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⑪YUKARI ジャズ・フルーティスト No.9 演奏家はアスリートと同じ?

・演奏家はアスリートと同じ?

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自分が理想とするミュージシャンになるために、できることは全て自分に課した。


「演奏家はアスリートと同じなんです(笑)。
ツアーをこなしていくためにはとにかく体力がいります。
毎日泳ぐか走るかして、筋トレもしていました。

肺活量は自然とついてくるのですが、
むしろ腹筋とフルートを持ち続ける為の上腕筋を鍛えることを常に意識していました」  

五感を磨くことにも貪欲だった。

時折、美術館に足を運んでは、インスピレーションを得られるものを探した。

特に記憶に残っているのは、メトロポリタン美術館で開催されていた、
彫刻家リチャード・セラの絵画とスケッチコレクション。

リチャード・セラ - Wikipedia

「彼の彫刻作品のファンだったので行ってみたのですが、
白いキャンバスに黒いクレヨンのような素材で描かれた何本かの線だけで
重力を感じる4次元空間を作り出すミニマルな世界に驚きました。

一音一音に意味を持つことの大切さ、どうしたら空間を自由に音で表現できるか、
と考えさせられました」


無駄な音を減らして、もっと責任のある、意味のある音を増やすこと・・・階段を一段登れば、そこにまた新たな課題が見つかった。

「音楽家としての使命感というものは、その時は特に意識していなかったのですが、
自分がこれだけエネルギーを注げて、伝えたい音があって、
自分が幸せを感じて、目の前の観客が沸き立ち、
一体となって高揚してくれている。
正に自分がやるべきことだと思っていました」
    

在学中の2003年に、
意気投合したブラジル人ミュージシャン達とアメリカのレーベルから
初のCD「スペクタクラー」を出すチャンスを得た。

すでに2002年くらいから、
Yukari’s SPICEPOT というバンド・プロジェクトを立ち上げていた。

その名の通り、スパイスの瓶を収めるポットのように、
Yukariさんがその時に作りたい音楽に応じて、
ベース、ギター、ドラムス等、楽器とメンバーが変わる。

「スペクタクラー」はスパイスポットのメンバーと
ブラジルテイストのスパイスで調理していったら、どんな料理ができあがるのか・・・

そんなコンセプトで作られた作品だった。


音楽活動は波に乗り、徐々に加速していき、
バークリー音楽院より、”Outstanding Musicianship” を受賞する他、
2008年 Japanese American Citizen Leagueより奨学金受賞。
2007年は一旦、休学して演奏活動に専念。
ブルーノート、 Dizzie’s club、カーネギーホール等の名だたるクラブで演奏する機会を得、
スティーブ・カルディナス(ギター)、マーク・コップランド(ピアノ)、クラレン・スペン(ドラム)、ジェイソン・リンダー(ピアノ)等と共演する。

2009年マンハッタン音楽院ジャズフルート科を卒業。

卒業と前後して、
2009年アメリカのフルート協会(National Flute Association)が主催する
世界で唯一のジャズフルートコンペティションにて
数千人というフルーティストが集まる大会で演奏し、
日本人では初めてファイナリストに選出された。

みずから率いるSPICEPOTはニューヨークを中心に公演活動し、
トライベッカフィルムフェスティバルに出演する他、
日本、オランダにてツアーの成功を収める。

作曲家としても、シンフォニーオーケストラ、室内楽の作曲の他、
ジェンベン・ヤコフの監督 のThere is No place like No placeにて演劇音楽を担当し、
アムステルダムのスタールアウダーライ・シアターにおいて上演された。

2009年9月、ヨガ瞑想音楽のCD「ルミナス」、
2010年、2作目は、アメリカのレーベル Inner Circle Musicから、
初のジャズCD 「DREAMS」をリリース。

ベン・モンダー、トーマス・モルガン、グレッグ・ハッチンソンとNYで録音し、
プロモーション・ツアーで渡欧。並行して日本や韓国にもツアーで訪れた。

www.youtube.com/watch

アルバムタイトル「DREAMS」というネーミングは、
Yukariさん自身がNYでかなえた「夢」であり、

「聴く人達の夢もかないますように」というメッセージが込められていた。

Yukariさんの活躍は、
アメリカのジャズタイムズ、
イギリスのジャズワイズ誌等で紹介される他、
テレビ朝日、ANNスーパーJチャンネルで
NY注目の日本人女性ミュージシャン」と番組で紹介された。

youtube.com/watch

パール・フルートからスポンサー契約のオファーがあり、今もその契約は続いている。

(次回に続く)

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