開放のソで見直すクラリネット奏法論⑧〜額の共鳴編〜
呼吸、重心、喉の問題まで書いてきましたが、今回は何の話でしょう?
まずは開放のソを吹いてみましょう。
開放のソというのは、全ての指を離して吹く音です。そのため管の穴から音が抜けてしまうので、演奏者の身体の状態がもろに出やすい音なんですね。
響きが暗く感じる、音色が硬い、音程は正しいのに音程が低く感じるなど感じていらっしゃったら。。。その方は額が共鳴させられていないからかもしれません。
額ってそもそも共鳴するんでしょうか?
まずは共鳴していない状態と共鳴している状態の音を聴いて比べてみましょう。
音の明るさに差があるのがお分かり頂けたと思います。
厳密に音を額に共鳴させているかは、実験していませんが、よく「音をおデコに当てるように!!」や「手元の楽器を見ながら吹かず、遠くを見るようにして演奏しなさい。」など注意を受けたことはありませんか?
私はこれは全て額の共鳴を使わせるための注意だと思います。
眉間に皺を寄せて額を閉じた映像を撮った時「これ学生の頃の私にそっくり!」と思わずびっくりしてしまいました。特に難しい曲を演奏するときは、非常に難しい表情で演奏していました。
「額が閉じた状態」がどのような演奏になるか、実際に比べてみた動画を載せておきます。ブラームスのソナタ2番の出だしを吹いて比べています。
どうでしょう?
音色がガラッと変わりますね!
実は動画を編集しているときに、簡単な音圧が表示されたのですが、見た目でも分かりやすいので写真を載せてみます。
赤い線で囲われています。少し見にくいかもしれませんが、共鳴しているのとしていないのでは、音圧の差が一瞬で分かりますね。
そう言えば、演奏会に行ってプロの方の演奏を生で見ることや動画を見るときに、彼らの眉間がどうなっているか確かめてみると、大概皆さん眉間が開いています。そんな方は明るく澄んだ音色で演奏されているように思います。
ではこの額の共鳴を使って演奏する方法について、次の回で書いてみたいと思います。
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