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次期リーダー候補

異動してきた人

半ば無理やりマルチ化された部署に隣の部署から異動してきたオペレーターがいた。
見た目は若く見える50〜60代くらいで、メイクは一昔前(もっと前か?)に流行った囲みメイク、髪の毛は茶色のロング、よく見たら猿の惑星みたいな顔のおばさんだった。

その人は隣の部署で一緒に働くおばさんリーダーと揉めたらしく、うちの部署に異動してきたらしい。
そしてその人は必ず長谷兄と同じ遅番、同じ日に出社してきた。

マン汁さんとシナモンさんによると、長谷兄はそのギャルおばさんをリーダーにしたいらしかった。
周りのリーダーからは「隣の部署のおばさんリーダーとやりあうくらいだから、相当厄介な人だろうね」と言われていた。

リーダーになったつもりのギャルおばさん

ギャルおばさんは長谷兄と一緒に出社してきてはリーダー席に座り、他の所で電話が鳴っても走って取りに行くのは私と阿佐ヶ谷姉妹と不倫常習おじさんだけだった(リーダーよりオペレーターが優先的に入電を取らないといけない)。

いつも長谷兄と、会社から禁止されているネットサーフィンをしてはあふれた電話しか取らない日々を過ごしていた。

またも人と揉めるギャルおばさん

うちの会社ではリーダーもオペレーターも客先の端末を操作する業務があった。
そこでチンポが担当している客先の端末操作をギャルおばさんも担当することになった。
チンポがおばさんに研修をすることになり、スクリプトを読む練習から始めると、チンポがおばさんに「そんな小さい声じゃ聞こえない」と叱責したらしい。
すると途端に研修が中断されることになった。
ギャルおばさんが長谷兄に「あの人に研修されるのは嫌だ」と訴えたためだった。
それからギャルおばさんはチンポと一緒の出勤日になると「体調が悪い」などと言って欠勤したり、早退するようになった。

空いたリーダー枠

そうこうしているうちに部署が合併したことにより、端末操作をする客先の数が増えることになった。今までは1人3社分を担当してきたのにそれが5社分になることになった。
そこで異を唱えたのはシナモンさんだった。「今でさえ1人3社分も担当していて、ルールもそれぞれ違い、いっぱいいっぱいなのに5社分なんて出来るわけがない。」と反対した。
それでも会社はマルチスキル化を推し進めようとした。
するとシナモンさんはこの会社を辞めて遠距離の彼氏と同棲することにしたらしく、退職することになった。
そして同じくこの時期、別の派遣会社所属で自分だけ時給が著しく低いことに不満を募らせていた私も退職の意思を伝えていた。
これで順当に行けばシナモンさんが辞め、空いたリーダー枠にギャルおばさんが入り、私が辞めて空いたオペレーター枠はまた募集をして埋める手はずだった。
その次の月のシフトにシナモンさんと私の名前が載ることはなかった。

ギャルおばさん、ついにリーダーになる・・・?

しかし、夜勤を統括する日勤のSVは私を引き止めた。
その面談は3回にも及んだ。
そしてついに「あなたをうちの会社に転籍することにしてもダメですか?」と言われて私は残ることになった。
その前日、日勤SVがギャルおばさんに「リーダーになってもらえませんか?」と打診する場面に出くわした。するとギャルおばさんは二つ返事で「いいんですか?私でよければ是非!」と快諾していた。

残ることになった私は増えた客先の端末操作の研修を光の速さでこなした。
冷静にぶった切ると言われている日勤のリーダーからも「すごい」と絶賛されるくらいだった。
その研修を終えた後、日勤のSVから「来週面談をさせてほしい」と言われた。
転籍したのでその手続きだろうと思っていた。
すると翌週、面談が始まった途端「嫌なお願いかもしれないけどリーダーになってほしい」と打診があった。
「え?ギャルおばさんにリーダーの打診してたやん…」と思っていたが「返事は今すぐじゃなくていいから!2、3日考えて!」と言われて早々に面談は終わった。

正直、この流れはうっすら勘付いていた。
ギャルおばさんにリーダーの打診があってから具体的にいつからとかそれ以降の話を全く耳にしなかったから。
なので私は転籍までさせてくれて時給が300円も上がったので快諾するつもりだった。

消えていったギャルおばさん

それから私がリーダーになることが決定し、既存のリーダーに周知された。
「なぜまきぐそさんが?」
「辞めるんじゃなかったの?」
「あんなに当日欠勤してたのに?」
(確かに辞める直前、全くやる気をなくしてて当日欠勤しまくってた)
などと散々言われていたらしいが、会社の決定は変えられない。
翌年の1月からリーダーを務めることになった。

するとギャルおばさんは次第に「体調が悪い」と出社しなくなった。
何日も何ヶ月も休んでおり、会社側から「これ以上は所属させることはできない」とのことで契約を切られた。

長谷兄の私に対する当たりが強くなったのは言うまでもない(今は仲良しです)。