夏が、とっても好きって話
仕事に追われ続けるって程、仕事を熱心にしているわけではないけれど。
殆どの時間を適温の店内で過ごし、帰る時間はいつも日没。
季節を感じられるのは行きだけで、それも20分程度で仕事場に到着する。
今年は梅雨らしく雨の日が続き、少し季節に関心を持っていたのかもしれない。
私は今日、不意に夏が好きだって思い出した。
今、この瞬間に感じたから。
記したくてnoteを開いた次第で。
今日は久々のお休みで、それにもかかわらず寝苦しさからいつも通りの7時前に起床した。
起きてすぐ窓を開いて外の空気を吸うのが日課。
朝の空気は少し生ぬるい程度で、それにも夏の匂いを感じた。
その時は特に何も思わず、すっかり夏だなぁ程度に思って普段できない掃除や洗濯にいそしむ決心をしていた。
冬用のパジャマや布団シーツ、今使っている夏用シーツ、枕カバー。
一気に洗濯するのは無理だから個別に分けて洗濯。
優先順位は今使っているシーツたち。
干したらあっという間に乾いてしまって私は4回も洗濯機を回した。
明日からの仕事のためにお弁当のおかずも作る。
何品も一気に作るのは暑いから、1品1品時間を置いて好きな時に好きな量を作る。
簡単なものをちょこちょこと。これは、長く続けるコツ。
完璧主義な所がある私は「こうしないと」って思いが強かった。お弁当はこうあるべきだって像が強くあった。
それが外れたのは、1人暮らしをしてからだな。
今日は一日窓を開けて過ごす。
遠くから市民プールで遊ぶ人の声やアナウンスの音が聞こえてきて、「プールかぁ」って1人呟いた。
プールってもう10年は入って無いなぁ。
そんな声を聞いても、その時も特に何も思わなかった。
私の部屋は鉄筋コンクリート作りの1階で、年中少しひんやりとする。
それでもじんわりと汗をかくくらいに気温が上がってきたのを感じたのは10時ころ。
保冷剤をタオルに入れて首に巻いたり脇に挟んだりして、ゲームしたりYouTube見たりして過ごす。
今から思えばクーラー入れたらよかったんだけど…。
なんとなくそんな気になれなかった。
電気代は特に気にしてないけど、本当にその考えが無かった。
扇風機の風に当たりながらぼんやりと過ごしていた夕方。
お昼まで聞こえていた市民プールの声もいつの間にか聞こえなくなっていて。
16時頃終えた4回目の洗濯物の乾きが悪くなってきたなぁって見ていた。
今日は掃除もしたし、洗濯もした、料理も作ったし、私の気が済むまでYouTubeもゲームもした。
幸せだなぁって思っていたら、窓から風が入ってきて。
夏の夕方の匂いがした。
その瞬間、「あっ!」って心が粟立った。
好き。
って強烈に思った。
懐かしいって涙が出そうになった。
木村弓さんの『いのちの名前』という歌の歌詞の中に
ー叫びたいほど なつかしいのは ひとつのいのち 真夏の光ー
という言葉があって、初めて聞いた時からこの歌詞に強く共感していた。
そういう気持ち分かるって思ったのはこの空気の匂いを私が知っていたからだなって思った。
久しぶりに聞いてみた『いのちの歌』の木村弓さんの声が優しすぎてちょっと泣きそう。
あんなに激しく暑かったのに少し涼しくなって、いのちが息を吹き返すみたいな感覚。植物も動物も虫も人間もホッと息が出来るようになるって言うのか。
小学生の頃、この空気の中を歩くのが大好きだった。
無性にワクワクして、お腹が空いて、愛おしい。
私の作品にはよく妖怪が出現するけど、それもこれもこの空気を愛しているからだってことも思い出した。
忘れてたなぁ、私。
夏が暑いのも、体がベタつくのも、息がし辛いのも本当結構です、大丈夫ですって遠慮したくなっちゃうけど。
この空気があるから、夏が好きなまま。
ツンデレかよ。夏。