見出し画像

そんなに必要なのか? 英語力 (旅の英語・その1)


わかりますとも。「英語」案件ですね。
なにはともあれそれが一番の悩みの種、という人も中にはいると思う。

つまるところ世界規模でいうと、観光ギョーカイでまかり通っている言語は基本的に英語だ。英語さえできれば私だって海外に行けたのに……と、それが理由で旅を諦めている人もいるかもしれない。

道で外国人に何かを尋ねられたけど、真っ白になってろくすっぽ答えられなかったとか、おのおのトラウマ・ストーリーなどはお持ちではないかと思う。
英語なんてここ何年間かまったく触れていないだとか。英語は苦手科目だったとか。読むことはある程度できるんだけど、会話はまったくできないだとか。発音が悪くて通じる自信がないだとか。こちらの言い分がわかってもらっても相手の会話を聞き取れるかわからないだとか。宇多田ヒカルになりたいだとか(ちょっと例、間違えた)。

そんな英語あるあるを抱えている人がいるのも、ごもっとも。最初はみんなそうなのではないだろうか。
トラブルだけでも厄介なのに、それをさらに複雑にするものが言葉の壁なのでは、と誰でも思ってしまうもの。空港、ホテル、病院、駅……と各所での揉めごとを、想像たくましく膨らませれば膨らますほどに不安が募る。


でも大丈夫! 最初に海外に行ったとき、私もろくすっぽ喋れなかった! そして、ちなみに君が行く国は英語圏なのですか? もしかすると、英語圏でないのでは? それならば、みんな英語はペラペラじゃないからそんなに怖がる必要はない。そもそもペラペラって何だ? 

みなが無意識だか意識的にだか恐れているのは、きっとアレ。あの怖い「ネイティヴ族」だ。
なんだか上から目線の(コンプレックスによる偏見です)、体躯が大きく眼光鋭い(恐怖からくる偏見です)、ウララララァッと物凄い勢いで英語をほとばしらせる(イメージです)、あの人たち(ごめんなさい)。

しかし実際のところ、英語がネイティヴなんて人は地球規模で見るとほんの一握りなのだをご存知だろうか。
昨年に国連が発表したところ現在76億人と言われる世界人口の中で、英語のネイティヴスピーカーはたったの4億人も満たないのだ。72億人は非英語ネイティヴなのだ。
そう、たった5%しかいないんだよ、厚切りジェイソンみたいなのは!

一般的な日本人がもっとも多く触れる英語の機会というのは、映画、あるいはテレビのインタビュー画像ではないかと思う。そんなネイティヴがネイティヴに向けて喋っている英語がわからないのは当たり前。
だって、もう江戸っ子が江戸っ子相手にべらんめいでまくしたてているようなものである。そんな高度な英語力なんて、まるっきり求められていない。とりわけ海外旅行では。

確かに、アメリカ、イギリス、オーストラリアなどでは英語が母国語なので、ちょっと早口すぎて聞き取るのは大変かもしれない。
しかし他の国々は、程度の差はあれど、たいていみなさんゆっくりと英語を喋る。なぜなら彼らにとっても英語は第二外国語だからだ。
たとえ公用語に英語を指定している国であっても、みんながみんなネイティヴ級とは言えない。例に出すには極端かもしれないけど、インドなんて国民の12%しか英語を喋れないしさ。

だからそう不安がらないでほしい。
もちろん個人差や程度の差こそあれ、非ネイティヴの英語は難しい言い回しやスラングもなく、とてもシンプル。すごい速いわけでもない。自分も苦労した覚えがあるのか知らないが、たどたどしい英語スピーカーにもやさしい。これが世界のほとんどをまかりとおっている英語だ。

ちなみに英語を使える人口は、15億人ほどいると言われている。まぁ、世界人口のうち約20%だ。そのうちの5%という貴重なネイティヴ族を畏れ敬うばかりに、世界のあちらこちらでは「ネイティヴのように喋らねば!」というネイティヴ信仰が崇拝されているが、実際の国際社会では、もっとシンプルな英語が使われているのだ。ネイティヴ族、恐るるにたらず! だ。

いや、だからと言って英語圏はコミュニケーションが難しいというのではない。確かに最初は早口で話しかけらるかもしれない。でもこちらが英語が苦手だとわかれば、ゆっくりと丁寧に喋ってくれるはず。
むしろ、とりわけアメリカなんかは人種のサラダボウルと言われているだけあって、異文化に慣れているから、私たちのレベルに合わせて頭を切り替えてくれる。
要するにどこに行くにせよ、みんな優しいから大丈夫だよ! ってこと。
もしもスピードを変えてくれないような堅物がいたのなら、その人はパスして他の人に聞けばいい! 案じるよりは行くが易しなのだ! 


そして、あえて老婆心ながらひとつ口を挟ませてもらうが、なかには極めてもったいない人たちがいる。彼らは決まってこんなセリフを口にする。それがコレ。
「英語ができるようになったら、海外に行く」
とか言っている人! そんなん、いつまでたっても行けませんよ! 

できるようになったらって、その「できる」の基準はどこ? 
TOEICの点数? TOEFL? 英検? 取ればペラペラなのか? ペーパーテストなのに? 誰かが「もう英語大丈夫」のGOサインを出してくれるのか?

劣等感は持ってても持っていなくても別にいいんだけれども、その「英語が通じいないと恥ずかしい」という何の役にも立たないプライドが足枷になっているのなら、そんなものはぐしゃっと丸めて木陰のヤギにでも喰わせてしまえ!

いや、本気で英語を勉強しているのであれば邪魔はしないし、海外旅行したいのならば、英語を勉強したくなるのは自然の流れ。何かを習得するのにあえてゴールを設定するのはいいだろう。勉強するなと言っているのではない。でも、旅しながらだって勉強できるし、帰ってからでもできる!

何を言いたいかというと、これは大事なので何度でも主張するが、
「人生においてチャンスというのは案外少ない」ということ。
もしも海外に行けそうな環境が揃っているのならば、「英語力」なんかのために、せっかくのチャンスを先延ばししないでほしい。なぜなら英語ができるできないというのは、その好機をふいにする理由にはあたらないということなのだ。

旅行に限らず、転職も結婚もすべてにおいて言えることだが、人生タイミングがすべてだ。チャンスを掴めない人には「運」はつかない。
思い立ったが吉日。「できるまで」待ってていては、いつまでもその日は来ない。行くなら今でショ!

なに、英語がたいして喋れなくてもどうにかなるのだ。
果たして実際のトラベル英会話とはどんなレベルなのか、そのことを次の note で、じっくり検証していきたいと思う。


( 続く!)


いいなと思ったら応援しよう!

今泉真子 mako imaizumi
ここまで読んでくれただけで、うれしいです! ありがとうございました❤️