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いくつものノートを
掛け持ちで
あれやこれや書き続ける日々

学校でも
交換日記を巡って
いろんな問題が出てきた

あの子が
文句を書いてる、とか

仲間に入れてもらえない、とか

小6女子に
ありがちな
面倒くさいやりとりを
一通り経験し

そうこうしているうちに

ある日
うちへ遊びに来ていた友人に
「自分帳」を奪われ
読まれてしまう、、、


終わった


真っ白になる


その子のことも書いてたはず


どうしよう


恐怖に駆られながら
顔をあげた


その反応は
何処か冷静だった

別世界の物語を
読んでいる感覚だったのか?

それ以降
鍵付きの自分帳に変更するも
うちへ来る度に
言い負かされて
読まれてしまうことに

そもそも
その友人との関係性が
問題だったのだ
それについても
また改めて

もはや
見られても良い「自分帳」まで
用意しなければならなくなる


あんな自分
こんな自分
シチュエーションで
コロコロ変えなければいけない

私ってどれ?

本当の私は?

自分でも
受け止められなくなって
もがき苦しむようになる


AB型だから?

天秤座だから?

こんな家庭だから?

私が特別おかしいのか?


逃げ場が無くなって
いつしか
思い浮かぶ言葉は


「死」だった


祖父母が離婚した後
一人暮らしをしていた祖父

小2の
ある休日の朝
鳴り続ける電話の音で
目を覚ます

祖母が電話に出ると
祖父が遺体で発見されたという
警察からの知らせだった

青ざめる祖母の横顔

私にとっては
身近な人が死ぬという
初めての体験

離婚して間もなかったし
なんとなく
祖母のせいなんじゃないか?
祖母が警察に連れて行かれるんじゃないか?

そんなサスペンスドラマの
ワンシーンを重ねて
ただ
怖かったのを覚えている

死因は「自殺」だった

当時は
その理由とか
祖父の思いとか
まだ
想像できなかったけど

物がほとんどない
アパートの部屋が
寂しさを物語っていた


それ以来
「自殺」という言葉は
私の中で浮遊していて
手を伸ばせば
いつでも届くところにあった


いざとなったら
死ねば良いんだ



反抗期と
友人関係のもつれ

もはや
自分帳にも収まりきれない
絡まった感情


眠れない夜
天井に思い描くのは
死に方と
死に場所

人知れず
ひっそりと、、、

というよりは

見つけてもらえる所がいいな

体育倉庫は
どうかな?

私が死んだら
あの子
どう思うかな?

苦しむかな?

そんなこと考えてる
小学6年生

当時は
珍しかったんじゃなかろうか


そうは
言いつつも
43歳になった今でも
生きてるわけで

「死」への執着から
いつどこで
どう切り替わったのか?

その頃
学校で
友人関係についての
アンケートが
あったこと以外は

記憶は完全に
ワープしている


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