Notionでタスクを管理する
4月から弊社、ちょっと大きめの異動があり、自分自身のポジションは変わらないもののチームのミッション案件が3倍に増加しました。
4〜6月は、チームメンバーと「やばいぞやばいぞ」と震えつつ走り抜けてみましたが、愚痴るだけでは事態は好転しないので、どう対処をするべきかを考え続けていました。
まだ過程にあるので完成形ではないのですが、「2022年6月はこんなことをやってたんだなあ」と懐かしく思い出したい…という期待もあるので、現状の取り組みを記しておきます。
(あと、似たようなポジションで企画系の仕事をしている知人がいないので、同じような課題感を持っている人と情報交換できたらなー、という淡い期待もあります!)
2022年1Qの状況
自分のプロフィールです。
・人材系でマーケティング系の仕事をしている。転職して1.5年が経過
・前職は採用コンサルタントという名の企画営業、東京&関西圏の約30社を担当していた。新卒からベンチャー育ち
・Notioner歴:3.5年
前職がハードワーク気味だったので、仕事の捌き方はわりと上級者の方なのでは?と密かに自負していたのですが、気のせいだったかな…と思い始めています。
Notionを自チームに導入して、脳が1.5倍位に拡張できたはずなのに、捌けない。おかしい、もしかして私は無能だった…?と悶々としながら帰路につく日々。
仕事量とメンバー数が圧倒的にアンバランスなのは確かなのですが、おいそれと増員できる部門でもない(らしい)ので、ひとまず現有勢力のみでどう乗り切るか?を考えることにしました。
まず、仕事を捌けていた前職と、現在とで、仕事内容がどう変わったのか?を図解してみました。
図解してみて納得したのですが、「仕事の量と型を、自分でコントロールできるのかどうか」は大きな相違点でした。
前職も案件数は多かったし、提案時期が重なりがちでしたが、なんだかんだ自分で「仕事を選べていた」ので、タスク管理しやすかったのだと思います。
加えて、転職して1年が過ぎ、今期に入ってからミッションの領域が拡がり、かつ粒度が大きくなったのも要因です。
昨年度はマーケティング系の仕事(ツール作成やイベント運営)がメインで、企画や効果測定の要素を付加しながらより良い成果を追求していく…的な案件を担当をしていました。
昨年末から、そこにSales Enablement的な要素が加わりました。結構ヘビーだけども、これは自分のプロフェッションなので、どんなに忙しくても別に構わない、と思える仕事です。
(プロフェッション>チェンジウェーブ佐々木裕子さんのこの講演ログより。大好きです)
ただ問題は、トップ陣から突然降ってくるリサーチ系や新規事業の進行案件です。NOとは言えない部門なので、緊急案件として処理せねばなりません。そしてこれは隕石みたいなもので、いつ襲いかかってくるかわかりません。
(このポジション、何の職種が近いんだろう…?と考えていたのですが、「経営企画」の職務内容に近い気がします)
こういう隕石案件に代表されるように、基本的に「緊急度・重要度を自分で調整できない」職種であることも、タスク管理を難しくする要因でした。
また、合意形成しながら進める案件が多いので、他部門の合意&決定を待たないと進行できません。
案件ごとにスパンや粒度が様々なので、Notionのタイムラインでのスケジューリングを試みようにもなかなか難しく、挑戦しては頓挫…を繰り返していました。
マネジメントが難しい部門というか、チームメンバーそれぞれが個人事業主のような動きにならざるを得ない状況に陥っていて、個々人の仕事量が「本人にしかわからない」という状態はよろしくないな、と思っています。
考えて、調査して、企画を書いて、MTGで合意を取り付けて、議事録を書いて、また企画を書いて…の繰り返しなので、致し方ないのかなと思いつつ。私も、他メンバーの担当案件は、PJTにアサインされてないと把握しきれません。
Notionをチームのプラットフォームにすることで、業務量を把握しやすくしたいのですが、まだ浸透しきっていないので、なかなか難しい。
メンバー増員が解決策のひとつであることは間違いないのですが、打診しても「忙しさが可視化しづらい」ので、すぐには応諾してもらえず、強い危機感を持っていました。
自分でどうにかする他ないので、改めてタスク管理術について調べるものの、どうもしっくり来るものがなく、(世にこれだけタスク管理のツールやノウハウ記事は溢れてるのに、どうして私は救われないんだ…!)と、毎日悶々としていました。
そして思い至ったのです。タスク管理とはツールの問題ではなく、自分の職種やポジション・環境によって千差万別なので「これがタスク管理の完成形」というものは無い。自分で考え、戦略性を持って挑むべき、永遠の課題なのだと。
なので私が行うべきことは、まずは現状分析でした。
STEP1:反撃のパラダイムシフト
このままノーガードで打たれ続ける(タスクに左右され続ける)わけにはいきません。まだ年若いメンバーもいるのです。彼らがダウンしてしまう前に、どうにかしたい。
悩みの果てに、私はひとつの解を生み出しました。それは「時間は有限のリソースである」ということです。
書いてみると当たり前のことすぎて笑ってしまいますが、ブラック企業育ちの私にとっては、電気の発明級に等しいパラダイムシフトでした。
いくらでも時間を使っていい、わけがない。限られた時間の中で、できることをやるしかないのです。
(マーケティング活動でも同じことが言えますが、物事を計画するときはまず「割くことのできるリソース」から考えるのが本当に大事ですね。上を見るとキリがないけど、無理なものは無理なので!)
そして辿り着いたのが「時間リソース管理」でした。
・私の1ヶ月の仕事時間=8時間×20日間。
・そこから会議・定例MTGとルーティンワークの時間を引き、
・さらにビッグボスからのリクエスト「常に余白20%を持っておいてね」に相当する時間を除き、
・最後に余った時間が、案件対応可能な時間です。約90時間でした。
・そこに案件の重要度で「案件それぞれに、今月は何%のリソースを当てるか」を配分し、時間を算出します。
工数が読みづらい案件には「XX時間なら工数を掛けられる」と算出できたので、「その範囲内のみで対応するスキーム」を書いてリリースしました。
この考え方でひとまず「依頼が発生してみないと工数が読めない、怖い未知の案件」への対応をどうするか問題は、片付けることができました。
STEP2:溶ける時間の可視化
上記の「時間リソース管理&スキーム構築案」を編み出して、一旦タスク問題を片付けたつもり…になれました。けれどまだまだ。計画したのに、なぜか時間は溶けていく。すぐに「これちょっと急ぎのやつ!」が飛び込んでくるのです。
なのでまず「ぶっ込み依頼リスト」をNotionで作りました。予定外の特急依頼案件——依頼者、内容、担当者、工数をメモしているだけのDBです。
上期が終わった辺りで「A役員からこんな無茶な依頼が来てたんですけど?XX時間もかかったんですけど??」と示してやるつもりです。閻魔帳みたいなものですね。
これでもまだ、時間が溶ける感覚は拭えません。タスクを爆速でこなしているつもりなのに、無為に時間を消費しているような気分に陥ります。
なので、タイムトラッキングを始めました。ここからNotionの画面スクショで紹介します。
Notionで取り組んだこと
2-1:タイムトラッキング
会議や作業着手の前に「案件名をメモするだけ」のDBを作りました。アプリ「Toggl(トグル)」のイメージですね。
終業後に案件をタグ付けして、レコードの作成日時を元にかかった分数をアバウトに入力していきます。フィルターを「今日」にすると、レコードが増えすぎて見づらくなることもありません。
5月半ばから開始して、ひたすら黙々と入力していたのですが、カレンダー表示にするとそれなりに発見がありました。自分、細切れに仕事しすぎ!MTGが多い&依頼ごとに対応しているとこうなるんですね。企画仕事が進まないわけだよと、新たな気付きでした。
5月は出勤頻度が増えたので、余計に集中しづらかったようです。集中的に企画仕事をこなす週を作って、数日間は在宅勤務にする…等のメリハリをつけようと、これを見て発案できました。
月次で振り返り、案件ごとにどれだけの工数がかかったのか?を上司に報告するつもりです。楽しみ!
これなら、時間リソース管理で計画した工数通りに進んだのか否か、エビデンスを持ってPDCAを回すことができます。
また、この記録があれば、誰かに案件をトスできるようになったら「この仕事はこれ位の時間がかかる」と工数を計算することができます。
いちいち入力する手間はあるものの、メリットは大きいと踏みました。
2-2:スケジュール&タスク
制作会社でディレクションをしている友人と話していてはっと気付き、翌日に作ったDBです。
多くの案件を抱えている友人に、どう進行しているのか尋ねたところ、「制作進行表をExcelで作り、ホワイトボードに貼り出している」と聞いてそれだ!!と膝を打ちました。前職で似たようなことをやっていたのに、なんで忘れてたんだろう。
その視点で振り返ってみると、ふたつの盲点がありました。
・案件によって、スケジュールを作っていないPJTがあったこと
・スケジュールを引いていても、Notion内のPJTページごとに、ばらばらにタイムラインを作っていたこと
この状態では、例えば「来月の私の忙しさはどれくらい?」が可視化しづらいままでよろしくありません。想定できないものは怖いですが、可視化さえできれば、対策することができます。
なのでNotionで、全案件のスケジュール&タスクを、一括管理することにしました。
やったことは、全案件の制作進行表をタイムラインで作ること。
スパンや粒度がバラバラなので難しかったのですが、一旦置いておいて、納期もタスクも「わかっている範囲で全部」を書き出してみました。
タスクをDBに打ち込み、案件名のタグを振った時点で、入力画面から消える仕組みにしました。
(いつまでもタスク入力用viewに残っているレコードは、行き場(案件名と納期)が決まっていない子です)
フィルターをかけて、案件ごとにview表示しています。
終わったタスクはチェックをつけて非表示にします。消すのではなく非表示にするのがポイントです。同じ案件を再現する時や、待望の新メンバーが増えた時のレクチャー時に使えるはず。
個人のタスク量を見せたい時は「担当者名」でフィルタリングしたビューを披露する予定です。
個人のDASHBOARDにも表示させています。(のしょこラン罫線の下)
「今週・来週&自分が担当」案件でフィルタリングしています。
1週間のタスクは、カバー画像下に日次で並列表記させているのですが、そこへのタスク反映漏れがないか、時々のしょこラン罫線下をチェックします。
2-3:ノウハウの共有
「仕事の受け方」のノウハウを明文化して、メンバーに共有するページをNotion内に作りました。基本的に各々の案件をこなす日々ですが、誰かが無茶な受け方をすると、たちまち余波が押し寄せるので、受ける時に防御しましょうと。
納期や目的を確認する、優先順位にそれとなく気付かせる、ギリギリまで(情報が揃い切るまで)作業着手しない…等のTIPS集を纏めつつあります。
「反撃」と威勢のいいことを言いつつ、実際は守備固めの状況です。でもまずは、可視化しなければ何も始められないし、説得もできないんだなと実感した2ヶ月でした。
Notionをフル活用してタスクを処理しつつ、エビデンスを残していくのが、今は最善策だと思っています。
2Q目が終わる位には、結構な「実績」が溜まっている筈なので、それをもってメンバー増員交渉をしたいところです。
頼れる相棒
自分なりの「爆速で企画を書く方法」を記しておきます。2022年6月モデルです。(だいたい半年スパンで変わります)
FastNotionが大活躍
Fast NotionのDBモードを使ったら神でした。
3Bで物事を考える人間なので、仕事系の思考を垂れ流す場所が欲しかったのです。
企画の進め方や、プレゼンのアイデア、タスクの回し方など、筋の良い解決策は、だいたい机を離れてからでないと閃かない性質の為。。。
スマホでFast Notionのアプリを開いて入力し、始業前にPCで個人DASHBOARDを眺めながら(昨晩、何か書いたな…)とFast Notionのカレンダーを眺めてタスクを追加したり、企画メモに追記する…という流れが、良いルーティンになっています。
「案件名:(内容)」と書き出すことをマイルールにしたので、カレンダー表示でもパッとみて内容がわかりやすくなりました。(iPhoneで案件名を辞書登録しているので爆速)
Fast Notionの使い方はこちら▼の動画から!本当に神アプリです。常に思考を続けるタイプの人には必携のサービスだと思います。
アナログ(手帳)×デジタル(Miro)
企画系は、まずは手帳に図解や構造化をしたり、プレゼンの流れを書き出した後で、Miroの出番です。最近はMiroでプレゼンに使う図解のパーツを作っています。
ちなみに、手帳に書き殴ったメモは写真にとって画像をNotionにupしたりもしますが、基本的に図案化するので残さず、丸めて捨てています。
なので捨ててOKなメモ用紙を挟む程度の、軽くて薄い手帳で十分なので、ゴルフのスコアカードカバーを使っています。
Miroで作成した図案を画像にしてNotionに埋め込み、上司にプレゼンする為のスクリプトを作成します。
Miroの素晴らしさはReiさんの神動画でどうぞ!
Notionで作ったスクリプトを上司に読んでもらい、フィードバックを元にその場で直し、翌日、幹部へプレビュー。
pptはなるべく最終段階まで作らない!という固い決意です。最近はpptを作らねば、と思うだけでうんざりしてきてます。部長陣へのプレビューであれば、NotionをPDFにして確認依頼するようになりました。
アナログとデジタルを行ったり来たりしていますが、その時々で心地よい使い方をできたら良いよね、と思っています。
ただ母艦はいつでもNotionです。「Notionを見れば全てがある」状態にしたいので。
Notionだから実現できたこと
これら一連のあれこれは、Notionじゃなきゃできなかったな…と思っています。
・仮説を思いついたらすぐに実装できるところ
・「ワークスペース」の中で実装できること
このふたつが大きな要素でした。
Notion JAPANのYouTube1本目のインタビュー動画で、10Xの矢本さんが仰っていたことにめちゃくちゃ共感したのですが、Notion=ワークスペース(仕事をする場所)。
Notion上で、ほぼすべての仕事をしているので(現状、私は7割位ですが)、その仕事場のフィールドの中で、こういう「お試し」が爆速でできるのは、非常にありがたいことでした。他のタスク管理系サービスを使う時間的・精神的余裕は無かったな、と。オールインワンだからこそ実現できたなと思っています。
4月から数ヶ月、結構悶々としていたので、悩みをぶつけまくったnoteになってしまいました。秋あたりに読み返したら「悩んどるねー」と笑えてたらいいな!
まあでも、タスク管理について悩んでいる時も楽しいもので、Notionをあれこれいじったら上手く捌けるんじゃ?と考える時間が、何より好きなのです。
タスクに忙殺される日々に抗うことで、自分の中でパラダイムシフトが起こせたように、成長の一つのステップにできたら良いなと思います。
タスク管理はまだまだ未完成なので、つづく。