お千鶴さん事件帖「結晶」第四話③/3 完結編
「弱ったなあ。親分に聞いてから……」
「いけませんよ」
と、立ち上がりかける徳三を千鶴は押さえつけて話を続けた。
「これから、カンザシをお城のお姫様にだって売り込まなきゃならないかもしれないでしょう? 度胸試しです。しっかりやってくださいな。ねっ」
「魂胆がばれたらどうすればいいんですか?」
「焼いて食われるようなことにはならないです。つまみ出されるくらい」
「いやですよお」
「じゃあ、わたしが行くから、徳ちゃんはお供ということにしますか?」
「だめだめだめ。外に連れ出した