自己紹介③高栄養価の野菜は作れる
今農業界には1つの大きな波があります。それはBLOF理論 (Bio Logical Farming(バイオロジカル ファーミング):生態系調和型農業理論)という植物生理に基づいた、健康な野菜栽培により、高品質(高栄養、良食味)・多収穫、可能な限り無農薬を実現しようというものです。
提唱者は長野県伊那市の有機肥料会社ジャパンバイオファーム創業者の小祝政明さんで、この理論に関する著書が6冊ほど出版されています。
BLOF理論では植物生理を理解していくと、有機栽培(有機質肥料を用いた栽培)が高品質、多収穫に最も近い栽培方法になると説明します。
今僕はこの理論をまだ名前がついていない頃から20年近く取り組まれてきた農家さんで働かせて頂いております。その中でこの理論の実践には大まかに流れがあるように思います。
1、土壌分析 畑の土の養分を可視化して何の養分がどれくらい不足しているかを把握します。
2、施肥設計 土壌分析で出た結果をもとに必要な養分(炭素、窒素、リン酸、カリ、カルシウム、マグネシウム、鉄、マンガン、ホウ素、亜鉛、銅etc...)をその作物に必要な量施せるように肥料の組み合わせを設計します。
3、太陽熱養生処理 肥料をいれた畑を透明色のビニールマルチで覆うことで様々な有用な効果(土壌の物理性改善、有用菌の繁殖、病原菌&害虫の抑制、肥料の均一化、酢酸の生成、除草効果etc...)を引き出します
4、生育診断と理論に基づいて日々の管理にあたる 作物に出る症状(葉の色が変、成長点が混みあってきたetc...)を何故そうなっているのかという目線でとらえ、菌の特性やPH、資材の特性や作物の特性、タイミングなど多くの事を考え対処する
このような事をして作物を栽培すると実際においしい野菜が沢山とれる傾向にあると思うようになりました。それに肥料としてカルシウム、マグネシウム、鉄やマンガン、ホウ素、亜鉛、銅まで入れる事で人に必要なミネラルも野菜に含まれるようになります。
栄養価についてもデリカフーズという会社が野菜の栄養分析のサービスをしてくださっています。そこで検査していただくとビタミン類や糖度が高く、えぐみの元、発がん物質に変わるといわれる硝酸が少ない野菜が、比較的多くこの理論を活かした栽培からできるという事がわかってきました。
さすがの理論も天候にはかなわないところがあるのでいつもいつも素晴らしい栄養状態かと言われればそうでない時もあると思いますが、今働かせてもらっている農場の野菜は無農薬でどれも非常においしく、栄養価についてもほぼデリカフーズさんの各野菜の平均値を上回った結果となっています。
自分で農場を持つ時にひとつ取り入れたい方針があります。「栄養価の高い品目を選ぶ」という事です。
野菜はどれも何かしら健康に寄与する力があると思っています。
栄養のない野菜の代表格といわれるきゅうりも比較的多く含むカリウムで腎臓の機能をサポートし、体のむくみや疲労をとる効果があります。
ですがその中でも栄養成分の生成が得意で人の健康増進に大きく貢献する作物があるように思います。
デリカフーズさんのお話でだしたビタミンCやEに関してはケールという作物は優秀なカブがビタミンC 20 ビタミンE 22 のところビタミンC150 ビタミンE 530という数字を出したりします。ビタミンCもEも抗酸化物質といって老化、動脈硬化、がんなどの原因になる活性酸素を消してくれる栄養です。
野菜はどれも健康に寄与するが種類によってすごく寄与する野菜がある。
なのでBLOF理論で健康寄与率の高い野菜を作りポテンシャルを引き出し、さらに栄養価を高くして、必要としてくれるみなさんにお届けしたい!
これが今のところの方針です。
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