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9/100 佐久間裕美子著「ピンヒールははかない」/迷っているひまはないということ

24歳で結婚し36歳で離婚。その時に覚悟したのはひとりで生きていくことで、それまでもいつでも自由に生きられるようにと仕事は絶対に手放さなかったのだけど、経済的に自立していることと精神的に自立していることは全くの別物。
20代来の「ひとり」は想像以上に心細かった。それでも何とか自分を奮い立たせ、やってみたかったことを手当たり次第にやった。家を買い、転職をし、一人旅をし、オンラインサロンでモノカキとしてのチャンスを伺った。ヒリヒリしたけど「ひとり」はそれはそれでよいものだった。何もするにも自由だった。
ただそれから色々なことがあって、もうすぐ43歳になる手前の今、2歳の子持ちで法律婚をしたパートナーがいる。時々あの時の心細さと、ただ24時間自分のことだけを考えられていた自由さに思いを馳せることがある。

ちょうどいちばん自由を満喫していた時に知り合った方が、今度本を出されるというのを見かけた。よかったなあと思う気持ちの一方で、あの時の私のもうひとつの可能性を考えた。ちょうど小説を書きかけていて、だけど妊娠をキッカケに筆を置いて。産後続きを書こうと思ったけど、結局まだできずにいる。

今日は本当は別のことを書こうとして、いつか励まされたこの本を手に取った。ただ当時「ひとり」を勇気付けてくれた一言は、今の私にも力をくれた。

一生懸命生きれば生きるほど、人生は簡単ではない、と実感する。でもせっかくだったら、フルスロットルでめいっぱい生きたい。
40代に入って、つくづくそう実感することが増えた。時間は短い、やりたいことはいくらでもある、迷っている暇はないのだ。だから自分の足を減速させるピンヒールははかない。
佐久間裕美子著「ピンヒールははかない」

そう、やりたいことはいくらでもある。迷っている暇はないのだ。

この本を初めて手に取った時、まさに私は全力疾走していて。その時の自分とシンクロしたい、そんな心持ち。


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