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本を読む。

遅ればせながら新年の抱負を。

「年間に本を50冊読む」

100冊と高らかに宣言したかったが、怖気付いて50冊にしておいた。

というのも、読書量を目標にすることに苦い思い出があるからだ。かつて専業主婦をしていた時、年間100冊を目標に掲げたことがあった。半年くらいはいいペースで読めていたのだが、途中からどんどん失速し、最後には絵本までカウントして何とか100冊達成したという具合なのだ。
時間のあった時ですら苦しかったのだから、フルタイムで働いている今100冊は無謀な気がする。50冊なら1週間に1冊ペースだからいけるだろうか……。


いつから本が好きだったのかは覚えていない。幼稚園児の頃にはもう好きだったように思う。身体が弱く、運動神経も悪い私は教室でずっと本を読んでいた。その方がおもちゃで遊ぶよりも、大人は喜んでくれるのだ。

小学校に上がると身体は丈夫になり、外で遊ぶようにもなった。しかし授業の間の10分休みなんかはずっと本の世界に耽る。ゲームをさせてもらえない家庭で唯一好きなだけ買ってもらえるのが本であり、祖父母がくれるお小遣いも決まって読書カードだった。

読書はいつも「ここではない、どこか」へ連れて行ってくれる。

9歳の時にかじりついて読んだデルトラクエスト、11歳頃新刊が出るのをまだかまだかと待ち望んだハリーポッター。母に勧められ、その後の人生にまで大きな影響を及ぼした怪人二十面相。星新一のショートショートで皮肉を学んだ。

そして今でも強烈に覚えているのが、青木和雄さんの『ハッピーバースデー』だ。何回も何回も読み、その度に泣いた。お母さんに「あんたなんか生まなきゃよかった」と言われ、耳が聞こえなくなった主人公の女の子。祖母の家で心の傷を癒やし、周囲の人にも影響を与えるようになるストーリーだ。この本に衝撃を受けた私は心理学に興味を持ち、そしてカウンセラーになりたいと思ったのだ。

結局色々なことが重なりカウンセラーになることは出来なかったのだが、今でも私の考え方や生き方に大きな影響を及ぼしている。

大人になるとビジネス書や自己啓発書を読むようになった。それはそれで面白いのだが、子供の頃のワクワク感をもう体験できないと考えるとほんの少し寂しい。

しかし大人の読書には、子供の時には無かった「共感」が伴う。今までの人生経験を本の内容に重ね合わせることが出来るのだ。そう考えると歳をとるのも悪くは無いだろう。

この先の人生、何冊の本を読むことが出来るだろうか。どれだけ知識を深められるだろうか。

今年の50冊を今後の読書人生の足掛かりにしたい。


大好きな本たち。








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