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ひとり

あなたが忘れた日に
そばにいたことを忘れた日に

自ずと道も狭くなり
世界も限られたものになり
私のことがよくわかった

私1人でできたせかいなんて
ひとつもない
このあざやかでうつくしく
疎ましくて喧しい
このせかい

どこにも届かない声で

無くすこと
得ることの
全てを
閉じ込めて握りしめている

幸せであり悲しく
寂しい静けさの中で
この心が溶けていくのを待っている

次の雨が降る

私にしか見えない
世界が始まる

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