『もう内向型は組織で働かなくてもいい/堤ゆかり著』感想文
「内向型は矯正するな!」
私には典型的な内向型の娘がいますが、彼女には今ならはっきりこう言えます。
昔と違って今は様々な研究が進み、個人の性格を細かく分類し、「内向型」や「 HSP 」のような言葉がネットでも話題になったり、それに関する、本書のような書籍なども沢山出回っています。
そのおかげで、 外向型を良しとする風潮のあったひと昔前よりも、人付き合いが苦手であったり、刺激に弱い人などが、その特性を活かす方向に目を向けられるようになったことは、素晴らしいことだと思います。
自分自身も内向型であったけれど、その時代は内向型は
「治さなければいけない”欠点”だ」
と信じ込まされていたので、社会人になって一生懸命”矯正”してきました。
結果、接客業ができるようになったり、同僚とのコミュニケーションも難なくこなせるようになったりはしました。
でも一方で、自分を深く探求する能力や、思慮深さ、豊かな創造力といった、内向型の長所は失われていったような気がします。
そして残念ながら、外向性は少しは身に付いたものの、天性の「外向型」ではないので、結局、どちらの特性も「活かす」というほど身に付かず、どっちつかずの性格のままです。
本書は、内向型の特性を活かした働き方や生き方のヒントを与えてくれて、その特性をどんどん育てていけば、会社勤め以外の方法でも活躍できることを教えてくれています。
「この子は本当に社会に出て働けるのか?」
自分よりも輪をかけて内向型の一人娘の子育て中、ずっと悩んでいました。
でも、何も組織で働くことだけが選択肢ではないのですよね。
娘にも本書を勧めて、内向型は矯正するものではなく、活かすべき資質だということを理解してもらいたいです。
そして、自分が生き生きと活躍できる働き方を見つけてほしいなと思います。