再出発。
難病宣告されてから次にした事は、筋生検という筋肉の細胞を取る手術だった。医者から見ても私達から見ても筋肉の量が少なく、病気なのは明らかだったが、それが筋ジストロフィーなのかミオパチーなのか、、病名を決めるというもの。
辛いだろうな。痛いだろうな。アオ君頑張る!と自分で言っていたが手術室前に立っている医師の多さにびっくりして、嫌!嫌!と必死におぼつかない足でヨタヨタ逃げようとする。すぐ終わるから!勝手な事を言って無理やり連れていく。泣きそうになった。隣で嫁は涙を拭っていた。あかんやん。泣く時は嬉し泣きやって決めたのに溢れ出そうやった。
無事に手術は終わった。アオ君頑張ったやろ?早くおうち帰りたい。点滴の針がまだ身体に入った状態で言ってくるアオに『嫁』頑張ったね。すごいね。早く帰ろうね。私もアオの手を握り同じ事を言っていた。手術の傷跡は1年たった今でも残っている。
それから検査の結果まで3ヶ月ぐらい待たされた。手術で切り取った細胞を東京のある検査所に送り、順番待ちをして専門家の方が見て送り返してくるという。順番待ち?そんな悠長な。。難病や特殊な病気を持つ人にしか分からない事や現実が少しずつ見えてきた。私達は専門家ではない。待つしかないのか。。。
返ってきた結果は微妙だった。。切り取った細胞に傷があったため一部正確な評価が困難です。ですが壊死した繊維はやはりみられる。MRIで再度検査を検討して下さい。筋ジストロフィーの既知遺伝子変異がなんとかかんとか。つまりハッキリは分からないというものだった。筋ジストロフィーが濃厚ですよ、というもの。多少の医療ミスもあったのか分からないが、そこに対する怒りはなかった。なぜならミオパチーではなかったからからだ。筋肉の病気にもいろいろあるがすべてが難病である。その中で唯一、症状の進行を遅らせる治療法があるのがミオパチーという病気だった。医師にも言われた。何もできる事はないと。見守るだけだと。当時、情報が足りなかった私はそれを鵜呑みにしてしまっていた。でも今は違う。抗う。闘う。医師から欲しい情報は入ってこない。
家に帰ってきて1ヶ月程。いつもの日常が戻ったような、戻ってないような。空気はどんよりしていた。 アオが居る時は切り替えないと、、親が元気じゃない、幸せじゃないと子供が元気になる訳がない。それぐらいしか分からなかった。自分の心に嘘を付いて元気に振る舞う。でもアオの一言、一言が私を動揺させる。
保育所から帰ってきた『アオ』アオ君足痛い。身体の芯から変な緊張感が走る。初めて聞く言葉だった。手術の傷は癒えているはず。理由は分かっている。筋肉が壊死して筋力が落ちているんだ。たまにある身体測定では身長はどんどん伸びるのに体重はほとんど増えない。痩せすぎのラインを振り切りそうだ。筋肉は脂肪の3倍程の重さがあるから、、、そうなるわな、、足を揉んであげる事しかできなかった。心底自分の足をあげたかった。もういいよ、俺は充分遊んだから、、交換できたらどんなに嬉しいだろう。でもできない。できる事をもっと探そう。。そんな気持ちでいきついた食事療法。
基本的に添加物はやめよう。乳製品、お肉、小麦粉、食べれる物がどんどんなくなる。人間の三代欲の一つ『食欲』を制限するのは大変な事だと思う。が、仕方が無い。生きる為だ。ストレスを与えるのも自己免疫力に良くないから徐々に減らしていこう。そもそも人間は『食』に対してやり過ぎてしまったようだ。アオのような難病、アトピー、癌、こういった病気はこの50年程でかなり増えているらしい。そして最近購入した
『七葉純茶』(ななつばじゅんちゃ)解毒作用があり、 絶滅種とされていたが、奇跡的に自然栽培に成功。汚染を嫌う植物で、綺麗な水と良質な土でしか育たない。自然のかたちで 83種もの配糖体成分を含む。副作用なし。これはアオの救世主になるかもしれない!とりあえず、このお茶を武器にアオの病気と闘う事に決めた。すぐに効果は出ないだろう。長い目で見て他に出来る事があれば取り入れて試行錯誤して行こうと思う。 ここからが私達の再出発(反撃)だ。