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『最後の乗客』
先日、渋谷のユーロスペースで観てきました。『最後の乗客』🚖
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<フライヤーより>
2020年、ある自主制作映画のクラウドファンディングが静かに始動した。震災から10年がたつ故郷、宮城・仙台への想いを1本の映画に収めようというプロジェクトは僅か2日間で成立。撮影された55分の物語は世界各国の映画祭にて相次ぐ受賞を果たし、大きな注目を受けた。
story:タクシードライバーの間で“深夜、人気のない歩道に立ちずさむ女”の噂話がささやかれるなか、今日も遠藤はひとりハンドルを握り閑散とした住宅街を流していた。いつもと変わらぬ夜――。噂の歩道傍で、手をあげる人影。顔を隠すように乗り込んできた女性が告げた行き先は「浜町」。走り出すや、路上に小さな女の子と母親の二人が飛び出してきた。どうしても乗せてほしいといって聞かないその母娘を同乗させると、行き先はやはり「浜町」。
奇妙な客と秘密を乗せたタクシーは、目的地へと走り出す――。
製作・脚本・監督・編集:堀江貴氏 撮影:佐々木靖之氏
出演:岩田華怜さん、冨家ノリマサさん、長尾純子さん、谷田真吾さん、畠山心さん、大日琳太郎さん
私の尊敬する大作家スティーヴン・キングに、「彼らが残したもの」という短篇があります。(『夕暮れをすぎて』(文春文庫)に収載)。
9.11の翌年2002年の夏、主人公スコット・ステイリーのアパートメントに、「彼ら」が残した品々が出現し始めるという話です。「彼ら」とは、あのビルのオフィスで、スコットの同僚だった人たち…。じつはスコット・ステイリーは、9.11のあの日は…。
この先はネタバレになってしまうので記しませんが、心に強く残った作品で、その後も何度も読み返しています。
『最後の乗客』を観ながら、キングのこの短編を思い浮かべました。もちろん、もととなる出来事は違いますし、作品づくりのアプローチも異なりますが…当たり前だと思っていた日常、大切な人との未来…断ち切られてしまった事象の共通点から連想したのだと思います。
『最後の乗客』。「残したもの」「残された人」…登場人物たちひとりひとりの想いが、深く深くつきささってくる映画です。ユーロスペースでは12月6日まで、その他全国各地、ただいま上映中の館や、この先上映予定のシアターもありますので、ぜひご覧ください🎥🎬🚖