見出し画像

「地方創生2.0」はどうなんだろう

1月24日に行われた石破さんの施政方針演説を聞き、残念な思いでいっぱいです。

今回の演説のポイントを私なりにまとめるとこうなります。

「これからの日本は『楽しい日本』を目指していかなければならない。『楽しい日本』を実現するための政策の核心は『地方創生2.0』である。これを『令和の日本列島改造』として強力に進める」

楽しい日本? 地方創生2.0? 令和の日本列島改造? 

国家ビジョンを示すキーワードとして突如現れた「楽しい日本」。正直あまりイメージが浮かばず、違和感あります。意味としてはこうだそうです。

「直面する人口減少に伴う諸課題に対応するためには、新たに国民一人一人にとっての『楽しさ』という価値を重視する社会づくりが必要である」

言わんとしていることはわかるんですけど、なんか感覚が世間とズレている気がします。日々の生活が厳しくて、それどころではない人が大勢いるからです。

次に政策の核心である「地方創生2.0」です。このワードは石破さんが首相就任直後から使われていますが、2.0というのはどうでしょうか。使い古された表現で、ワクワクを感じません。

まぁ、単純に石破さんが初代地方創生大臣だったから、今回2.0にアップグレードされたというだけでしょうが、1.0と比べて何がアップグレードされたのかが不明です。名前だけ進化しても意味がありません。

だったら、国家主導の地方創生から、地域主導の地域創生に変えてほしかったです。それだったら、大きなアップグレードと言えると思います。

ちなみに、少し話は変わりますが、地方創生大臣という名称はもともと「人口急減克服大臣」として考えられていたそうです。ある意味、インパクトがある名前でした。内閣府の副大臣だった方から直接聞いた話です。

なぜ名称変更になったかは不明ですが、地方創生は最初から「若者や女性に選ばれる地方を創る」ことで、日本全体の人口減少のスピードを緩やかにすることが目的でした。

そういう意味で、今回の演説の中で最も重要だと思ったのは、関係人口に言及されたところでした

「都市と地方の二地域を拠点とする活動を支援する『ふるさと住民登録制度』を検討する」

「ふるさと住民登録制度」とは住民票を二つ持つことができる画期的なものです。これまで総務省が「住民の管理が難しくなる」と大反対していました。これが実現すると二地域居住の可能性がグッと広がります。ここはぜひ推進してほしいです。

ちなみに、二地域居住の現状については以下の記事で紹介しています。

リーダーの質は言葉の質

1月20日に行われたトランプの就任演説の全文を読んで、驚きました。日本では過激な発言だけが切り取られていて、危ないおじさんという印象が強いですが、演説は意外にも格調高く知的な内容でした。

特に論理構成は考えられています。アメリカ人だったら熱狂的になってしまうのは無理もないと思わされました。

「楽しい日本」と「Make America Great Again(アメリカ合衆国を再び偉大な国にする)」。どちらがいいでしょうか。

言葉の意味がとりわけ重みを持つ時代。良くも悪くもトランプは言ったことをどんどん実施しています。

石破さんとそのブレーンの皆さんは言葉にはこだわってほしいです。そしてキャッチフレーズだけで終わらないでほしいです。

私も地域創生ジャーナリストとして、言葉を大事にして、行動もします!





いいなと思ったら応援しよう!