地域づくりも国際協力も「人づくり」
今年もJICA筑波が主催する「地域振興ブランディング研修」に講師として参加しました。
今回は、中南米10か国から行政官や大学関係者等15名が訪日されました。
私は昨年に引き続き「行政と住民、民間の協働による地域開発・地域ブランディングの事例」というテーマで、「ふるさとづくり大賞」の4つの事例を中心に2時間にわたって紹介しました。
事例にご興味ある方はぜひ動画をご覧ください。
① 佐賀未来創造基金(佐賀市) - コミュニティ財団の役割
② 越中大手市場(富山市) - 商店街の活性化
③ 沼垂テラス商店街(新潟市) - 商店街の活性化
④ まよひが企画の佐藤恒平さん(山形県朝日町) - 地域おこし協力隊とその後の起業
講演後、エルサルバドルの研修生の方から思いがけない感想をいただきました。
「あなたのお話はエリノア・オストロム(女性初のノーベル経済学賞受賞者)のようです」
驚くとともに感激です。
私というより、ふるさとづくり大賞の受賞者の活動と情熱が海外の方にも評価されたのだと思います。
ところで、日本のODA(Official Development Assistance:政府開発援助)はこの10月に70年の節目を迎えたそうです。中核はもちろんJICAですが、その事業の積み上げは着実にグローバルサウス(*)からの信頼につながっていると数年間、研修講師を務めて感じています。
JICAの田中明彦理事長によれば、欧米のODAは遅れた国を援助するというノブレスオブリージュ(高貴なる者の義務)の意識が強いそうです。
一方、日本のODAは相手国の自助努力を促すこと、人づくりを重視しています。
ほとんど知られていませんが、東南アジアや中南米で道の駅はmichi-no-ekiとして多数存在しています。
単に箱モノを作って終わりというわけではなく、日本と同じように6次産業化など地域振興の拠点として機能し、JICAの研修に参加した人のノウハウも活かされていると聞きます。
なんといっても、この研修のキーパーソンはコーディネーターです。自然塾寺子屋さん(群馬県甘楽町)は、海外協力隊のOB・OGで構成される団体で、7年前にふるさとづくり大賞を受賞しています。こちらの動画もよかったらご覧ください。
自然塾寺子屋さんは開発途上国と日本の両方で地域振興を実践してきた経験と数千人を超える国内外の研修生とのネットワークが強みで、それがプログラムの濃さに反映されています。都会のコンサルにはとても真似できません。
先日の日経新聞の記事によれば、日本のODAの予算はピーク時の90年代の半分程度に減少したそうです。JICAの事業にも影響が出ていると聞きますが、この研修はぜひとも続けてほしいです。
今後も日本の地域振興を世界に伝える一端を担えれば、地域創生ジャーナリスト冥利に尽きます!何より私自身が楽しんでいます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!