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これでいいと思ったはずなのに【後編】
ECの仕事はひと段落
ECに関わる仕事を15年以上やってきて、終盤はコンサルタントやマーケディレクターのようなことをやっていました。
10年ほど前に比べるとSNSや動画なども一般的になり、
顧客分析やCRM、SEO対策など、WEBマーケについては
いくら勉強してもしきれないようなたくさんの分野があって
常に時代について行くことが求められるので、そういう意味では
まだまだ習得しなければいけないことがたくさんあったけど、
私の中ではなんとなく一段落したい気持ちがありました。
おそらく、私はECの「オンライン」という面よりは
売るものを生み出してアピールして在庫をお金に換える、というような面に興味があり、
ブランディングをする面白さだったり、在庫や販管費とのバランスを取りながら商売をしていく難しさなど
体験することができたので、面白い部分と大変な部分を両方知れて、
この業界ってこういう感じだなぁという輪郭もなんとなくわかったので
これ以上知識を追求、という気持ちにはなりませんでした。
それよりも、適材適所にECに関わる人材を採用してアサインすることや
転職エージェントに細かい要件を伝えてドンピシャの人を探してきてもらうような、
そういう採用や教育の面への関心が強くなっていました。
コンサルタントとしても、ずっとコンサル契約を続けてほしいというよりは、
インハウスで自走できるように緩やかに着地させるサポートはできないかな、
チームづくりを助ける仕事をしたいなーと思うようになりました。
検証したかった命題
会社で働きながら確かめたかったことが1つありました。
「会社、なかでも特に中小企業において、人事は必要か」
そんな想いもあり、社内で人事への異動をさせてもらいました。
採用をしなければいけない場面はおのずと発生すると思いますが、
評価制度、昇給・昇格システム、社員教育、エンプロイーサクセス的なことについて
どこまで会社は重要性を感じていくのか、業績を伸ばすこととの関連性がどのくらいあるか、
理想論ではなくて実態を見たいと思いましたし、
その分野で自分の出番があるかどうかもトライしようと思いました。
その答えとしては企業規模や会社の風土・方向性による、ということになると思いますが
逆に、採用だけは外せない重要なところだということを感じました。
自分が人事的なことを推進していくならば、採用をフックに
良い人を集めるにはどうしたらよいか?離職を減らすにはどうしたらよいか?
というところから、HR的な分野に繋げていくのがいいかなぁ
と考えるようになりました。
ネガティブ感情の浄化
これは詳しく書けばそれだけで1テーマになってしまう話なので
また機会があればにしますが、
今まで思い切り何かを頑張ろうとしても、なんとなーくモヤっとした「霞」がかかっている感覚がありました。
むしろ、思い切り頑張るのを避けているようなところさえあったような。
矛盾した話ですが、7割くらいの状態で過ごすことを自分に課しておきながら
「自分はこんなもんじゃないハズ」と奮起しようとするも一向にエンジンがかからない、
というような状態が20代からずっと続いていました。
20代も30代もフルパワーで頑張る時期はあったのですが
自分らしく、とか、思いのままに、とは違っていて
「いかに世の中に求められて、役に立つか」ということばかりに労力を注いでいた気がします。
若かったですし、対価をもらうにはある意味間違いではない考えだと思いますが、
「頑張る=苦しい」になっていた所もあったように思います。
偶然か必然かわかりませんが、コロナが流行り始める前の時期に
自分の性格が嫌でしょうがなかったり、いろんなことに対して不安や恐れが強いのも気になって、
このままではやりたいことをやって成果を出せるようにはならないと思い、
いろんなカウンセリングやセラピーを受けたりして、心理学もかじったりしました。
そのおかげもあってか対人関係もずいぶんラクになり
物の考え方も落ち着いてきました。
並行して、周囲の気持ちがザワザワしてる人を落ち着けることもできるようになりました。
なんとなくの直感
そうこうしているうちに、ある日なんとなく
「違和感」を感じるようになりました。
不安や不満とは、また違う感覚です。
「なんか違う」
それは、この40代半ばのタイミングで自分がなっておきたい状態に対しての
なんとなくのズレや未達成の感覚でした。
夕方に靴を履くとキツイような、
10年前の服を引っ張り出して着ると似合わないような、
サイズやデザインが合っていないような感覚が、漠然とこみあげてきて
その頻度も増えて、確信に変わっていきました。
おそらく、今が卒業のタイミングなのだろうと思いました。
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