心の不調を脳から整える~ニューロフィードバック療法について~
心の風邪とも呼ばれる「うつ」。
もう克服(寛解)したと思っていても、ふとした瞬間に顔を出し、
ある意味、「気質」「性質」のようなものとして、一生上手く付き合っていかなければいけないものだと感じています。
ここでは、心の不調に脳からアプローチする治療を受け、
自分の性質を理解し、整えていくことが以前よりも上手くなった私が、
自身の体験をもとに、「ニューロフィードバック療法」についてお話させて頂きます。
あくまでも、専門的な知識を一切持たない、
「ニューロフィードバック療法」受けた患者の一人として書く、素人の駄文のため、誤った記述などがある可能性について、最初にお詫びしておきます。
心の不調に対して一般的に行われる治療
日本では100人のうち約6人が生涯のうちに「うつ病」を経験しているという調査結果があります。(2013~2015年度までに厚生労働省が行なった調査)
メンタルに不調を感じた場合、一般的には「精神科」や「心療内科」を受診し、投薬やカウンセリングによる治療が行われます。
私自身も、長年不調に悩まされ、
投薬やカウンセリングの治療を受けてきたものの、
劇的に良くなることはなく、逆にそれらによる悪影響も感じてきました。
結局のところ、向精神薬の服用で楽になることがあるとしたら、
以下のような事でした。
これらの治療が必要な時期もあったため、
投薬治療も有効だとは思います。
ただし、弊害もありました。
向精神薬には依存性もあるため、投薬期間が長引けば長引くほど、
なかなか薬をやめられなくなり、
その人が本来持っている感覚を、良くも悪くも鈍らせてしまうこととなるのです。
私が断薬して感じたこと
私自身、向精神薬を常用していた時期と、
そうではない時期の特徴を比較してみると、
格段に違いが出るのが、クリエイティビティです。
楽曲を量産し、ライブハウスで活動をしていた頃は、
とにかく感覚が鋭く、それによる苦しみも同時に感じていたものの、
それを鈍らせる選択はしませんでした。
ただし、私のアーティスティックな一面は、
周囲に強い光を放つと同時に、私自身の心に深い影を作り、
不安や不眠を引き起こし、不安定な日々を送る要因となりました。
あまりの苦しさに、向精神薬を常用するようになり、
アーティスティックな一面を封印する事で、
光を放つ事も、影を作る事もなくなり、穏やかな日々を過ごす事が出来ました。
ただし、元々の「気質」「性質」が変えられるはずもなく、
「表現する喜び」を失い、穏やかで退屈な日々を送ることとなりました。
もちろん、服薬により楽になった部分もありました。
ただし、ずっと薬を飲み続けている事が幸せだったとは思えません。
向精神薬の服用により感じていたことは、以下のようなことです。
私の場合は、とっくに時が熟していたのかも知れないものの、
一歩踏み出す勇気を得るのに、時間が掛かりました。
それでもその時は訪れたのです。
自宅の断捨離を行い、綺麗に整理整頓し、
ゴミ屋敷からの脱却を達成すると共に、
私の心を蝕む大きな要因である親との距離を大きく開け、
とても自然な流れで、完全断薬に成功しました。
断薬後、私自身が感じたこととしては、
これまで閉じていた脳の回路が開き、鈍っていた感覚が研ぎ澄まされ、
「本気で何かを行おう」とした時に、
脳がフル稼働で働き、綺麗に整理された過去の引き出しを的確に開け、
そこから新たなものを創作するクリエイティブな能力が開花していくような感覚でした。
とても懐かしい感覚でした。
楽曲の創作ではなく、文章を書くという表現方法において、
副業でWebライターの仕事を行い、創作し、表現する喜びを存分に味わいました。
「これまで使えていなかった脳の領域」を存分に使えている感覚が楽しく、
全力疾走を続けた結果、当然と言えば当然の結果ですが、
少しだけ疲れが生じた時期もありました。
それでも、その自覚があった為、上手くセーブし、
全力疾走の短距離走ではなく、ほど良い速度の長距離走を念頭に置き、
穏やかな日々を過ごしつつも、クリエイティビティとの心地よい共存の日々を送る事が出来ています。
外側から整えることを意識する日々
私が回復に向かう事が出来たのは、
自分自身のために、整体やレイキヒーリング、心理学など、
心身を癒す技術や知識を学び、
「自分で自分を癒す」ことに取り組んできたからです。
信頼できる鍼灸師の先生と出会い、
定期的に身体の治療を受けると同時に、
対話を通じて、多くの気付きや学びを得ることが出来ました。
自分を変えていく為には、自らの特性を知り、気付く事こそが第一歩だと思うのです。
いつも私が不調を感じる時は、肝臓の経絡に強く反応が出ていて、
「怒っている」ことが不調の原因であると自覚する事が出来ました。
これは、私が長年通っていた精神科では分からなかった事でした。
身体からのアプローチにより、私は自分の「気質」「性質」を理解することが出来ました。
また、自律神経のバランスを整えるのに有効な鍼灸治療を長年受け続ける事で、「心身ともに整った状態」を自覚し、
その状態に近づき、維持するための手段を、自ら模索するようになりました。
これこそが、自分の持つ本来の自然治癒力を引き出し、
快方に向かうように導く、東洋医学の神秘だと、しみじみ実感しています。
そして何より、いついかなる時も、真心込めて寄り添い、
身体はもちろん、心も良い方向に向えるよう、
今現在も、私を導き、癒し、必要な知識を与え続けて下さる鍼灸治療院の院長先生のお陰様だと感じています。
頂く真心には、真心で返していきたいと考えているものの、
一生かかっても返しきれる自信がありません。
ニューロフィードバック療法との出会い
私の信頼する鍼灸治療院の院長先生が、
まるで何かに取り付かれたかのように、脳波についての研究を始められたのは、3年ほど前のことです。
鍼灸治療に行く度に、脳に関するお話しや、
治療効果や実績について伺うようになり、私自身も大変興味を持ちました。
私が初めて脳波測定をして頂いたのは、2019年5月15日の事でした。
当時はまだ、脳波測定やニューロフィードバック療法が、
治療院の施術メニューとして確立される前の事でした。
出来るだけ大勢の人の脳波測定を行い、データ分析を行う事で、研究材料にしたいとの事でしたので、
私自身も大変興味があり、脳波測定をお願いしました。
測定結果はこのような結果だったと記憶しています。
当時は「脳波」や「ニューロフィードバック」に興味を持ったものの、
全くもって理解が追い付かず、
脳波の波形を見せて頂いても、ただただ不思議な感覚に包み込まれ、
あまりの難易度の高さに、「学び、理解しよう」という意欲さえ、
無くしてしまう程の事でした。
そんな私が、完全断薬に成功した後も、
なんとなく感じ続けている「生き辛さ」を、なんとか克服したいと考えたのは、2021年8月のことでした。
既に充分過ぎる程の信頼関係が出来ている先生の元で、
私は、「本気で変わりたい」という強い決意のもと、
「ニューロフィードバック療法」を定期的に受けることとなったのです。
ニューロフィードバック療法とは
さて、ニューロフィードバック療法と聞いて、
真っ先に思い浮かぶのは、「怪しい」だと思います。
脳に電極を繋ぎ、トレーニングを行う治療法から、「電気ショック」のようなものをイメージする方も多いことでしょう。
私は、自分自身が受けてきた治療を通じて、
ニューロフィードバック療法の素晴らしさを知り、必要な人に必要な情報が行き渡る事を願い、この記事を書いています。
SMRトレーニング
まず、SMRトレーニングとは何か?を説明するにあたり、
SMR波とは何か?について、簡単にお話させて頂きます。
SMR波=センソリーモーターリズム
直訳すると、感覚 運動 リズムという意味です。
リラックスしている時に出る脳波として有名な、アルファ波などは、
脳の様々なところから出ているのですが、
SMR波だけは特殊であり、脳の真ん中にある視床と感覚運動野(頭頂部)の何らかの連絡が行われる際に、特徴的に現れる脳波なのだそうです。
もう少し詳しくご説明したいところではあるのですが、
私自身も、大変難しいと感じたことを、
皆様に分かりやすく伝えることが困難なため、
素人らしく、大分簡単に書きます。
脳波には、シータ・ベータ・アルファなどの周波数帯が存在していて、
脳波の波形として、「この部分ではこのような形が理想的である」という形があり、それに近づけるようにトレーニングを行います。
つまりは、リラックスし過ぎている部分があったり、
活動し過ぎている部分があったりするのですが、
それらを見極め、バランスを取っていきます。
また、脳内に多く入ってくるの情報の中で必要な情報を際立たせ、
不必要な情報(痛みなど)を伝えないようにするための、
情報伝達ゲートのようなものの開閉が、スムーズに行われるよう、
コントロールを行っていきます。
また、右脳と左脳のバランスが上手く取れるよう、調整していきます。
ちなみに私の場合は、エモーショナルが高く、ロジカルが低いので、
右側の脳の働きを抑えることで、左側が上手く働くように調整して頂いています。
受ける側は何をするのか?
結論から言うと、治療を受ける側は、
ただじっと座っているだけで、何もする必要はありません。
このような画面を、無心で見続けるだけです。
パックマンのようなものが動く様子を、出来るだけ何も考えずに眺めているだけで、自動的に脳に必要なトレーニングが計測され、SMRトレーニングが行われます。
アルファシータトレーニング
私はSMRトレーニングと共に、アルファシータトレーニングも受けました。
こちらは、様々な脳波のタイミングを揃え、波長を整えることで、
創造力に刺激を与えるためのトレーニングです。
眺めている画面はこのような感じで、
波の音や砂の音などを聴きつつ、SMRトレーニングと同様に、
ただ無心で見続けるだけです。
同時に、アルファシータトレーニングにより、過去のトラウマが浮かび上がってくる可能性があるとのお話を伺いましたが、
幸いなことに、一通りの事を乗り越えてきた自覚のある私は、そのような事は起こりませんでした。
トレーニングの前後に測定する脳波
トレーニングを受ける前と、トレーニングを受けた後で、
目を開けた状態と、目を閉じた状態の二種類の脳波測定を行います。
これにより、ニューロフィードバック療法の治療効果を、
目で確認する事が出来ます。
また、過去のデータと見比べて、変化していく様子を確認する事も出来ます。
これは私の脳波測定結果です。最新のものですが、この時は少々脳が働き過ぎていて、リラックス出来ていない状況です。(笑)
ニューロフィードバック療法を受けて感じたこと
まず最初にお伝えすべき事は、
「受ける前と後で劇的な変化を感じる事はない。」ということです。
ただし、一ヵ月に一度のペースで継続して治療を受け続けた者として、
確実な変化を実感しています。
ニューロフィードバック療法の情報をインターネットで検索すると、
怪しげな記事ばかりが出てきます。
実際に体験した者であり、尚且つ、文章がそこそこ書ける人の記事が殆どない事を残念に思っています。
私は自身の体験談しか書けませんが、
一人のWebライターとして、必要な人に必要な情報を届けたい一心で、
ありのままを記述させて頂いています。
自らを知るキッカケを得る
自分の持つ本来の自然治癒力を引き出し、快方に向かうように導くのが、東洋医学の神秘です。
その為には、まず自らの特性を知り、気付く事こそが第一歩です。
ニューロフィードバック療法は、東洋医学に通じるものがあると、私は思います。
例えば私の場合、長年「生き辛さ」を抱えて生きてきたものの、
それが何故なのか分からず、
鍼灸治療を通じて、自分の特性が理解出来てきたことで、
少しずつ快方に向かうことが出来ました。
そして脳波の面からも、自分の意外な一面を知る事となり、
「生き辛さの原因」が分かったことで、自覚を持ち、対策を考えて行動することが出来るようになったのです。
目を閉じている時に表れる特殊な波形
脳波測定を受けた結果、私の脳波の中で特徴的なものがあると判明しました。
この動画の、0:23~0:34の間に大きく波形が変化しています。
赤い山のような波形が数秒間無くなっていることが、
目を閉じている状態にもかかわらず、目を開けている時のような状態になっている事を示しています。
何故この現象が起こるのか、ハッキリとした原因は分かっていません。
ただし、考えられる可能性がいくつか浮上しました。
これらは全くもって、これまで自覚してこなかった事でした。
でも、自分の中で腑に落ちる事でもありました。
詳しくは、以下の記事「忘れる機能が壊れた人」で書きました。
これこそが、自分の生き辛さの正体であったと、
気付くキッカケとなりました。
時々、心の奥底に封じ込めている記憶の蓋が開いてしまい、
脳内に溢れ出てくる映像記憶の情報が大量過ぎて、
極度の脳疲労の状態=うつ状態
に陥ってしまうのだという事が、理解出来ました。
発達し過ぎた例もまた、発達障害と呼ぶのだということを、
初めて知る事となったのです。
ニューロフィードバック療法を受けなければ、
この事について、一生気付く事はなかったでしょう。
頭がスッキリする感覚を得る
メンタルの不調を感じた時、これまで主に行ってきた治療としては、
向精神薬の服用でした。
感覚を麻痺させる事で、考える力も麻痺し、
問題解決が長引いてきたように感じています。
ニューロフィードバック療法を受け、
脳内がスッキリとクリアな状態になる感覚は、
治療を受け始めて、数ヵ月後にハッキリと自覚出来るようになりました。
自宅の断捨離を行い、心が整っていった時の感覚と似ていて、
必要なものと、そうでないのものを見極め、
不必要なものが一掃されるような感覚です。
自分で自分を整える能力が向上する
ニューロフィードバック療法が、投薬治療と大きく異なることとして、
私が感じていることは、以下のような事です。
まさに、ニューロフィードバック療法は、
東洋医学と同様に、自分で自分を整えようとする働きを向上させてくれるものだと実感しています。
西洋医学は、基本的に医師に委ねるものであり、
患者は受身であることが多い事に対して、
東洋医学は、施術者が患者の自然治癒力を引き出し、
患者は施術者と二人三脚のように、快方に向かうべく自分でも努力するものだと感じています。
ニューロフィードバック療法は、東洋医学と非常に似た一面を持つものだと思うのです。
おわりに
素人の私が書いた文章で、どこまで伝えることが出来たかは疑問です。
でも、ニューロフィードバック療法が怪しくないということが、
せめて伝わっていたら嬉しく思います。
ニューロフィードバック療法は、恐らく「治療を受けたい」と思って行動に移した時点で、ほぼ快方に向かっているのだと思うのです。
自らの問題を自覚し、それを何とかしたいという強い意思こそが、
治療者と心を一つにして快方に向かう第一歩だと考えます。
確かに受ける方は、ただじっと座っているだけで、
トレーニング中、何もする必要はありません。
でも、自分の身体や脳を作っているのは日常生活であり、
食生活や睡眠を整え、適度に身体を動かし、適度に頭を働かせ、
そして、適度に休養することが何より大切なのです。
整体や鍼灸治療においても、同様の事が言えるのですが、
せっかく良い治療を受け、直後は整った状態であっても、
日常生活における姿勢や、歩き方の癖などに気を配らなければ、
すぐに悪い状態に戻ってしまうのです。
自分の身体や脳を整えるのは、
最終的には自分自身なのだと思います。
そのキッカケを作り、整った状態を知る事。
また、自ら整えていく力を得る事こそが、
ニューロフィードバック療法だと、私は思うのです。
発達障害や精神障害、メンタルの不調に悩み、
何をどうしたら良いのか、先の見えない不安に悩まされている方々は、
大勢いらっしゃることでしょう。
ニューロフィードバック療法は、その怪しさゆえに、
躊躇してしまう方々が多いというのも納得できます。
でも、実際に治療を受けてきた者として、
「大丈夫ですよ!」と声を大にして言いたいです。
ただし、大変残念なことに、
お金儲けを目的として、いい加減な治療を行う方々が多いことや、
不確かで怪しげな情報を多数見聞きし、私自身も大変心を痛めています。
どうか慎重に情報を見極め、責任を持って寄り添ってくれる治療家と巡り会えますようにと願ってやみません。
私の信頼する先生は、鍼灸治療院の院長先生でありつつ、
脳波の研究に惜しみなくエネルギーを注がれ、
ニューロフィードバック療法の先駆者であると確信しています。
どうか必要な人に必要な情報が行き渡りますようにと、心から願っています。
私がこの記事を書くにあたり、
脳波について、ニューロフィードバック療法について、
素人にも分かりやすく講義をして下さった、
「からだ工房 とりさわ鍼灸治療院」の鳥澤 伸(とりさわ しん)先生に、心からの感謝を捧げます。
整体師時代の私の師匠でもあり、私が絶大な信頼を寄せる素晴らしい先生です。
いつもいつも本当にありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
もし、ニューロフィードバック療法に少しでもご興味を持たれた方は、
是非、からだ工房の鳥澤先生に相談してみて下さい。
もちろん、私に分かる事でしたらご説明する事も可能ですので、
TwitterのDMを通じて、私にご連絡を頂いても結構です。
私自身、今後もニューロフィードバック療法を通じて、
更に幸せな人生を歩んでいけるよう、努力していきたいと思います。
あなたも是非、一緒に頑張ってみませんか?(*^^*)
Special thanks for…Shin Torisawa & Yoshie Torisawa. With heartfelt love♪