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自分帳

ある頃まで
いわゆる
実物の
三次元の
「ノート」が相棒で
私のすべてを受け止めてくれていた

人よりちょっと早く
成長期がやってきた
小学校高学年

興味・感心が
人とは違う気がして
友達と呼べる人は居たものの
本心を語り合えるほどでは無かった

小1の頃
両親が離婚

まもなく
祖父母も離婚

普段は私と
仕事で忙しい母
大正生まれの祖母
3世代
女3人の日々

週末
隣町の施設から
車椅子の弟が帰ってくる
というか
母か祖母が
土曜日に迎えに行って
日曜日の夜に送る

何しろ
当時では
あまり「普通」に属さない
家族の形態だと思っていたし
実際
そう見られることも多かった

反抗期も相まって
家族とも
話が通じない
伝えられない

コミュニケーションを取るのが
面倒くさくて
家に帰っても
ご飯・トイレ・お風呂以外は
自分の部屋にとじ込もっていた


毎日の宿題として
担任の先生に提出する「日記」がある

その日の出来事や思ったことを
書くわけだけど
そこには
先生や他の誰かに見られても良い
おりこうさんタイプの内容を書く

同時期
友人たちとの間で
交換日記も流行っていて
いくつかのグループに
股がって所属していた時などは
それぞれのグループ毎に
求められるテイストで書いていく

器用だったのね

そして
ようやく
本心を書ける自分専用ノート
以下「自分帳」と呼ぶことにする

いいことも
わるいことも
自分帳に
思いつくままに
鬱憤を吐き出す

そうすることで
いろんな情報を
整理できたり
もやもやした感情は
そこに置いて

また明日
朝が来て
いつものように
学校へ行けるのだ

いつしか自分帳は
私にとって
無くてはならない存在になっていた



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