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#4雨を感じる人々
茶道を始めるきっかけとなった北鎌倉での朝茶会のこと。
育児の日々に一息つきたくて
申し込んだ(駆け込んだ)朝茶会。
早朝、北鎌倉の駅を降りると
たくさんの学生が部活へ向かっていた。
そして、数週間後には
紅葉で色づくであろう山道を抜け、
茶室へ。
![](https://assets.st-note.com/img/1675006289591-0ScNaKOzUe.jpg?width=1200)
入口から更に奥に奥に入り込んでいく。
そこはもう鳥の囀りしか聞こえない。
育児の日々とは真逆の空間。
そして
朝の光を楽しむため、
あえて光を灯さず薄暗い和室。
天気は曇りでパラつく雨。
雨の日ってなんて会話します?
私は、
「今日雨か〜〜〜最悪だ〜〜〜仕事休みた〜〜〜い」
とか笑
まあよくても、
「生憎の雨で〜」とか
「今日はお足元が悪い中〜」とか。
ですが、茶道の世界の方たちは違うんです。
「雨がまた艶やかで
しっとりとした朝で良いですね」
と亭主と他の方が会話をされていました。
雨の日を楽しんでいるんです。
とある名言を思い出した。
ボブ・マーリーの名言
「雨を感じられる人間もいるし、 ただ濡れるだけの奴らもいる」
こちらに雨を感じられる方々がいらっしゃいました❗️❗️
私もただ濡れるだけの奴から
感じられる人になりたい!!
何て素敵で心地よいのだろう。
今思えば、
日々是好日の精神に触れた日。
私が茶道の世界に魅了された日。
そしていよいよ茶会が始まるようで
別部屋に案内された。
初めてで作法もわからないため、
他の方の真似をする気満々で下座に座っていたら、
「どうぞ上座にお座りになって」と言ってもらった。
![](https://assets.st-note.com/img/1675005778760-joGczChXdz.jpg?width=1200)
「あ、私初めてなのでここで!」と言ったら、
「今日は朝の時間を楽しむ会だから気にしないで」と
他の方にも上座に座ることを勧められた。
トップバッターなので
見本がいない!!
作法わからん!!
![](https://assets.st-note.com/img/1675005705544-GXUQzXml2h.png?width=1200)
そんなことはどうでもいいかと思わされるくらい
亭主の所作が
湯煙が
美しすぎて
味わい楽しめた。
帰り道、席を譲っていただいた方たちと一緒になり
上座を譲っていただいたことにお礼すると
「あの席から色んなものがよく見えるから
最初なら絶対に良いと思ったの」
と。
この茶会も有料なのに・・・
見ず知らずのソワソワしている私のために・・・。
私は茶道を通して
お茶会でご相伴させていただいた方から
人の心の豊かさに触れた。
私はとても幸運な最初の茶会となっただろう。
雨の美しさを見つける心。
人の喜びを自分の喜びにできること、
本当の豊かさに触れられた朝の始まり。