デザイナーとして一人前になったと自覚した時の話。
この記事は、NOT DESIGN SCHOOL Advent Calendar 2023 の25日目です。
どうも「もち」です。正式なあだ名は「もちたろう」です。
普段はAI系のスタートアップでCDOをやりつつ、個人でも最近法人化してオンラインデザインスクール「NOT DESIGN SCHOOL」を運営しています。
今日は自分がデザイナーとして「自立したなぁ」と自覚した時のお話をしたいと思います。
思ってみれば、自立を自覚できた時から、デザイナーとして一人前になれたような気がしています。
ことの始まりは、数年前にTwitterで起きたちょっとした事件。
個人名などは伏せますが、数年前、コロナウイルスなんて名前を聞くもっと前にTwitter（現X）でちょっとした事件があった。
とある企業のデザイナーのデザインを勝手にリデザイン（手直し）したあげく、記事上で事細かにダメ出しを連発し、最終的には自分の方がうまくデザインできるからお仕事お待ちしております！的な内容で締めくくられる刺激的な記事を公開したデザイナーが突如あらわれたのだ。
この件はTwitter上のデザイナークラスター内でちょっとした騒ぎになり、デザイナーたちは静観する人も含めて、思い思いに様々な反応をしていた。
私はどうだったかというと、めちゃくちゃ憤っていた。
なんて無粋で野蛮なやり方なんだと。人を下げて（傷つけて）自分を上げるというその見せ方は、自分の美学に思いっきり反していたため、拒否反応がものすごく出ていた。
ウソだろ…？！先輩デザイナーの中には違う意見の人も多かった。
みんな同じ気持ちだろうと勝手に思っていたけど、業界の先輩デザイナーの中には自分とは全然違った反応をしている人たちも多かった。
中には「面白いやつがでてきたな〜！」とこのボヤ騒ぎを面白がっている人もいたし、「こういうヒール的な存在は必要」と業界の必要悪的な捉え方をしている人もいた。否定的ではなく、肯定的に見ている人が多かったのだ。
自分とは全く違った、先輩方の反応に、私は正直面食らった。ええ？！そうなの？！マジで？？って感じだった。
その時は自分よりも経験豊富で人間としてもできているであろう先輩方が言うのであれば、それが大人な考え方なのかもしれない…と、一旦この事件のことを頭の引き出しにしまいこんだ。
自分もいずれは先輩たちと同じような考え方ができるように成長しなければいけない。そんな風に思っていた。
ふとした時に思い出す事件のこと。自分の考え方が変わらず悩みつづけていた。
それからだいぶ時も経ち、今ではこの時の事件のことを知っている人、覚えている人はあまりいないかもしれない。
でも私はふとした時に、何度も思い出してきた。
思い出すたびに、自分の感情や意見は間違っていたのだろうかと考えた。先輩方の意見はやはり大人な意見で、自分よりも広い視野、高い視座だからこそ持てる意見だったのだろうかと考えた。
いつか自分も同じ考え方にたどり着けるのだろうかと自問自答しつづけた。
けれど何度思い出しても、何度考えても、先輩たちと同じような考え方ができずにいた。
私は長いこと自分が尊敬する人たちとの意見の違いに苦しんでいた。
先輩たちと同じ意見じゃなくても良いんだと思えた日、自分は自立したと感じられた。
またいつものように、ふとこの事件のことを思い出していたある日のこと。
その時はいつもと違って、頭の中で急に電球がピカーン💡と光るように「私はその先輩たちとは意見が違うのだ」と結論を出すことができた。
自分自身この数年で経験も積んできたし、色々なことを学び、色々なことを考え、人としても多少は成長してきた。
その経験や成長が、自分の意見に対する後ろ盾として機能するようになったのだと思う。これは本当にここ1~2年の話。
もちろん先輩方を尊敬する気持ちは変わらない。
でもあの事件に対する考え方においては、先輩方と私とでは意見が違うと今ならハッキリ言うことができる。そしてそれで良いんだと思えるように意識も変わった。
違っていてもいいんだ。これは私の意見であり、あれは先輩の意見。どちらが正しいとか、優れているとかはない。そう思えた時に、自分はデザイナーとして「自立した」と感じた。
自分より優れている人や有名な人の意見に流されることなく、自分の意見を持てたと感じたからだ。
おこがましいことを言わせてもらえるのであれば、思考面に関しては尊敬する先輩方と多少は肩を並べられるようになったのかもしれない。
この時くらいから、自分はもう先輩たちに頼っていい中堅デザイナーを卒業しないといけない時期なのかもな〜と考え始めた。人の意見は参考にしつつも、これからは自分で考えて自分で動いていかねば、という謎の使命感も生まれつつあった。
時間をかけて少しずつ自分の中に「一人前のデザイナー」としての自覚が生まれ、そして徐々に固まっていった。
自分で考えて、自分で決めて、自分で動くようになった。
デザイナーを取り巻くトレンドや風潮、そして諸先輩方の思想や意見など、周りの情報は参考にはしつつも、私は自分の頭で考えて、自分で決めて、自分で動くようになった。
それがたとえトレンドとズレていたとしても、先輩方の思想と合っていなくても、自分でやるべきだと思ったら決めて動けるようになった。
逆に言えば、たいしてやりたいと思っていないけど、世間では求められているor当たり前だと思われている選択肢を「選ばない」という判断もできるようになった。
例えばデザイナーが独立するなら、クライアントワークがメインになるのは当たり前だよね！という風潮があると思う。しかし私は自分にそのやり方があっていないと思うので、その選択肢を取らない。そういった判断ができるようになった。
今は自分自身で選択して動けている実感があるので、毎日が充実していて楽しい。
実は今まで自分でも知らない無意識のうちにトレンドや風潮、誰かの意見に流されながら選択してしまうことも多かったのかもしれない。
自分自身が「絶対にこれでいいんだ！」と思える選択ができることは、自分の人生にとってとても大事だし、貴重なスキルなんだと感じている。
そんな私が今挑戦していること。それがNOT DESIGN SCHOOLというオンラインスクール。
そんな私が今まさに挑戦しているのが「NOT DESIGN SCHOOL」という名前のオンラインデザインスクールです。
立ち上げへの想いはこちらのnoteに詳しく書いてありますので、興味がある方は是非読んでもらえると嬉しいです！
デザインの教育現場では、未経験からデザイナーを目指す人たちの中で、デザイナーに対する歪んだ認識が定着しつつあります。
デザイナーは簡単になれる。デザインはセンスなんてなくてもできる。デザイナーは隙間時間で稼げる楽な仕事。在宅でも稼げる。海外も旅行し放題。1ヶ月で5万円を稼ぐロードマップをあげます。3ヶ月でデザインもコーディングもマスターしてフリーランスデビューできます。ママでもすぐなれる…etc
デザイナーをやってきた人からしたら「？？？」「そんな話聞いたことありませんけど？？」「それって本当にデザイナーのことですか？？」と思わず聞き返したくなるような売り文句が、スクール界隈では当たり前のように使われています。
結果、現場では戦力にならない中途半端な駆け出しデザイナーがたくさん出てきてしまっているし、駆け出し側からしてもスクールを卒業後どうしていいか分からず立ち往生といった状況が多く発生してしまっています。
この状況はどう考えても良くない。
私はデザインが好きですし、デザイン業界を盛り上げたいという気持ちも強くあります。
たくさん考えて悩んで、この状況を変えるために自分が動くべきだと判断しました。
自分の頭で考えて、決めて、行動できるようになっていたからこそ、この決断ができたと思います。
スクールをつくるために法人登記もして、お金も集めて、カリキュラムを練って、仲間を集めて、生徒を集めて、1年弱かけてなんとか12月にゼロ期生を開講するところまで漕ぎ着けることができました。
まだ開講して約1ヶ月ですが、現時点ではかなり理想的なスクールになっている実感があります。（これも全ては支えてくれている運営陣、メンター陣、コミュマネさんをはじめとしたNOTメンバーたちのおかげです）
集まってくれたメンバーは生徒も含め、みんな私以上に真剣で熱い想いを持っています。本気でデザイン業界を良くしたいと思っているし、本気で戦力になるデザイナーを育てたいと思っている。生徒側も本気で成長したいと思ってカリキュラムに臨んでくれています。
来年はもっとNOT DESIGN SCHOOLを盛り上げていきます！
まだまだ挑戦は始まったばかり。
来年、2024年はもっとNOT DESIGN SCHOOLの仲間を集め、このムーブメントを広げていくことに尽力したいと思っています。
来年にはWebデザインコースの1期生募集や、UIデザインコースやグラフィックデザインコースのリリースもしていく予定です。
メンターも募集しているので、デザイン業界の未来を少しでも良いものにしていきたい！という想いがある方は是非連絡してください。お話しましょう！（公式LINEからメンター応募ができます）
NOT DESIGN SCHOOLの公式LINEはこちら
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これでNOT DESIGN SCHOOLアドベントカレンダーの記事は終わります！
メリークリスマス!!!!🎄🎅✨
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