【感想】短編映画『半透明なふたり』|“半透明”を重ね合わせ、“透明”になった彼ら。
「涙」は目に見えるが、「悲しみ」を見ることはできない。
「傷」は目に見えるが、「痛み」を見ることはできない。
「身体」は目に見えるが、「心」を見ることはできない。
子どもの頃、目の前にいる相手の思考や感情を、私が完全に理解することはできないのだ、という事実が恐ろしかった。同時に、私の考えていることや感じていることを理解できる人が誰一人いないこの世界に、私は怯えた。
そんな私は、できるだけ人と関わらないように10代を過ごした。それでも私は、心のどこかで期待していたのだと思う