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厄介な魔法の先に


「ひとつひとつ扉を開いて
天国に近づいていくのです」


そんなことを
亡き母は伝えてくれていたと
記憶する


自然に湧く感情
自然に湧く願いや欲求



そういう自然な自分に
感じてはいけない
夢をみてはいけない


自分の生きてきた世界はこうだから
社会は、世間はこうだから
こう考える人が多いから


自分の見てきた世界は
こうだから。


いつの間にか
無意識に塗り固めてきた
偽りの世界に
自分がどっぷり浸かっていて




そのことにひとつひとつ
気づかされていく今。



愛ではなかったものが
愛に変わっていく


いや正確には…


愛なんて微塵もあるとも
思わなかったところに
愛があったのだと知り
無機質な鎖が愛に変わる


夢も希望も愛も自由も
そのすべての可能性も
抱いては打ち砕かれていく
自ら築きあげたハリボテの
貧しく哀しい臆病な城


さもそれが
真実の世界のように信じこんでしまう
なにもかもが本物のような
よく出来たハリボテの世界


自分にかけた厄介な魔法を
解くたび、



ハリボテの城の壁は砕かれて




隙間から垣間見えてくる
心地いい愛と自由の世界に
感嘆する。


温かい空気が流れて
呼吸ができるようになる


私は今までそれほどに
息苦しい世界に生きていたのかと…
気づく。


自分にかけた偽りの魔法を
見破ることだ


冷たく凍てつかせ
魂の躍動と自由を奪ってしまう
おそろしい魔法


その魔法が
その言い分が
どれほどオカシなものか
気づくことだ



どこまでも無条件に
自由な自分としてあり続けられる
それが本来の私たちの正体だ


つまり
私たちの正体は「愛」


ひとつひとつ魔法を解いて
ひとつひとつ扉を開いて
本物の愛(自分)に触れていく



そして知るようになる




初めからなかったわけでも
途中でなくなったわけでもなく




最初から
私はその中にいたということを

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