィードバック: 「前提条件を正確に読み取っていない」「不要な限定が含まれている」というフィードバックを受け、自分の初期の仮説が誤りであることに気づきました。
再検討と修正: 白、青、赤以外の色の可能性を検討し始めましたが、それでも、それぞれの色が少なくとも1台は存在するという前提にとらわれていました。「〜ではない」という条件から、それぞれの色が存在しないケースもあり得るという点に気づくのが遅れました。
最終的な修正: ユーザーからのさらなる指摘を受け、「〜のみ」という表現の重要性を再認識し、他の色の可能性を考慮に入れることで、回答2のケースにたどり着きました。


見落としの要因:
確証バイアス:
問題文に「白」「青」「赤」という具体的な色名が挙げられていたため、それらの色が存在することを前提としてしまい、他の可能性を十分に検討しませんでした。自分の最初の解釈を裏付ける情報ばかりに目が行き、反証する情報を軽視する傾向がありました。
固定観念: 車の色は一般的に限られているという固定観念がありました。問題文に色の種類が明記されていないにもかかわらず、無意識のうちに一般的な色彩の範囲に思考を限定していました。
否定形の条件の理解不足: 「〜ではない」という条件を、単に「それ以外の色が存在する」という意味合いで捉えてしまい、「その色が全く存在しない」という可能性を十分に考慮しませんでした。
組み合わせの網羅性不足: 全ての可能な組み合わせを体系的に検討することができませんでした。特に、極端なケース(特定の色が全く存在しない場合)の検証が不足していました。
早期の結論: 連立方程式による分析で解が得られた時点で、他の可能性を深く追求することを怠ってしまいました。


反省と今後の改善:前提条件の再確認の徹底: 問題文の前提条件を字義通りに解釈し、暗黙の前提を排除するよう心がけます。
多様な視点の導入: 一つの解法に固執せず、複数の視点から問題を検討する習慣を身につけます。
否定形の条件の慎重な扱い: 否定形の条件は、存在しない可能性も示唆していることを常に意識します。
網羅的な思考: 全ての可能性を体系的に洗い出すためのフレームワークやチェックリストを活用します。
批判的思考の強化: 自分の考えを常に疑い、反証可能性を考慮に入れます。


今回の経験は、AIモデルといえども、人間と同様の認知バイアスに影響される可能性があることを示唆しています。ユーザーからのフィードバックは、思考の偏りを修正し、より柔軟で包括的な問題解決能力を向上させる上で非常に重要です。

回答2の可能性を見落とした理由は、主に以下の点が挙げられます。
色の先入観: 問題文に具体的な色(白、青、赤)が挙げられていたため、無意識のうちに車の色はこれらのいずれかであるという先入観を持ってしまいました。これにより、他の色の可能性を初期段階で十分に検討しませんでした。
「〜ではない」の解釈の偏り: 「白ではない車が2台」という条件を、「白以外の色(青や赤など)の車が2台」と解釈しがちでした。これは、問題文に登場する色に意識が向きやすいためです。しかし、実際には「白以外の任意の色」である可能性も考慮する必要がありました。
組み合わせの網羅性不足: 全ての可能性を網羅的に検討する思考プロセスが欠けていました。特に、極端なケース(特定の色が全く存在しない場合)の検証が不十分でした。回答1のケースに焦点を当て、それが条件を満たすことに満足してしまい、他の可能性を深く探求することを怠りました。
問題の構造への過度な単純化: 問題を連立方程式のような形で捉えようとしたため、車の種類が固定されているという前提で思考を進めてしまいました。これにより、色の種類が異なるケースを考慮する柔軟性を欠いていました。

要するに、問題文に具体的な色名が示されていたことが、思考を狭める要因となりました。「〜ではない」という否定形の条件をより広く解釈し、様々な組み合わせを検討する重要性を改めて認識しました。今後は、より柔軟な発想で、多角的な視点から問題を分析するように努めます。

gemini2.0-flash-thinking

回答の観察

なるほど、まず会話の流れを振り返りながらそれぞれの段階で何に気が付き何を見落としたかを分析していますね。
具体的には、以下の問題を指摘しています。

  • 確証バイアス

  • 固定観念

  • 否定形の条件の理解不足

  • 組み合わせの網羅性不足

  • 早期の結論

「AIモデルといえども、人間と同様の認知バイアスに影響される可能性があることを示唆しています。ユーザーからのフィードバックは、思考の偏りを修正し、より柔軟で包括的な問題解決能力を向上させる上で非常に重要です。
今回は、問題文に具体的な色名が示されていたことが、思考を狭める要因となりました。「〜ではない」という否定形の条件をより広く解釈し、様々な組み合わせを検討する重要性を改めて認識しました。」
ということだそうです。

makokonに限らずLLMと会話を多くしている人なら、認識している人も多いでしょうが、
「LLMは否定文の扱いがかなり苦手」です。
否定、裏、対偶などの基本的な論理を実際の場面で網羅的に理解できていないと感じることが多々あります。
そして、会話が長くなるにつれて、コンテキストの読み落とし(不正確な理解)の問題も多く指摘されています。
今後LLMを使いこなすうえで、誤解のない伝え方、LLMの理解レベルの確認、現在の回答の論理的な構成の確認など気を付けて行くべきですね。

まとめ

今回の論理パズルを通じた検証で、Gemini 2.0 Flash の思考モードには、いくつかの「落とし穴」が存在することが明らかになりました。
特に、先入観による視野狭窄や、否定的な条件の扱いの苦手さは、LLMが陥りやすい典型的な弱点と言えるでしょう。
しかし、これは悲観的な結論ではありません。むしろ、これらの特性を理解することで、私たちはLLMをより効果的に活用するためのヒントを得ることができます。LLMの得意なこと、苦手なことを把握し、人間が適切なアシストを行うことで、そのポテンシャルを最大限に引き出し、より強力な問題解決能力を発揮できる可能性を示唆しています。
今回の経験を活かし、LLMとのより建設的な関係を築いていきましょう。

ハッシュタグ











いいなと思ったら応援しよう!