「誰かに認められたい」という欲求の本質について考えてみた【承認欲求という沼】
「ねえ、これどう思う?」
友達に送るメッセージの画面を閉じたり開いたり。いや、やっぱりこれ重い?でも反応ほしいし。
──そんな迷いを繰り返して、気づけば夜中の2時。
こんばんは。ここは承認欲求という名の沼地。足元がズブズブ、あなたも僕も共に溺れる仲間です。
でも、今日はこの沼地で溺れながら、ちょっとその深さを覗いてみましょう。
承認欲求、発動の瞬間に潜むドラマ
例1:「SNS投稿、これでいいのか問題」
夜な夜な完成させた写真付き投稿。文面を見直しては、違う表現に書き直す。
「いや、これだとつまらない?」
「もっとキャッチーな一言がいい?」
──そして投稿してみる。が、いいねが全然つかない。
「やばい、失敗したかも…消した方がいい?」
結果、スマホ片手に30分間反応チェック地獄。
例2:「日常のちょっとした自己表現」
新しい服を着て出かける日。「どう?似合ってる?」のサインを込めた仕草。誰かが気づいてくれるのを待つけど、スルーされて心がチクリ。
「あれ?地味だったかな…?」
で、次の日からは無難な服しか着られなくなる始末。
承認欲求の階層構造~その奥行きを探る~
レベル1:ライトな承認欲求
「今日の髪型、どう思う?」
•特徴:気軽な反応を期待しているだけ。
•例:友達の「その服かわいい!」で満たされる小さな喜び。
レベル2:努力系承認欲求
「こんなに頑張ったんだ、見てほしい。」
•特徴:努力や結果を認めてほしい。
•例:「資格合格したんだ!」の投稿に誰も反応がないと落ち込む。
レベル3:存在証明的承認欲求
「自分に価値ってあるの?」
•特徴:深く根付いた不安を解消したい。
•例:「自分って誰かに必要とされてる?」と感じて悩む夜。
承認欲求の裏側にある本音
ここでちょっと視点を変えます。
そもそも「誰かに認められたい」って、どこから来るんでしょう?
表層:「わかりやすい反応が欲しい」
•SNSのいいねやフォローで分かるもの。
中層:「自分の存在意義を確認したい」
•頑張りや努力が報われてると実感したい気持ち。
深層:「大切な存在として見られたい」
•心のどこかで「この世にいていいんだ」と安心したい切実さ。
最深部まで掘り下げると、「認められたい」感情は、実は「つながりたい」「愛されたい」という人間らしい願いに行き着くのです。
承認欲求とうまく付き合うヒント
よくあるアドバイス、逆効果説
•「承認欲求なんて捨てろ!」
→無理に決まってる。
•「自分のためだけに生きればいい!」
→でも孤独感がしんどい。
•「SNS断ちは健康的!」
→いや、繋がりたいし。
そんなの理想論です。だから僕が提案するのは、ちょっと違う方向性。
提案1:承認欲求を「悪者」にしない
•欲求を抱く自分を否定しないこと。
•「認められたいって思うの、普通じゃない?」と自分に言ってあげること。
•「誰かに認められたい=ダメなこと」ではなく、それも自分の一部と考える。
提案2:欲求を「程よく使う」
承認欲求はエネルギーにもなります。たとえば:
•「いいねが増えたらモチベーションアップ!」
•「誰かに見られてると思うから頑張れる!」
これ、別に悪くないですよね。だって、何かを成し遂げたり挑戦するきっかけになるなら、むしろポジティブじゃないですか。
提案3:「ちょっと休む」を意識する
疲れたら、休む。それだけ。
スマホを閉じて、コーヒーでも飲みながらぼーっとする時間を作るとか。自分と向き合う「承認されない時間」を楽しんでみる。
これが案外、効くんです。なぜなら、離れることで「あれ?意外と気にしなくても大丈夫かも?」と気づくから。
承認欲求の「光と影」
この欲求って厄介者のように思われがちですが、実は次のような「光」も持っています。
1.成長を後押しする
「誰かに褒められたい」があるから、仕事を頑張れたり、新しいスキルに挑戦したり。
2.人とのつながりを作る
「あなた、素敵だね」と言われると、距離が縮まるのは当然。承認欲求はコミュニケーションの潤滑油でもあります。
3.自分を知るきっかけになる
「どうして認められたいのか」を考えることで、自分の大切にしている価値観が見えてくる。
「誰かに認められたい」は弱さじゃない
「誰かに認められたい」と思うとき、私たちはつい自分を弱く感じてしまいます。
でも、それは弱さではなく、「つながりたい」「愛されたい」という自然な感情の現れなんです。
逆に、これがなければ、孤独を感じたり、目標を見失ったりしてしまうかもしれません。
今日の締め:自分の欲求を優しく受け入れる
今夜、SNSを更新しようか迷っているあなたへ。
その気持ち、よく分かります。「これでいいのかな」「誰かが気づいてくれるかな」と悩むその姿こそ、あなたが人間らしい証。
ただ、その投稿をしても、しなくても、認められるかどうかは実は変わりません。なぜなら、一番あなたを見ているのはあなた自身だから。
なので、時にはスマホを置いて、鏡の中の自分にこう言ってみてください。
「今日もよく頑張ったね。」
誰も褒めてくれなくても、その一言が案外、心を軽くしてくれるかもしれません。
そして明日、また誰かに「これどう思う?」と聞きたくなったら、全然それでOK。
だって僕たちは皆、「認められたい」気持ちと共に生きてるんだから。