休日は犬と猫と妻が主役、ぼくは脇役で十分
犬と猫と妻と一緒に、1日のんびり過ごすこと。
それがぼくにとって最高の休日の過ごし方だ。
起きろと言わんばかりに、朝ベッドに飛び乗ってきたのは猫の"uni"。
「にゃっ」と短く鳴いて、ぼくの顔をじっと見つめる。
その視線に応えるように頭を撫でると、ゴロゴロと喉を鳴らしたかと思えば、すぐにお尻を向けて寝始めた。
まるで「これで十分」と言わんばかりだ。
隣では妻がまだスヤスヤと寝ている。uniが乗る音で起きないのはさすがだな、と思いつつ、心の中で「今日もかわいいね」とuniに語りかける。
もう少し寝てたいと思ったのも束の間。
今度は、リビングから犬の「タッタッ」と軽快な音が聞こえてくる。
どうやらぼくが起きていることはバレているらしい。
ゲージの扉を鼻ツンしながら、「早く、早く!」とアピールしているであろう光景が頭に浮かび、観念してベッドを出ることに。
妻は変わらずぐっすり。「もう少し寝ててね」と、uniと同じように心の中で声をかける。
犬の名前は"mon"。
"もんちゃん"と呼ぶと、しっぽをぶんぶん振り回す姿がたまらなくかわいい。
ゲージの扉を開けると、勢いよく飛び出してくるmon。
朝のタックルを受け止め、撫でまわして満足させたら、ご飯の準備だ。
monはおすわり、伏せ、お手、おかわりまでのルーティンを飛びっきりの笑顔でこなし、一瞬でお皿を空にする。
uniはというと、相変わらずベッドの上でとろけている。ぼくもそうしていたい
妻に「uniおはよ」と話しかけられて、ちらっと目だけ動かして動きやしない。
このままお水やトイレシートを替えるわけなのだが、気づいたら近くまで移動してきてるじゃないか。
「ご飯、食べたかったんね。食べよ。」
まったく、ツンデレにもほどがある。
午前中は家の中でゴロゴロ。ソファに座るぼくにmonが「犬たんぽ」としてひざの上でとろけ、40度近い体温で体を温めてくれる。
温かさに包まれて、ぼくもうたた寝してしまう。
その間、妻はキッチンで紅茶オレを作ってくれる。
「はい、どうぞ」と手渡されたカップから漂う香りにホッとしながら、「ありがとう」と伝えるのがいつもの休日のルーティンだ。
で、uniは少し離れたテーブルの上からこちらをじっと見ている。気まぐれに降りてきたかと思えば、撫でられるのを待つわけでもなく、ふっと消える。
でもね、monがいないときには甘えてくるのだ。
monが見ていないのを確認してから「なでて」と頭を差し出してくるその姿が、たまらなくかわいい。
午後にはmonをお散歩に連れ出す準備をする。
お散歩グッズを手に取ると、monは嬉しそうに意気揚々と軽やかなステップを踏み始める。
犬は喜び 庭かけまわり---
「ゆきやこんこ」の歌詞どおり、それはそれは嬉しさが伝わってくる。
「今日どっちが散歩行く?」と妻と話して、今日はぼくが行くことに決まり。
お散歩の前に洋服を着せ、満足気な顔をしたmonと一緒に行ってくる。
すれ違う人から「かわいい~~」と声をかけられると、しっぽをぶんぶん振り回しさらに得意げになる。
ぼくも心の中で「かわいいでしょ」と。もしかするとニンマリした顔が出ているかもしれない。
uniはというと、散歩なんて知らない。妻とお家でぬくぬくしながら、ぼくが帰ってくる頃にはだいたいベッドの上でぼーっとしている。
そんなuniに、お散歩ついでに買ったちゅーるを差し出すと、満足そうにペロリと食べてまた寝る。
気まぐれなところを見ていると、あぁ、猫だなーと度々思う。
夜、お風呂から上がると同時にmonがひざの上に飛び乗り、そのまま満足気に丸くなる。
妻はソファでスマホを触り、少しだけ静かな時間が流れる。
uniは少し離れた場所から静かにこちらを見つめている。
「おいで」と声をかけると、ぷいっとそっぽを向く。そのくせ、ぼくが寝室に向かうと、ベッドのど真ん中に陣取っている。
結局は甘えたいツンデレなのだろう。
休日は犬と猫と妻が主役の日。ぼくはその脇役で、むしろちょうどいい。
妻と陽気なmonと気まぐれなuniに囲まれて過ごす時間が、何よりのご褒美だから。