データに頼って見えなくならないか。
先日、HRの勉強会に参加して、タレントマネジメントの話を聞いたりしていた。
人的資本経営とか言われるようになって、タレントマネジメントのためのシステムも導入されるのが増えているけど、まだまだうまくいってないという話とか。
どんなデータが重要かとか、現状と課題とか。
タレントマネジメントシステムは、勤務先でも導入はされていて、でもうまく運用されてない感や本質からずれている感があってもやもやしている。
いろんな機能があるから使いきれてないのもあると思うけど、いろんな機能があってさまざまな運用に合わせられるようになっているようなので、導入しても運用しきれてないのは残念だ。
「何がしたいか」がないと使えないって話を聞いたことがあるけど、その状況に見えてしまう。
もちろん人事側でデータを使っていたりして現場には見えていないところもあるだろうけど。
データが重要なのに、業務担当ががんばればいいようなほかのシステム運用と違って、全社員が登録や更新をしないといけない分、データ収集も難しいしデータの精度も微妙に思うし。
そういう状態で、どう進めてどんな風にデータを使うのかも疑問に思う。
いろんな会社で人事を担当されてきて詳しい方でも、似たような課題を感じていると聞いて、どこでも同じ状況なんだなぁと。
*
気になったのは、タレントマネジメントシステムを使って、データからの自動レコメンドなどで管理しやすくなる、というような話があったこと。
たとえばパルスサーベイの結果を見て、この人の調子がよくなさそうだからコンタクトしてみてはとメッセージが出るとか、そんな感じの。
そういうの、好まれそうというか、データ活用としてもよくある手法だと思うけど。
タレントマネジメントシステムの場合、扱うデータが、個人個人の意識に依存して、どれだけ正しいかもわからない。
サーベイとかめんどくさいから適当にしちゃうって声も聞くし、あまり知られたくないから正直に答えないっていう人もいるらしいし。
そんな風に、正しいかどうかわからないデータに頼ろうとして問題ないのか?
そしてそれが正しいかどうかとかを疑問に思わず使う人が出てくるのではないか。
人を見るのって、やっぱりちゃんと個人個人を、目の前の人を見ようとすることに意味があると思う。
実際見て何がわかるのかとか、わかるかどうかが個人のスキルによるからいまいちってところもあるけど、自分で見て相手を知ろうとする意識が大事だと思うし。
自分が見たい知りたいと思うから見えることっていうのはあると思う。
けど、データを見ようとしてしまうと、その部分がおろそかになってしまいそうで、もやっとする。
データはあくまでも補助で、人では感知できない部分を感知できることに意味があるというのはわかるけど。
そんな風に使われない気がしてしまって。
データがあると、実際に見るよりも、データで満足してしまう人が多いよね?
別に人に対してだけでなく、たとえば現場の状況とかお客様のこととかも、データを集めたら実際リアルに見たり聞いたりしないのが多いように思う。
データでわかることも大きいけど、データに表れないものもあるだろうし、まだデータ化されていないところもあるだろうし、データに頼りすぎてそういうのを見なくならないといいなと思う。
*
結局は、タレントマネジメントシステムに限らず、どのようにデータを使うかは人次第になるところはデータを扱う場合の課題なのかもしれない。
人の管理のことだからと私が勝手に気にしてるだけかもしれない。別に私は管理しないけど。
けどやっぱり、データはデータとしてうまく使いつつ、リアルでわかろうとする意識はもっていたいと思うし、現場でしか感じられないものはあると思うし、そういうのが重要になるはずだと思う。
*
ライティング・ライフ・プロジェクト2023年10月期、9月に募集します。
お問い合わせなどはこちらからどうぞ。