彼女が会社で泣いていたわけ
会社で泣いたことってある?
私は何度もある。
自分の力不足でお客様や周囲に迷惑をかけてしまった時、目標を全然達成できなかった時、後輩がめっちゃ成長して嬉しかった時、四面楚歌で苦しかった時。会社員だった毎日は、膨大な仕事量と悲喜こもごもな出来事に圧倒されつつ、たまに涙してた。
そんな日々を送る前、入社して1年も経たない頃に見た彼女の涙が忘れられない。
彼女は同期。
とある支社に3人で配属され、3人娘の愛称で先輩たちに可愛がってもらってた。
大事な研修の中で“なんで働いてるのか”を上司に問われ、「思い出作りです♪♪」と皆の目をまん丸にさせたパンチの効いた男の子と、営業職とは無縁そうなサブカル好きの彼女。
まじやっていける気がしないー
と思ったのは、きっと3人とも同じだろう。
そんな彼女が仕事中に涙を流してた。声をかけたのかどうかも覚えてないんだけど、彼女が泣いていた理由だけは忘れない。それは・・
「仕事がめんどくさい」
えっ!!!!えーーーー???マジっすか。
衝撃だった。め、めんどくさい?!社会人でそんな理由はありなのか。悔しいとか、申し訳ないとか、嬉しいとかじゃなくてメンドクサイ。しかもまだ新卒1年目だよ。
前職は1年目と言えど、結構な裁量をもって働くことができる会社。なのにか。やりがい大事にしてる会社だよぉ。何の業務をメンドクサイといってたのかも忘れちゃったんだけど、彼女にしたら大体の業務はめんどくさかったんだろうな。
彼女の気持ちは分からなかったけど、全身からメンドクサさを放ってたし、彼女が自分に真に素直な人間なのだというのは、よーく分かった。
何より羨ましかった。
「仕事は思い出作りです、ルン♪」って言い切る奴も、「めんどくさいーっ」と社内で泣く彼女も。
ただただ羨ましかった。
最近、2人の同期を思い出すんだよね。
素直さは彼女、自由は彼が教えてくれたって。
「私も素直だよ~」なんて言ったら、ぶりっ子すんなって怒られそう(よくぶりっ子だとバカにされてた)。彼の爪の垢を煎じるだけで、100倍自由になれそうな気がする。
そんな彼らは、今どうしてるかって。
SNSで9割方バカ話をしつつ、彼はイケ麺料理人として活躍し、彼女は海外で資格を取って仕事を再開した。
いつだって自分の気持ちにまっすぐ。
いつだって彼らは眩しい。
自由な心は、いつなんどきだって侵されることを知らない。
間違いなく2人がお手本だけど、本人に言うことは・・・まぁないな。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?